「要するに何が言いたいわけ?」「結論から話せ!」――女の会話にイライラする男たち 中田堅司課長のもとに、女性部下2名からメールが送られてきた。だが、中田氏にとって、それはまるで「怪文書」ともいえる内容だった。

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中田課長殿

 お疲れ様です。A子です。昨日の会議についてですが、あの場では言えなかったことを付け加えたく、ご連絡します。在庫管理システムの発注ですが、B子さんが提案した「いろは社」は、導入実績が少なすぎるのが少し心配です。調べたところによりますと、「にほへと社」のほうが実績が高く、平均コストダウンも5%なので、こちらでも問題ないと思いますが。

 もちろん、直接の担当はB子さんであり、ここ数年来「いろは社」との付き合いがあったわけですから、コストダウンだけでなく、管理面でのメリットをいろいろと知っているのかもしれません。その意味で、B子さんの意見は尊重すべきだとは思うのですが……。なんといっても、この業務については彼女が一番、熟知していますからね。

 というわけで、とりあえずご報告まで。

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A子
営業販売部1課
内線(205)
e-ko@diamondonline.xxx.co.jp
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中田課長殿

 C子です。月曜日にご指示のあった担当替えの件で、メールさせていただきます。今後、西東京エリアはA子さんが担当するということですが、それはなぜでしょうか。前任者が実績を落としているならわかりますが、そうではありませんよね。

 チームのメンバーはみんな、A子さんばかり目立つエリアを担当していることに、不満を持っているようです。私もD子さんも未開拓の地域を引き受け、ずっと奮闘してきました。A子さんは優秀かもしれませんが、彼女だけが頑張っているわけではありません。

 以上、ご検討ください。

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C子
販売営業部1課
内線(205)
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 はたしてA子さんは、「いろは社」と「にほへと社」のどちらに発注すべきだと言いたいのか。また、C子さんはA子さんをどうしろと言いたいのか。いくら読んでも、さっぱりわからない中田氏だった――。