【どんな会社?】
汎用電子部品や特注部品を製造、海外売上50%以上!
無線通信機部品のメーカーとして1944年に設立。各種スイッチや、電気の流れを制御する抵抗器などを製造してきた。
その後、家電や自動車、アミューズメント機器向けなど、開発・製造する部品の幅は広がり、顧客(メーカー)が製品ごとのニーズに合わせて特注するユニット部品も手掛けるようになる。
抵抗器製造で培ったエレメント技術を基礎としてセンサ部品を開発。生体信号を測定する電極や、非接触センサ、タッチパネルに使用される透明電極など、さまざまな用途のセンサ部品を世に送り出してきた。
「NOBLE」(ノーブル)のブランド名でグローバル事業も積極的に展開。タイ、ベトナム、中国、台湾に工場を持ち、海外売上比率は50%以上を占める。
【何がスゴイの?】
優れた製造能力と一貫生産体制で顧客の信頼を得る
抵抗器などの汎用部品のほか、顧客の製品デザインに合わせて複数の部品を組合わせたユニット部品を一貫生産できるのが同社の強みだ。設計から金型製造、成型、加飾、組立までトータルに請負うことができ、要求される品質やコスト、納期を保証するため、生産設備を自社で設計・開発することもある。
最近では、カメラのアクセサリ製品などの完成品を請負うケースも増えており、同社の製造能力や、品質・コスト・納期(QCD)に対する顧客の信頼の高さがうかがえる。
また、帝国通信工業は海外に複数の工場を展開しており、どこかの生産・供給が止まったら、別の工場から供給できる体制を整えている。顧客企業の多くは、地政学的リスクの影響などで部品調達が困難となる不安を抱えており、必要な部品を安定的に供給できる体制は、大きな安心感につながっている。
【将来性は?】
新中計が始動! 売上高220億円、ROE6%以上へ
帝国通信工業は、今年度より新たな中期経営計画を始動した。
2030年度までの5カ年計画となる「中期経営計画2030」は、前中計で掲げた「既存領域の拡大」「顧客ニーズを捉えた新製品展開」「新領域の確立」などの取組みをさらに加速させ、最終年度に売上高220億円(25年度実績173億円)、営業利益22億円(同12億円)を目指す。また、資本効率の改善によってROEを6%以上(同4.5%)に引上げる計画だ。
「既存領域の拡大」では、強みであるエレメント技術を活かしながら、品目や販路の拡大、海外市場への展開、生産工程の自動化・デジタル化による利益率向上などに取組んでいく。
「顧客ニーズを捉えた新製品展開」で目玉の1つとなるのが、AIサーバー用の電気制御部品の開発だ。AIの急速な普及とともに、計算処理を行うAIサーバーの需要も爆発的に高まっている。そこで同社が得意とするエレメント技術を応用することで、サーバー機器の電流制御から冷却ファンの制御まで活用できる。現在開発を進めており、製品化されれば、既存製品と合わせて時代のニーズにかなった新製品として売上げ拡大に貢献する可能性がある。
「新領域の確立」では、医療・ヘルスケア領域を中心に社会課題、生活課題を解決する新製品の開発に挑む。その1つとして、尿に含まれるナトリウムとカリウム比を測定し、高血圧を予防するセンサの開発を進めており、28年度までに量産化する計画である(下コラム参照)。
以上の取組みを加速させるため、非事業資産の売却や借入れなどによって資金を確保し、積極的な設備投資を行っていく。
また、同社は28年1月竣工を目指して、新本社ビルの建設を進めている。完成すれば11棟に分かれていた研究開発、生産、営業などの部門が1つのビルに入り、連携強化によって成長に拍車がかかるはずだ。
【トップインタビュー】
変革と挑戦を続けながら、新しい時代を切り拓いていきます

さらなる成長を目指す新中期経営計画がスタートしました。長年培ってきたエレメント技術を活かし、前中計に引続き、既存領域の拡大や新製品の展開、新領域の確立に挑んでいきます。
成長を支えるのは何といっても人材です。当社は前中計より「3C」(Change,Challenge,Communicate)という行動指針を掲げています。新中計の5年間も、社員の変革と挑戦の意欲を後押しし、対話と意思疎通を促すことで、人材と組織力の強化を図っていきます。
また、資本効率の改善によりROEの向上を目指し、株主還元の強化にも努めてまいります。今期の配当予想は25円増の年間125円です。われわれの取組みにぜひご期待ください。



