地図は、現実の世界をそのまま縮小したものではない。複雑な地形や歴史情報から何を選び、何を省き、どう見せるか。その判断の積み重ねで、読みやすさは大きく変わる。とくにアルプスのような山岳地帯では、標高や谷、峠、都市、街道を一枚の平面に落とし込むのは至難の業だ。では、そうした地図をなぜ専門ソフトではなく、Wordとペイントで作るのか。本稿では、『地図で学ぶ深読み世界史』の著者、伊藤敏氏に地図制作の手順や資料の見比べ方、正確さと見やすさを両立させる工夫、さらに使い慣れた道具にこだわる理由を聞いた。

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