魅力的な商品を提供できていないことや、景気循環による消費行動の変化など、その要因はさまざまだが、100円マックのような低価格商品を投入して客の裾野を広げたところで、高単価商品を投入するという従来の“必勝パターン”が、もはや通用しなくなったのは確かである。

 同時に、「フランチャイズ化を進めたことによる弱体化」を指摘する声もある。

 それまでのマクドナルドの強さの秘密は、直営店比率の高さにあった。だが、高コスト体質に陥り利益を圧迫していたこともあって、08年以降、フランチャイズ化を推し進めた。かつて7割あった直営店は、現在3割にまで縮小しているほどだ。

 その結果、人件費は抑制され、筋肉質にはなったものの、「教育が徹底されなくなるなど、店舗が荒れてしまった。また、本部の指揮の下、一気呵成に攻め込む強さが失われてしまった」(流通業界関係者)というのだ。

 13年に新しくバトンを託されたカナダ出身のサラ・L・カサノバ社長の下、現在、“原点回帰”を旗印に改革を進めているが、いまだ目覚ましい成果は表れていないのが現状だ。

 そうした状況下で起きた今回の事件。“食”を扱う分野において、安心安全に対するイメージダウンはことのほか大きい。

 07年の冷凍ギョーザ事件の際、ある外食チェーンでは、「中国産を扱っていないにもかかわらず、既存店売上高が10%以上落ち込んだ」と振り返る。

 暗中模索が続くマクドナルドに吹き付けた逆風は、当面、やみそうにない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

TOP