これは、男性が大昔から身につけている攻撃性が原因だ。人類がまだホモサピエンスだった時代から、男性たちはタテ社会の中で階層争いを続けてきた。彼らにとって重要なのは、他人の気持ちではない。自分が上のクラスに立てるか否か、だ。ほかのオスとの戦いに勝たなければ、おいしそうな食べ物、寝場所、メスを手に入れることはできない。

 かといって、「男性は1対1で戦うことを好み、集団で1人を陥れることはないのか」といえば、それは違う。前述のサマーキャンプの研究によると、こんな事実が明らかとなっているそうだ。

 「男の子はいったんいじめの対象が決まると、ほかの(序列の低い)メンバーも襲いかかり、その子を最下位に置こうとすることがわかっている。そうすることで、その子よりも高い地位を確保するためだ」

 上司に疎んじられた社員を、ほかの同僚たちがあからさまに小馬鹿にしたり、意見を無視したり、といった現象が起こるのは、こうした心理が原因なのだろう。日本産業カウンセラー協会が今年5月に発表した調査結果によると、「業務遂行の結果を出せない職員に対して、上司が厳しく評価・叱責。周囲から孤立してうつ状態となった」などの事例が報告されている。

 女性社会が、働きバチが集団で仲間を共食いする「スズメバチの巣」型だとすれば、男性社会は、階層争いで弱い者いじめが起こる「サル山」型といえるのかもしれない。

 では、万が一、スズメバチやボスザルに狙われたときはどうすればいいのだろうか。

■その1:信頼できる友人や家族に話を聞いてもらう
とくに女性からのいじめに遭っている場合は、職場で孤立しやすくなる。早めに周りに相談し、味方を作っておくとよい。

■その2:上司や人事担当者に相談する
 「こんなことで相談するなんて…」「自分にも至らないところがあるのかも」などとためらわず、エスカレートする前に早めの相談を心がけよう。身体的暴力や人格否定はもちろんだが、「孤立させる」「過重労働を押しつける」「わざと意見を無視する」なども、パワハラに該当する場合がある。「つねに仕事を監視する」「仕事に必要なことを教えてくれず、サポートしてくれない」など不適切な労務管理も問題だ。

■その3:加害者とのやりとりを記録する
加害者に事実を捻じ曲げられないよう、やりとりを記録しておこう。上司や人事担当者に報告する際、役立つのはもちろんだが、自分で読み返すことで「相手のパターンが見えてくる」という利点もある。

 相手が男性であれ、女性であれ、やられっぱなしでいるとますます事態が悪化しかねない。ただでさえ、成果主義や過重労働で職場がギスギスしている時代。自分を守る知恵と力をしっかり身につけたい。

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