高市早苗氏が自民党総裁に就任したことで市場では「サナエノミクス」への期待が高まり、10月の利上げ観測を後退させた。しかし、その見立てはあまりに短絡的ではないか。本稿では、「デフレ脱却」というスローガンの意味が歴代政権でいかに変容してきたかを解き明かし、高市氏の経済政策と日銀の現在の方針が、巷で言われるほど対立していないという意外な事実を論証し、政治が不安定な局面だからこそ、日銀が10月の利上げに踏み切るべきなのかについて解説する。

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