グーグルの松村氏は、YouTubeの動画広告枠がすでにRTBで取り引きされている米国の状況を「米国は、従来からケーブルによる情報取得がさかんで、オンラインビデオコンテンツを見慣れているオーディエンスがいるなど、すでにエコシステムができている」と分析。

 日本ではまだ、動画広告については米国のような環境は形成されていないが、プラットフォームを提供する立場としては、今後、ビデオコンテンツを拡大していく仕組みを構築したいと希望を語った。

「日本でも将来的にスマートフォンの広告にDSP/RTBが活用されていく」と語る、グ-グルの松村直樹氏

 また同氏は、スマートフォン向け広告へのDSP/RTB活用について、日本でも将来的に「行ける」と述べ、「グーグルの中でも、アジアパシフィックにおいて日本は注目されている」と加えた。

 矢野氏はスマートフォンについて、「ディスプレイ広告のスペースという考え方ではなく、OtoOのツールとして発展する結果、広告が付随して売れていく」という予測を示した。

 川本氏は、アドタグの重さなどスマートフォンでのDSP/RTB活用には課題もあるものの、最適化期間を考慮すると「今がスタート時期」であり、「まず使ってみる」「運用実績を貯めてみる」姿勢の重要性を述べた。

 ――日本での普及はこれからというDSP/RTBであるが、ディスカッションで幾度となく指摘されたように、広告主のベネフィットを最大化するために運用実績を積むことが、まずは重要であること、その蓄積が、やがてブランディングプロモーションにも生きて来るのではないだろうか。

(文/宮口貴志)