池袋の再開発で「新宿・渋谷超え」のために絶対失ってはいけない“武器”Photo:PIXTA

東京・池袋で駅上空に新たに東西デッキを設け、地下通路の混雑緩和を図る計画が進んでいる。東口エリアに続いて、西口エリアでも超高層ビルや駅前広場などを整備する再開発が動き始めた。池袋は一体、どんな街を目指すのか。新宿や渋谷とは異なる「らしさ」をどう打ち出していくのか。(A4studio 逢ヶ瀬十吾)

「雑多で庶民的な街」池袋が再開発へ

「東京・池袋」と聞いて、どんな街を思い浮かべるだろうか。池袋駅は、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線・副都心線、西武池袋線、東武東上線が乗り入れる巨大ターミナル駅だ。

 ただ、超高層ビルが立ち並ぶビジネス街や日本最大級の歓楽街・歌舞伎町を擁する新宿とはイメージが異なる。IT企業の集積地や若者カルチャーの発信地といったイメージのある渋谷とも違う。

 池袋は商業施設や飲食店、劇場に加え、近年ではアニメやマンガなどのサブカルチャーの人気店も集まっており、新宿や渋谷に比べると「雑多で庶民的な街」といったイメージがあるのではないか。

 そんな池袋が、人の流れそのものを変える大改造に踏み出そうとしている。

 東武百貨店などが立地する西口エリアでは、建物を解体し、広大な交通広場や大屋根広場を整備。さらに東口方面へ抜けられる「北デッキ」なども計画されている。再開発の解体着工は2030年の予定だ。

 池袋は一体、どんな街を目指すのか。新宿や渋谷とは異なる「池袋らしさ」をどう打ち出していくのか。都市ジャーナリストの谷頭和希氏に話を聞いた。

“駅袋”と揶揄されてきたワケ

 なぜ池袋で今、これほど大規模な再開発をするのか。背景には、池袋駅周辺が長年抱えてきた「歩きにくさ」と、「東口・西口の分断」があると谷頭氏はいう。

「池袋駅は、JRや東京メトロなど複数の路線が入り乱れているうえ、東口と西口を行き来する地下通路が複雑です。駅から外に出て、別の場所へ行くという人の流れが生まれにくい構造になっています」

「そのため、駅と直結した百貨店などを利用して、そのまま駅に戻る人が多く、池袋駅から街へ人が広がりにくい現状があり、長らく“駅袋”と揶揄(やゆ)されてきました」

 実際、池袋は東口と西口で街の雰囲気がガラリと変わる。

「東口はサンシャインシティや家電量販店、アニメイト池袋本店などがあり、サブカル色の強い街。一方、西口はロマンス通りのような歓楽街があり、さらに東京芸術劇場などのハイカルチャーもあります。それぞれに異なる魅力を持ちながらも、その間を行き来しにくいことが、池袋駅周辺の大きなネックでした」