また、江東区社協では、「応急小口福祉資金」という制度を設けていた。

 これは、災害、疾病、その他の理由により、応急に資金を必要とし、資金を他から借りることが困難な世帯に対する貸し付けで、対象になるのは、区内に引き続き3ヵ月以上居住し、返済が確実に見込まれる世帯。他からの借金返済のための資金や、すでに貸し付けを受けていて返済していない場合は利用できない。

 貸付限度額は、10万円(特例で20万円)。ただし、3万円以下の貸し付けなら、連帯保証人や民生委員による面談は必要ない。無利子で、生活保護受給者にも貸し付けが認められるという。

 同資金の2011年度の貸し付け中の件数は、1891件に上る。

 世田谷区社協にも、「応急貸付金」という制度があり、生計困難な人が緊急に出資を要し、他から貸し付けを受けることができない場合に貸し付けを行っていた。

 こちらは、貸付金額が5万円以内。返済期間は1年以内で、無利子だが、都内在住者の保証人が1人必要だ。

「社会とつながりのない人」が
自立のために数多く相談中

 このように、多くの自治体では、似たような制度があるものの、こうした制度のない自治体もある。

 全国社会福祉協議会の民生部の担当者は、こう説明する。

 「引きこもりの人であっても、将来的に自立したいという意欲がしっかりあって、そのために就職活動をしたいとか、就職の見通しがある程度見込める。あるいは、元々引きこもりだったが、資格を取得し、就職する可能性が高く、お金を貸してもきちんと償還していただける人であると、都道府県社協のほうで個別の状況を見て判断されれば、交通費程度なら、貸し付ける可能性はあり得ると思う」

 実際、現場では「危機的な状況がある」とか、「社会とのつながりがない」人からの相談が非常に多いらしい。

 これらの制度で、「明日、食べるための生活費がない」「電気が止まってしまった」というような理由で貸し付けられることもあるという。

 貸付額が3000円ほどの場合もあるそうだが、社会とつながりがあれば、借りられる範囲内の額だ。親族がいれば、支援してもらえる額でもある。

 社会福祉協議会の貸付制度の利用者が多いのは、そうした人と人とのつながりが希薄になってきていることの証左ともいえる。

 もちろん、引きこもりの人たちも、ひとり暮らしをしていて、経済的なやりくりが難しくなった人であれば借りられる。ただ、必ず面接に来なければいけない。しかも、対象は世帯主。本人が自宅から出られないと、基本的に貸し付けができないから、出ていくしかない。

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