日銀追加緩和、日経平均急騰の恩恵をあずかるセクターとして、金融、不動産などの大型株が注目されている。だが、誰もが買う銘柄は、すでに上昇し、これから買っても値幅が取りにくいケースもある。そこで、ネット証券のレポートを読んでみると、次に来る投資のテーマを探る、別の視点が見つかった。
日銀相場に即反応したセクターと銘柄は?
最初に、追加緩和が発表された10月31日から、実際に人気化したセクター・銘柄をチェックしてみよう。11月6日時点で5日前からのセクター別騰落を示したのが【図表1】だ。赤いセクターほど上昇率が高いが、特に証券業、その他金融、不動産業の上昇が目立つ。
【図表1】過去5日間の業種別騰落率。11月6日時点。カブドットコム証券の「kabuナビ」で表示
各セクターで上昇率ランキング上位の銘柄をまとめた【図表2】。マザーズやJASDAQの中小型銘柄も多くランクインしている。
【図表2】追加緩和後に上昇したセクターと銘柄は?
(過去5日間上昇率ランキング-11月6日時点)
| 全業種 | |||||
| 順位 | 銘柄(コード) | 市場 | セクター | 騰落率 | 株価チャート |
| 1 | 東洋合成工業(4970) | JQ | 化学 工業 |
72.73% | |
| 2 | ダイヤ通商(7462) | JQ | 小売業 | 70.9% | |
| 3 | アドテックプラズマテクノロジ(6668) | 東M | 電気 機器 |
68.03% | |
| 1.証券業 | |||||
| 順位 | 銘柄(コード) | 市場 | 騰落率 | 株価 チャート |
|
| 1 | FXプライム byGMO(8711) | JQ | 49.16% | ||
| 2 | ジャパンインベストメントアドバイザ(7172) | 東M | 40.49% | ||
| 3 | マネックスグループ(8698) | 東1 | 27.5% | ||
| 2.その他金融業 | ||||
| 順位 | 銘柄(コード) | 市場 | 騰落率 | 株価 チャート |
| 1 | アイフル(8515) | 東1 | 27.25% | |
| 2 | 日本取引所グループ(8697) | 東1 | 24.9% | |
| 3 | アプラスフィナンシャル(8589) | 東1 | 21.6% | |
| 3.不動産業 | |||||
| 順位 | 銘柄(コード) | 市場 | 騰落率 | 株価 チャート |
|
| 1 | プロパスト(3236) | JQ | 43.87% | ||
| 2 | レーサム(8890) | JQ | 27.57% | ||
| 3 | サンフロンティア不動産(8934) | 東1 | 21.61% | ||
※5日前からの業種別の騰落率銘柄ランキング。11月6日時点。カブドットコム証券の「kabuナビ」でスクリーニング
すでに買われた大型株より中小型株に視線を向ける
5日前からのランキング【図表2】では、中小型株が多かったが、指数の騰落率を比較すると、8、9月以降、日経ジャスダック平均やマザーズ指数は下落が大きく、10月半ば以降の反発でも戻りが鈍い【図表3】。
【図表3】8月以降の日経平均、日経ジャスダック平均、マザーズ指数の相対比チャート。ライブスター証券で表示
今後、中小型株銘柄(主に、東証2部、東証マザーズ、JASDAQに上場)の可能性を指摘するアナリストレポートがある。
「仮に大型株の上昇ピッチに過熱感が出てくれば、中小型株の人気が相対的に高まってくる可能性も十分あります」(「日本株投資戦略~11月は中小型株の投資チャンス到来!?狙い目の銘柄は?~」10月31日。SBI証券のレポート。ネットで公開中)。
過去のアベノミクス相場を検証した結果、中小型株市場が回復局面に入れば、「パフォーマンスが相対的に(TOPIX銘柄に比べて)優位となる傾向」があるという。11月相場は中小型株の「仕込み場」かもしれない。
レポートでは、「堅調な業績が期待でき、成長可能な市場で展開する中小型銘柄」として、日本写真印刷(7915)、MUTOHホールディングス(7999)など8銘柄が紹介されている。
テクニカル面で買いサインが出ている中小型銘柄
最近の日経平均は、先物売買に振られて荒い値動きとなっている。そこで、「インデックス(指数先物の)売買に振らされ難く、トレンド転換が期待される中小型株に注目」したレポートもある(「週刊相場観測誌Market展望」11月4日、フィスコ。マネックス証券が会員向けに提供)。レポートで紹介された中小型株のスクリーニング条件は次のとおり。
(1)市場:東証2部、JASDAQ、マザーズ
(2)テクニカル:週足ベースの一目均衡表の雲を上放れ(買いサイン)
(3)業績:今期予想で増収、経常増益
検索条件はシンプルなので、ネット証券のスクリーニングツールで、最新株価を使い、検索し直してみた。SBI証券のスクリーニング機能で検索した銘柄が【図表4】。
【図表4】中期シグナル好転の増収増益銘柄
| 市場 | 業種 | 決算期 | 予想経常 増益率(%) |
最新の株価 チャート |
| 【会社(コード)】 日本ファルコム(3723) | ||||
| マザーズ | 情報・通信業 | 2014年9月 | 68.8 | |
| 【会社(コード)】 インフォテリア(3853) | ||||
| マザーズ | 情報・通信業 | 2015年3月 | 60.4 | |
| 【会社(コード)】 IMV(7760) | ||||
| JASDAQ | 精密機器 | 2014年9月 | 51.5 | |
| 【会社(コード)】 ザインエレクトロニクス(6769) | ||||
| JASDAQ | 電気機器 | 2014年12月 | 8.3 | |
| 【会社(コード)】 SBIライフリビング(8998) | ||||
| マザーズ | 不動産業 | 2015年3月 | 3.3 | |
| 【会社(コード)】 日本プロセス(9651) | ||||
| JASDAQ | 情報・通信業 | 2015年5月 | 1.2 | |
※検索条件は、上記3点に「1日平均売買代金1000万円以上」を追加。スクリーニングは11月6日終値で実施。検索結果は、実際には、すべて上記レポートの掲載銘柄と重複していた
中小型株を実際に取引する場合には、値動きの激しさに注意しよう。【図表5】は、上記スクリーニングで出たマザーズ銘柄と、日経平均を比較した相対比チャート。値動きの大きさが、まるで違うことがわかる。中小型株は、ハイリスク・ハイリターンだということを踏まえ、トレード戦略を練っていただきたい。
【図表5】インフォテリア(3853)、日本ファルコム(3723)と日経平均を比較した相対比チャート。ライブスター証券で表示
※本記事はネット証券の情報提供が目的であり、個別銘柄を推奨するものではありません。記事中に紹介したアナリストレポートには、さらに多くの銘柄や、詳しい情報が掲載されています。




