小林さんは、人気大学2校を比較するにあたって、単純な格上・格下という話ではないことを前提として述べます。比較する観点として挙げるのは、「入試難易度」「就職・出口」「学部・分野」「立地・キャンパス」「ブランド・将来性」「受験生の適性」の6つ。ただし、絶対的なレーダーチャートで決めるのではなく、それぞれの大学で差が出やすいポイントにスポットを当てながら、受験生のタイプ別の分類ができれば、という意図で話を進めます。
何を重視するかで変わる「青山学院大学VS立教大学」
まず1つ目は「青山学院大学VS立教大学」。青学は都心性や華やかさがあるイメージで、国際系や英語が強み。一方、立教は都会性がありつつやや落ち着いた雰囲気があり、リベラルアーツ感やコミュニケーションの部分が魅力だと小林さんは紹介します。
中橋さんはデータ面から、両大学とも志願者数が増えている人気の大学としながら、住み分けがはっきりしている印象だと言及。結論としては、ブランド感や立地、華やかさなどのイメージを重視するなら青学、伝統や落ち着き、特色ある学部を重視するなら立教という見方を示します。ただし、かなり拮抗しているため、最終的には本人の考え方によって変わる、と付け加えます。
就職も受験戦略も考えておきたい「早稲田大学VS慶應義塾大学」
2つ目は私大最上位同士の「早稲田大学VS慶應義塾大学」。中橋さんは、文化的な要素や出口的な要素が大きな違いだと語ります。早稲田は多様性、学生数、学部の幅が強み。一方、慶應はOBネットワークや企業社会との結びつき、伝統を重んじるイメージが強い大学だとまとめます。
小林さんは昨今の情勢の変化に触れ、偏差値やダブル合格者の入学選択率で早稲田が善戦している、と話します。また、就職面では慶應が強いといわれるものの、有名企業400社就職率を見ると圧倒的な差というほどではない、とのことです。
結論は「好きな方へ」としつつ、小林さんは受験戦略で考えることも提案。共通テスト型や国立併願に抵抗がないなら早稲田、一つの大学に集中して複数学部を受ける形なら慶應、という考え方を示します。
迷いやすい私立大学の比較で注目したいポイント
次は、関関同立のなかで迷いやすい「関西大学VS関西学院大学」です。関西大学は大阪にあり、親しみやすく受験しやすい大きな大学。一方、関西学院大学はブランドイメージや国際系の強さが魅力だと小林さんはいいます。
中橋さんは、データから関西学院大学の就職面での強さを指摘。立地による進学のしやすさや受験方式の多さを考えると関西大学、ブランドや国際系を重視するなら関西学院大学とし、最終的には個人の好みや学部で選ぶのが自然だと結論づけています。
「上智大学VS国際基督教大学(ICU)」は、英語系・国際系が強いという意味では共通するものの、大きく異なる点もあると小林さんは説明します。上智は四ツ谷という都心立地、総合大学感、早慶と並べられるブランド感が魅力です。一方、ICUは英語を学ぶというより、英語がある程度できる前提でリベラルアーツや教養を学ぶ大学で、入学後に専攻を選べることも紹介します。
中橋さんは、「THE日本大学ランキング」のデータではICUが優位としつつ、内部の特殊性が強いことにも言及。上智が万人受けしやすいのに対し、ICUの環境は合う合わないの差が激しい、と注意を促しています。
※THE 日本大学ランキング:イギリスの教育専門誌「THE(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)」が発表する、学生の学びの質や成長性といった「教育力」に焦点を当てた指標。
意外なライバル大学対決をどう見る?
続いて中橋さんが私立理系の比較で挙げるのは「東京理科大学VS芝浦工業大学」。理科大が強くライバル感はないとしながら、芝浦も分野によっては強みがあり、有名企業400社就職率では大きな差がない、コスパがよいという見方を示します。しかし、意見を求められた小林さんは、両方受かるなら「理科大」と即答します。
また、特殊なケースとして中橋さんは「國學院大學VS東洋大学」を比較。東洋大学が、(ワンランク上と言われる)「成成明学獨國武(成蹊大学、成城大学、明治学院大学、獨協大学、國學院大學、武蔵大学)」に近づいているのが理由です。また、國學院が良くも悪くも強みがはっきりしている大学なのに対し、東洋は一般的な大学という印象だといいます。
小林さんは、文学、歴史、神道などを学びたい思いが強い人は國學院向きとしながら、一般的な知名度から今後東洋を選ぶ人も増える可能性があると見ています。また、アクセスやキャンパス周辺の環境も、判断材料になるということです。
国公立大学の比較でも複数の要素が絡む
国公立大学の比較の1つ目は、関西の「神戸大学VS大阪公立大学」。中橋さんは、ブランドでは神戸大が圧倒的に高いとしながらも、大阪公立も伸びており学費面で強みがあるとします。
首都圏ではまず「筑波大学VS横浜国立大学」。筑波は研究やキャンパスの特徴、横国は首都圏での就職や文系的な学問が強みだと中橋さんは語ります。自身が理系のため、筑波寄りだという中橋さん。それに対し、小林さんは「平均年収ランキング」などで横国が目立つことから、今後横国が強さを増してくるのではないか、と予想します。
最後に中橋さんは「千葉大学VS東京都立大学」を比較。千葉大は首都圏で東大に次ぐ総合大学という位置付け、都立大は都内ことに関して具体的に学べることや学費面をポイントして挙げます。そのうえで、理系では千葉大、文系では都立大という考え方を示します。
一方、小林さんは立地に注目。都立大は多摩方面に通いやすい受験生から支持を集め、ローカル大学の傾向が強くなっていくのでは、という見解です。立地や学部選択の幅広さなどから、トータルでは千葉大が選ばれやすいのでは、と見ています。
まとめ
今回は人気大学ライバル対決として、さまざまな視点から9組を比較しました。最後に小林さんは受験生に、それぞれの大学の強みや入試との相性を踏まえたうえで、志望校を検討してほしい、と伝えています。(次ページに解説動画あり)
