矢野清人氏(博報堂DYMP iメディア局局長代理)は「DSP最大のメリットは、自動的によい広告枠、よい広告面を選ぶことができる自動最適化機能」と評価するが、さらに効果を上げるには、やはり使用する側での管理が必要なようだ。
一方、杉浦友彦氏(電通 ダイレクトマーケティング・ビジネス局)は、広告主の予算配分最適化を支援する立場から「純広告かDSPかといえば、運用コントロールがしやすいDSPに移行している」現状を紹介した。
このように、広告出稿の費用対効果の効率向上のためDSPを活用するトレンドは、日本でも徐々に広がりつつある。
DSP/RTBはブランド広告の
訴求にどう活用されるか
ダイレクトマーケティングにおける効果の次に、DSP/RTBがブランド広告の訴求にどう活用されるかが議題に上った。
日本経済新聞社の戸井精一郎氏(デジタルビジネス局局次長)は、日経電子版の広告セールスプランニングほか同社のデジタル事業を推進、Webサイトの価値を「ページビュー」「コンテンツの質」「オーディエンスの属性」の観点から評価すべきという独自の指標を打ち出している。
同氏は、「広告は、同じページに掲載されているコンテンツと関連があるほうが高い効果を提供できる」と述べ、“読者から支持されるメディアの信頼性”を担保するために厳しい広告掲載基準を適用し、ブランドを訴求したい広告主の要求に応えているという。
「広告メッセージを伝えるための要素として、媒体の信頼性、価値、評価、広告枠、クリエイティブ、およびストーリ性なども加味することが不可欠」(同氏)
そして、DSP/RTBのメリットは理解しているものの、現段階では活用に慎重と付け加えた。