観客数減に対する有効策は?
札幌ドーム自体は最寄りの地下鉄の駅から徒歩で行けるので、最寄駅からのアクセスはさほど悪くない。しかし、札幌の場合は、東京、大阪、名古屋などJR以外にも私鉄、地下鉄、バスのネットワークが充実している3大都市に比べると、どうしても自宅からドームの最寄駅にやってくるまでの「足」の面では分が悪い。
そこで、北海道の各地から後援会や町内会主催でのファイターズ応援バスツアーなるものがたくさん存在する。自宅の近くから乗れて、同じ場所まで送り届けてくれるなら、非常に便利だ。利用者は様々とのことであるが、このバスツアーで初めてドームに観戦に行くという人も少なくないとのこと。
北海道各地から球場へバスがやってくる。料金は場所にもよるが観客席料込で4000~5000円程度。(c)TVhファイターズは皆が知っている存在だし、テレビでファイターズの試合を中継すると視聴率は20%を超える。そんな人気球団なのに、町内会で案内が回ってきて初めて行ってみようと思う人たちがいるということは、球団側にしてみるとまだまだ営業開拓の余地が残されているのではないだろうか。
考えてみると、球場あるいは球団というのは待ち受け営業である。ファンが来てくれるのを待っている。球場にファンサービスのいろんな仕掛けはするものの、それらを知る、あるいは、触れるためにはまず球場に足を運んでもらわないことには始まらない。人々に球場に足を運ばせるには、球団側からの攻めの営業がもっと必要かもしれない。
ファイターズは昨年優勝したにもかかわらず、観客動員数は一昨年比13万人減っている。1試合平均2000人弱の減少だ。ファンの声を聞くとダルビッシュが抜けた影響が大きいようではあるが、津田社長も「まだ理由は完全には分析しきれていない」。観客数の回復は重要課題であり、そのためにはやはり攻めの営業が必要ではないだろうか。
手っ取り早いのは飛行機と同じで、空席の有効活用であろう。食べ物や飲みものの場合は試飲、試食があるが、スポーツ観戦の場合はなかなかそれがない。どうせ空いている席なら、ためしに一度来てみてよという形で席を有効活用するのは一手だと思われる。
なお、ファイターズの選手は北海道ではアイドル的な扱いを受けており、憧れの選手がアップで見られることもテレビの視聴率が高いことの一つの要因かもしれない。そして、それが球場への観客数の増加の阻害要因になっている可能性もある。
逆に言えば、テレビでは提供しきれない楽しさをどこまで球場で提供できるか、これが観客数増加には重要なのだろう。
ふと私の頭をよぎるのは、以前神宮球場で阪神対ヤクルトの試合を観戦していた際の出来事である。
「おい、真弓!お前もう監督辞めろ!俺が監督やってやる!」。声の主を見てみると、スタンドに座っていた阪神ファンのタダのオジサン。こういうヤジも球場ならではの醍醐味であるが、ファイターズの試合はなぜかまったくヤジがない。ファンは非常に行儀がよい。
しかし、セパ交流戦では、阪神戦の時はいつも札幌ドームは満員になり、大勢の阪神ファンもやってくる。多少行儀の悪いヤジ飛ばしオジサンも観客動員数増には多少貢献するということかもしれない。阪神の選手にしてみるともう勘弁してくれというヤジも、ところ変わればたまには欲しいもの、なのかもしれない。



