高市早苗自民党新総裁の誕生を受けて株高と円安が進行高市早苗自民党新総裁の誕生を受けて株高と円安が進行した(10月6日) Photo:JIJI

市場のムードを変えた高市・新総裁
そもそも株式市場の環境は良好

 10月4日の自民党総裁選で、積極財政と低金利路線を掲げる高市早苗氏が新総裁に選ばれ、市場は大幅な株高と円安でそれに応えた。

 市場のムードはがらりと変わり、相場のレンジが切り替わった可能性があるが、一方で、この「高市トレード」にはムード先行の一面もある。その持続可能性についていろいろと考えてみよう。

 まず株式市場については、そもそも相場環境が非常に良好である。

 米国では、様々な問題が生じながらも、空前のAIブームがそれらを覆い隠し、ナスダック総合指数やS&P500など主要株価指数は、軒並み最高値を更新し続けている。

 経済状況が芳しくない中国も、ここのところ株式市場は絶好調だ。フランスの政治不安を抱える欧州でも、ひところ頭の重い展開が続いたものの、ここにきて株価は堅調さを取り戻しつつある。

 多くの新興国市場も好調だ。そんな中、高市総裁誕生は、日本株に格好の材料を提供した形となった。