世界で本格化が進んでいる広告配信でのアドテクノロジー活用は、大きな関心を集めたテーマの一つだ。日本でもようやくDSP(Demand Side Platform)やRTB(Real Time Bidding)の活用がスタートしたが、グローバルで見ると普及はこれから。「アドテック東京2012」では、徳久昭彦氏(プラットフォーム・ワン 代表取締役社長CEO)をモデレータに、業界のトップランナーらがDSP/RTBの活用について将来の展望を語った。

商材によって使い分けの
必要なDSP/RTB

 DSP/RTBは、効率的な広告配信機能によるパフォーマンスの高さが評価されているが、ブランドを重視する広告主やプレミアム媒体での活用が進んでいないことが課題だといわれている。DSP/RTBは今後、ブランド価値の訴求にどう活用されていくのか。

 これについて「アドテック東京2012」では、DSP/RTBを活用している広告主、エージェンシー、大手媒体社、そしてDSP/RTBのプラットフォームを提供する企業が、「DSP/RTBがもたらす新たなメディアバイイングの機会と期待」と題するセッションで、それぞれの立場から意見を述べた。

「アドテック東京2012」セッション「DSP/RTBがもたらす新たなメディアバイイングの機会と期待」より

 まず、DSP/RTBは日本ではどんな企業が利用しているのだろうか。積極的にDSP/RTBを活用する広告主企業としてその効果を紹介したのは、住宅情報サイト「SUUMOネット」を運営する川本広二氏(リクルート住まいカンパニー SUUMOネット推進部部長)だ。

 川本氏は、「DSP/RTBの効果は、使いながら検証することが重要」と指摘。同社では複数のDSPを並行して使っており、今年7月にその効果測定を実施した。そこでわかったことは、「商品やサービスによってどのDSPが適切かが明確になり、商材によって効果が違うということ」と述べた。