渋谷教育学園幕張中学校について
東大合格者数60〜70人を数える有名進学校として知られる中高一貫校の「渋幕」。田村哲夫理事長が「自調自考」を掲げて1983年に創立し、積極的に帰国子女や交換留学生を受け入れ、世界で活躍できるグローバルな人材育成を目指しています。
学習面では6年間の教育を2年ごとの3ブロックにわけて基礎から応用まで効率良く、習得率の高いカリキュラムとシラバスを用意し、英語教育や留学・海外研修、第二外国語講座などグローバル教育を重視。さらに数々の講演や学園長講和を行い、全生徒と直接対話できる機会を提供するプログラムも独自の取り組みです。
男女共学のトップ校としての魅力を感じる生徒も多く、学校生活では生徒会活動やボランティア、吹奏楽のチャリティ活動をはじめ、クラブ活動や学校行事に熱心に打ち込むのも渋幕生の特徴。様々なスポーツや文化系のクラブ活動の中でも、模擬国連部、学祭討論同好会など、開校時からあるダンスのドリルチーム部は人気です。(松井誠:TOMAS教務企画局 教務本部)
区分 | 私立 |
---|---|
男女校種別 | 共学校 |
入試日 | 一次 1/22 二次 2/2 |
住所 |
〒261-0014 千葉県千葉市美浜区若葉1-3 |
アクセス |
JR京葉線「海浜幕張駅」より徒歩10分 |
公式HP | 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校のHP |
※参照: 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校のHP
渋谷教育学園幕張中学校の入試分析
国語の入試分析
傾向:速読力と選択肢の丁寧な吟味が鍵
説明的文章と文学的文章が各1題出題されているが、文章の量が多く、速読力が求められる。小問は各7~10問で、選択、抜き出し、記述と形式は様々である。文学的文章では、人物関係や心情が複雑に絡んだ理由説明問題が多い。選択肢の文が長めで、記述の制限字数もある年度とない年度がある。
出題:記述の分量が減少
論説文は、信原幸弘『「覚える」と「わかる」知の仕組みとその可能性』。「アジャイル」という語を紹介し、臨機応変の対応能力について論じる。小説は、志賀直哉『或る朝』。定番の文学史も出題あり。本年は、昨年より記述の分量が減り、問題のページ数も5ページ減少した。質、量ともに標準的になったと言える。
対策:難度の高い文章で丁寧な訓練を
中学受験生が日常で読むレベルより難しく、やや年代の古い文章の出題が想定されるため、それらを利用した読解の訓練が欠かせない。また、選択問題で正解するためには、選択肢の文章を部分ごとに分割しその正誤を吟味する丁寧な作業が必要である。そのため、過去問や類似の傾向の問題で正確さとスピードの向上を図っておきたい。また、毎年出る文学史についても有名作品の冒頭・あらすじ・登場人物名まで確認をしておきたい。
読解問題 頻出テーマ ベスト3:
1位 社会の仕組み
2位 文化と学問
3位 その他の人間関係
算数の入試分析
傾向:「正確な見極め」の能力を問う内容
近年の大問数は5題。図形、数と規則、場合の数、グラフ活用問題(速さ・水量・動点)などが頻出だ。受験テキストを通じて学習してきた解法を使えば解ける問題が多いが、解法をどのように使えばよいか、正確に見極める必要がある。例年、1、2問の高難度問題が含まれる。どの問題を解くべきかの見極めも重要だ。
出題:知識の有無で差がつく内容
例年通り5題構成。大問3の水量グラフ以外はやや難しめの問題を含み、全体的な難易度はやや高めに設定された印象だ。大問1の場合の数・大問2の整数は両者とも、効率の良い思考法を知っていたか否かで差のつく内容であった。大問4の平面図形・大問5の立体図形も、解法に対する知識の有無が差を生む内容だった。
対策:調べ作業と図形の練習をこなす
本校入試で合格点を取るためには、「調べ作業」と「図形」の学習を避けて通ることはできない。テーマに応じた図や表の描き方・整理法があるから、それらを適切に理解し、使えるようにしておかなければならない。図形題では、与えられた図に補動線を描きこむだけでなく、自分で図を描く練習が重要だ。様々な問題を通じ、試行錯誤する経験を積むことが、入試の得点に直結するだろう。テキストで基本を固めた後、入念に過去問を演習したい。
算数 頻出テーマ ベスト3:
1位 場合の数・条件整理
2位 立体図形
3位 平面図形
社会の入試分析
傾向:「世の中」をどれだけ知っているか
本校の社会は、首都圏中学入試でもトップクラスの難度をほこる問題が出される。テキストレベルの知識の正確さはもちろんのこと、時事問題、「世の中」の動向など、新しい情報をどれだけ得ているか、また事件や制度についての歴史的背景・問題点などにも目が向いているかどうかが試される。
出題:現代からの視点で様々な問題に挑む
大問3題で、それぞれ裁判所と首相官邸の見学、小倉百人一首、地球温暖化についての文章を読んだ上で、文章内の語句や全体のテーマにちなんだ、地理・歴史・公民の領域をまたいで出される問いに答える。記述問題は、表や写真・資料を読み、事象や制度の生まれた理由や目的の説明を求められる。
対策:深い知識の獲得と活用の訓練
記述問題では、本文・資料等を正確に読み取り、必要とされる知識を盛り込みながら簡潔で筋の通った説明を書くトレーニングを行いたい。記号・選択肢問題も手強い。特に正誤問題では、誤りとしたものは何が違って正しくはどうなのかを明確にできるよう、知識の精度を上げる努力をしよう。「世の中を知ることは面白い」という「知的好奇心」を持って日々の学習に取り組んでほしい。
社会 頻出テーマ ベスト3:
1位 中世・近世(鎌倉~江戸)
2位 日本地理(農林水産業)
3位 日本地理(資源・工業)
理科の入試分析
傾向:問題の読み取りと分析力が問われる
本校の理科は、物理・化学・生物・地学の各分野について、問題集やユニークな内容をテーマに出題される。リード文が非常に長く、提示されるデータも多い。それらをしっかり読み取り、論理的に分析・考察する力が求められる。また、テキストや問題集に掲載されていない初見の問題に対応する力も要求される。
出題:例年通り高いレベルの出題
本年は、大問1:日食と光の進み方、大問2:染料について、大問3:太陽の動き、大問4:テッポウウオについて、以上大問4題の出題であった。本年もユニークな内容をテーマにした出題が多く、長めのリード文や実験・観察についてのデータを読み取る力と分析する力が要求される高いレベルの出題であった。
対策:科学的な内容の文章を読み考察する
本校の理科の出題は、受験テキストに書かれてある知識や解法の表面的な理解だけでは対応できない内容が題材になっていることが多い。対策として、まずは日頃の学習において「なぜその答えになるのか?」を考察し表現する習慣を身につけてほしい。また、テキストにこだわることなく、科学や自然に関する新聞・雑誌・本などの長めの文章を読み、その内容について論理的に考察する演習も必要である。
理科 頻出テーマ ベスト3:
1位 昆虫
2位 光
3位 地球・月・太陽・惑星
渋谷教育学園幕張中学校の進路・入試情報
渋谷教育学園幕張中学校の進路情報
渋谷教育学園幕張中学校は、中高一貫校であるため、ここでは渋谷教育学園幕張高等学校の2024年度の大学入試の結果を掲載しています。
大学名 |
合格者数 総数 |
合格者数 現役 |
---|---|---|
東京大学 | 64 | 51 |
東京工業大学 | 11 | 10 |
一橋大学 | 7 | 6 |
京都大学 | 13 | 6 |
東京医科歯科大学 | 1 | 1 |
筑波大学 | 13 | 9 |
東北大学 | 10 | 8 |
北海道大学 | 5 | 5 |
横浜国立大学 | 3 | 2 |
千葉大学 | 23 | 15 |
東京藝術大学 | 3 | 2 |
その他 | 37 | 25 |
大学名 | 合格者数 |
---|---|
東京大学(理科三類) | 1 |
東京医科歯科大学 | 1 |
千葉大学 | 8 |
筑波大学 | 5 |
その他 | 27 |
大学名 |
合格者数 総数 |
合格者数 現役 |
---|---|---|
早稲田大学 | 209 | 156 |
慶應義塾大学 | 151 | 119 |
上智大学 | 45 | 26 |
東京理科大学 | 131 | 92 |
青山学院大学 | 8 | 4 |
中央大学 | 38 | 19 |
立教大学 | 22 | 10 |
明治大学 | 65 | 30 |
法政大学 | 28 | 6 |
その他 | 215 | 125 |
大学名 | 合格者数 |
---|---|
慶應義塾大学 | 4 |
東京慈恵会医科大学 | 8 |
順天堂大学 | 13 |
国際医療福祉大学 | 19 |
その他 | 33 |
大学名 | 合格者数 |
---|---|
Dartmouth College | 1 |
University of Chicago | 2 |
Vanderbilt University | 1 |
University of California, Los Angeles | 2 |
University of California, San Diego | 1 |
University of California, Davis | 1 |
University of California, Irvine | 1 |
University of California, Santa Barbara | 2 |
University of California, Santa Cruz | 1 |
University of San Francisco | 1 |
Loyola Marymount University | 1 |
University of Washington | 2 |
Washington University in St. Louis | 1 |
University of Illinois, Urbana-Champaign | 1 |
The Pennsylvania State University | 1 |
Tulane University | 1 |
Stevens Institute of Technology | 1 |
The State University of New York at Stony Brook | 1 |
Drexel University | 1 |
Clark University | 1 |
Syracuse University | 1 |
Fordham University | 1 |
University of Hawaii at Manoa | 1 |
University of Michigan-Flint | 1 |
University of New Hampshire | 1 |
The University of Alabama | 1 |
Pomona College | 1 |
Swarthmore College | 1 |
Middlebury College | 1 |
Hamilton College | 1 |
Grinnell College | 1 |
Wesleyan University | 1 |
Oberlin College | 1 |
Colby College | 1 |
Bates College | 1 |
Mount Holyoke College | 1 |
DePauw University | 1 |
Knox College | 2 |
Kenyon College | 1 |
Denison University | 1 |
University of Richmond | 1 |
College of the Holy Cross | 1 |
Trinity College | 1 |
Union College | 3 |
Dickinson College | 1 |
Connecticut College | 1 |
Whitman College | 2 |
Lake Forest College | 1 |
Rhodes College | 1 |
The College of Wooster | 1 |
Centre College | 1 |
St. Lawrence University | 1 |
Lawrence University | 2 |
Fisher College | 1 |
Ithaca College | 1 |
※参照: 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校のHP
渋谷教育学園幕張中学校の入試情報
渋谷教育学園幕張中学校の入試日程・科目
偏差値 |
一次:男子 70・女子 72 ※参照: 四谷大塚 |
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入試日程 (2025年度) |
<募集人数> 一次 215 名
一次 2024年12月15日(日)~2025年1月10日(金)
<入試日程> 一次 2025年1月22日(水)
一次 2025年1月24日(金) |
入試科目 (2025年度) |
4教科(合計350点) 国語(50分/100点) 算数(50分/100点) 理科(45分/75点) 社会(45分/75点) |
※参照: 渋谷教育学園幕張中学校・高等学校のHP
渋谷教育学園幕張中学校の受験者数・合格者数
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
募集人員(人) |
男子 140 女子 75 |
男子 140 女子 75 |
男子 140 女子 75 |
男子 140 女子 75 |
出願者(人) |
男子 1,211 女子 547 |
男子 1,281 女子 640 |
男子 1,337 女子 650 |
男子 1,427 女子 592 |
受験者(人) |
男子 1,158 女子 503 |
男子 1,208 女子 589 |
男子 1,282 女子 616 |
男子 1,377 女子 592 |
合格者(人) |
男子 502 女子 180 |
男子 461 女子 190 |
男子 515 女子 189 |
男子 508 女子 157 |
実質倍率(倍) |
男子 2.3 女子 2.8 |
男子 2.6 女子 3.1 |
男子 2.5 女子 3.3 |
男子 2.7 女子 3.8 |
2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
---|---|---|---|---|
募集人員(人) |
男子 30 女子 15 |
男子 30 女子 15 |
男子 30 女子 15 |
男子 30 女子 15 |
出願者(人) |
男子 312 女子 151 |
男子 302 女子 168 |
男子 332 女子 190 |
男子 371 女子 185 |
受験者(人) |
男子 288 女子 133 |
男子 295 女子 155 |
男子 305 女子 183 |
男子 349 女子 172 |
合格者(人) |
男子 31 女子 15 |
男子 29 女子 18 |
男子 48 女子 19 |
男子 53 女子 15 |
実質倍率(倍) |
男子 9.3 女子 8.9 |
男子 10.2 女子 8.6 |
男子 6.4 女子 9.6 |
男子 6.6 女子 11.5 |
※森上教育研究所作成資料より。共学の中学に関しては、男女別の定員が発表されていない場合、
募集定員を前年在籍者の男女割合で按分した数値を掲載。
編集協力=福崎剛・フリーライター