駒場東邦中学校について

 近年、東大合格者数を伸ばして進学実績で再評価されています。理科系、医学部への進学実績は全国トップレベルである一方、クラブ活動も盛んな文武両道を極める校風で知られています。例えば、サッカーは全国大会に出場を果たすほどの強豪校で、バスケットボールやバドミントン、陸上競技、卓球などの各種運動部でも毎年のように好成績を収めています。

 学習面では、特に数学や理科に力を入れ、中学1・2年の理科実験では1クラスを2つに分けた分割授業で、密度の高い学習を実施しています。生徒一人ひとりへの配慮もきめ細やかで、中学では1学期の成績が振るわなかった生徒に対して、夏休みに指名制で無料の夏期講習を行うフォローもあります。

 また、中学1・2年の英語では生徒20名による分割授業で基礎を徹底し、外国人講師による英会話の時間も含めて質の高い学習環境を整えています。先輩が後輩を指導する伝統がある体育祭では、学年を超えた絆を強め、卒業したあとも学校OBとしての交流が盛んです。(松井誠:TOMAS教務企画局 教務本部)

駒場東邦中学校の基本情報
区分 私立
男女校種別 男子校
入試日 2/1
住所

〒154-0001

東京都世田谷区池尻4-5-1

アクセス

<電車>
京王井の頭線「駒場東大前駅」西口出口より徒歩10分
東急田園都市線「池尻大橋駅」北口出口より徒歩10分

 

<バス>渋谷駅南改札口西口ターミナル
・渋51系統 若林折返所(淡島)
・渋54系統 経堂駅(梅ヶ丘駅)
「駒場」下車 徒歩5分

 

・渋21系統 上町駅
・渋24系統 成城学園前駅 他
「大橋」下車 徒歩7分

※参照: 駒場東邦中学校・高等学校のHP

駒場東邦中学校の入試分析

国語の入試分析

傾向:物語文1題、書く作業多し

 例年、B5版10数ページにわたる長文の物語文を用いた大問1題構成。小問は12~13問程度で、問1で本文中から出題する漢字の書き取り15問、短めの記述3問、80字程度と「全体をふまえて」の100字以上120字以内で書く記述がそれぞれ1問出る。主に登場人物の心情を説明する問題となっている。

出題:自分らしく生きるのは難しい

 本年も中学生が主人公の文章。周囲が自分に対して抱くイメージを窮屈に感じている剣道部副主将の羽紗(女子)とケーキ作りが好きな男子・虎之助の苦悩を描く。焦点は120字の記述で、文章中で虎之助がどのように変わったかを、その変化のきっかけを含めて過不足なく説明できるかどうかがポイント。

対策:語句を駆使して豊かな表現を

 登場人物の「そのときの心情」や「行動・表情の変化の理由」の説明を求められると、端的でぶっきらぼうな解答をしてしまいがち。指定された字数を満たすためには、心情の変化のきっかけとなった出来事と、それを当人がどう受け止めたかをともに説明するように書くことである。また、締めには「うれしい」「かなしい」などの「気持ち言葉」を用いることになるので、的確な表現ができるように語彙力を鍛えておこう。

読解問題 頻出テーマ ベスト3

1位 父母

2位 その他の人間関係

3位 文化と学問

算数の入試分析

傾向:図形と場合の数を重視

 例年、大問4題の構成。多く出題されるのは平面図形、数の性質、場合の数などで、立体図形や速さがそれに続く。数の性質や場合の数は丁寧な書き出しや調べ上げが大切で、図形では補助線の引き方、正確な作図能力が要求される。解答の理由を書く記述問題もあり、論理的に説明する記述力も欠かせない。

出題:平面図形中心の例年通りの構成

 大問1は小問集合(不定方程式、時計算、図形、場合の数)、大問2は円と正多角形、大問3は図形と規則、大問4は数の性質。例年通りの図形中心の問題構成だが、立体図形は出題なし。前半は短時間で処理しておきたいところだが、難易度高めの小問もあり、時間を取られる可能性があるため、時間配分には注意したい

対策:記述対策を怠らずに

 昨年度はなかったが本年度は復活した、答えを導く過程や理由を説明する問題について演習が不可欠である。基本問題でも必ず途中式を書く習慣をつけておきたい。図形問題は平面図形、立体図形ともに補助線を引き、丁寧に作図して強化しておく必要がある。数の性質や場合の数は、規則性に注目し、調べ上げや書き出し、計算処理を速く正確にできるよう、日頃からいろいろなパターンの問題に根気よく取り組んでおくことが大切である。

算数 頻出テーマ ベスト3

1位 場合の数・条件整理

2位 平面図形

3位 数の性質、規則性

社会の入試分析

傾向:知識と思考力を問う良問

 例年、短めのリード文の後に、大問1問構成で計20問前後の小問が出題される。分野は歴史の問題がやや多く、地理・公民・時事問題など幅広く出題される。知識を問う問題のほか、資料を分析してまとめる思考問題も頻出である。記述問題も何問か必ず出題され、差がつきやすいため対策が必要である。

出題:記述問題が増え全体的にやや難化

 問題の頁の分量が15頁から17頁に増え、記述問題も2問増加の計6問になっている。また、記述問題の内容もよくある典型問題ではなく、その場で考えさせる問題が多く出された。国民投票について5問にわたって問われた小問7はやや難しく、合否を分けたのではないかと思われる。

対策:知識事項の徹底と過去問攻略

 本校で問われる知識問題は、どのテキストにも載っている基本的な事項を問うものなので、まずこれを落とさないようにしたい。そのためにも、日ごろの問題演習を通して、自分の知識事項のあいまいな部分をなくしておく必要がある。また、資料を分析して答える思考問題や記述問題については、少々古めの過去問にまでさかのぼって十分に演習しておきたい。模試や類題を出す他校の問題にも、可能な限りあたって慣れておくことが重要である。

社会 頻出テーマ ベスト3

1位 原始・古代(旧石器~平安)

2位 地方自治・財政など

3位 日本の国土と自然

理科の入試分析

傾向:例年通り大問が5題

 例年、小問集合と分野別問題の大問5題構成(一昨年は小問集合がなかったが一昨年のみのことなのか今後も続くかは未知数)。知識から思考まで幅広い出題内容。記号問題の比率は高いが、選びにくい記号構成であることが多く、決して楽ではない。また記述も多いので40分の試験時間はかなり厳しい。

出題:様々な内容に派生

 大問1は小問集合。本年は時事問題からの出題はなかった。大問2は地学から、星座早見盤の構造と使い方。大問3は物理から、空気、金属中の音の伝わり方とその測定実験。大問4は化学から、実験用ガスコンロでの燃焼と温度変化。大問5は生物から、ヒトの心臓のつくり。魚類、ワニの心臓のつくりとの共通・相違点。

対策:知識と答案作成力

 受験生としての基本から応用までを網羅した問題構成。6年生の夏までには単元学習を済ませ、その後、実践的な問題演習を数多くこなすことで得点力につなげる。「知識」はかなり高度な部分まで出るので、図鑑及び高校生用の資料集を常備し、知らないことがあったら即確認し、身につける。本校の過去問は当然として、同等上位校の過去問にも触れておきたい。

理科 頻出テーマ ベスト3

1位 熱力学

2位 状態変化

3位 ヒトのからだとつくり

駒場東邦中学校の進路・入試情報

駒場東邦中学校の進路情報

 駒場東邦中学校は、中高一貫校であるため、ここでは駒場東邦高等学校の2024年度の大学入試の結果を掲載しています。

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国立大学
大学 現役 既卒 医歯学部
東京大学 36 8 0
京都大学 3 5 1
一橋大学 3 4 0
東京工業大学 2 2 0
北海道大学 12 1 1
東北大学 2 1 2
秋田大学 0 1 1
筑波大学 3 0 2
東京医科歯科大学 2 1 3
東京海洋大学 1 0 0
電気通信大学 1 1 0
千葉大学 1 0 1
横浜国立大学 3 3 0
山梨大学 2 1 3
信州大学 0 1 0
新潟大学 0 1 0
名古屋大学 0 1 0
琉球大学 1 0 0
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公立大学・準大学
大学 現役 既卒 医歯学部
福島県立医科大学 1 1 2
国際教養大学 1 1 0
京都府立医科大学 1 0 1
大阪公立大学 0 1 0
防衛医科大学校 1 2 3
防衛大学校 1 0 0
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私立大学
大学 現役 既卒 医歯学部
早稲田大学 63 30 0
慶應義塾大学 48 26 3
東京理科大学 29 15 0
明治大学 21 18 0
中央大学 12 8 0
法政大学 9 7 0
東邦大学 10 5 12
昭和大学 6 5 11
国際医療福祉大学 5 4 9
上智大学 4 5 0
日本医科大学 6 2 8
芝浦工業大学 5 3 0
青山学院大学 4 4 0
立教大学 5 2 0
東京慈恵会医科大学 5 1 6
日本大学 2 4 1
順天堂大学 4 1 5
東京医科大学 1 3 4
杏林大学 1 3 4
東京電機大学 3 1 0
明治学院大学 2 1 0
帝京大学 1 2 3
東洋大学 2 1 0
工学院大学 2 1 0
北里大学 1 2 2
その他 8 12 2

※参照: 駒場東邦中学校のHP

駒場東邦中学校の入試情報

駒場東邦中学校の入試日程・科目

偏差値

66

※参照: 四谷大塚

入試日程

(2025年度)

<募集人数>
男子 240 名


<出願(インターネット)>
2025年1月10日(金)~2025年1月26日(月)

(入力および受験料支払いは2024年12月20日から可)

 

<入試日程>
2025年2月1日(土)


<合格発表>
2025年2月2日(日)
※ホームページ上に発表

入試科目

(2025年度)

4教科(合計400点)
 国語(60分/120点)
 算数(60分/120点)
 理科(40分/80点)
 社会(40分/80点)

※参照: 駒場東邦中学校・高等学校のHP

駒場東邦中学校の受験者数・合格者数

  2021年 2022年 2023年 2024年
募集人員(人) 240 240 240 240
出願者(人) 645 565 611 644
受験者(人) 623 555 586 627
合格者(人) 285 292 304 297
実質倍率(倍) 2.2 1.9 1.9 2.1

※森上教育研究所作成資料より

編集協力=福崎剛・フリーライター