湘南ゼミナールとは？

　湘南ゼミナールは、南関東（神奈川・千葉・埼玉・東京）に277の校舎を展開する学習塾です（2022年11月時点）。「ひとに学び ひとを育み ひとにかえそう」という理念で、志望校合格にこだわった指導を行っています。創業当時は、中学生を対象とした集団授業しかありませんでしたが、現在では4つのオリジナルブランドと1つのフランチャイズに加盟し、以下の5つのブランドを展開しています。

• 湘南ゼミナール　小中部（小3〜中3の集団授業）
• 湘南ゼミナール　難関高受験（小6〜中3の難関国私立を目指す生徒向け集団授業）
• 湘南ゼミナール　高等部（現役高校生向けの集団授業）
• 湘南ゼミナール　個別指導（小1〜高3のオーダーメイド個別指導）
• 河合塾マナビス　現役高校生向けの映像授業

   

　湘南ゼミナールの魅力のひとつは、高い合格実績です。2024年3月時点での合格実績は、次のようになっています（一部抜粋）。

　また、湘南ゼミナールでは、安心して子どもを塾に通わせることができるように、保護者とのコミュニケーションも大切にしています。例えば、「School Manager」というアプリで子どもの出席状況を確認でき、電話や面談、説明会を通しての連絡や情報共有など、しっかりと家庭とコミュニケーションを取りつつ指導を行っています。

　湘南ゼミナールは、小学生〜高校生までの集団指導と個別指導を行っており、それぞれ学年により料金が異なります。湘南ゼミナールの料金の特徴としては、次の2つがあります。

• 授業が3週の月は、4週の月と比べて授業料が割安（4分の3）になるシステム（小3のグリムスクールのみ一律料金）になっている。
• 小4〜高3までの学年で「模範特待生制度」を設けており、成績に応じて一定期間授業料が免除（最大で全額免除）になるシステムがある。

　特に、「模範特待生制度」を利用することで授業料が免除になるため、成績が優秀な生徒は通塾しやすくなっています。

湘南ゼミナールで年間にかかる費用は？

　湘南ゼミナールでは、入会金（税込16,500円）と授業料が必要で、個別指導の場合は別途諸経費も必要です。その他にも、教材費やテスト費が必要になることがありますので、詳細は各校舎に問い合わせてください。年間にかかる費用の一例は、次の通りです。

　なお、それぞれの料金は、春期講習のある3・4月と冬期講習のある12・1月を3週として、夏期講習のある8月を通常授業なしの月として計算しています。

※参照: 湘南ゼミナールHP　表は税込料金。その他、諸経費、教材費、講習費用等がかかります。詳細は、各校舎に問い合わせてください。以下同。

湘南ゼミナールの利用者が実際に支払った1カ月の平均費用は？

　ダイヤモンド教育ラボでは、湘南ゼミナール（集団授業）に小学4年生から小学6年生の間で通っている、もしくは通っていた児童の保護者に月額料金に関するアンケート調査を実施しました。その結果、約半数（50.70％）の保護者が、2万円未満を毎月支払っていたと回答しました。その一方で、4万円以上と回答した保護者は全体の約15％を占め、選択するコースや授業によって費用が大きく異なることがうかがえます。

　なお、回答の平均は約22,750円、中央値は20,000円でした。

※ダイヤモンド教育ラボが行った独自のアンケートの結果から作成
対象者：湘南ゼミナールに通っている、もしくは通っていた生徒の保護者計71名　調査時期：2023年4月

湘南ゼミナールの料金一覧

　湘南ゼミナールの料金は、指導形態と学年によって異なっており、小学生〜高校生の授業料は以下の通りです。

湘南ゼミナールの小学生の料金

　小学生向けコースでは、基礎から応用まで幅広く学習をすることで、高校受験に向けた学力の基礎を固めたり、中学受験に対応できる学力を育成したりすることができます。具体的には、

• 学力アップ／公立中進学準備
• 公立中高一貫校受検対策
• 小学生の英語力育成
• 小学生の国語力育成
• 小学生のプログラミング力育成（2024年4月から新規開講）

などの授業を受けることができます。

集団授業の料金（月額）

※参照: 湘南ゼミナールHP　表は税込料金。2024年3月時点　以下同。

個別指導の料金（月額）

湘南ゼミナールの中学生の料金

　中学生向けコースでは、トップ校・上位校への合格を目指して、志望校合格のために必要な学力を身につけていきます。具体的には、

• 高校受験／定期テスト対策
• 横浜翠嵐・御三家等受験指導
• 難関国私立高受験指導

などの授業を受けることができます。

集団授業の料金（月額）

個別指導の料金（月額）

湘南ゼミナールの高校生の料金

　高校生向けコースは、難関国公立・私立大学の現役合格を目指すコースです。一般入試から総合型選抜まで、希望に合わせた指導を受けることができます。具体的には、

• 一般入試対策／定期テスト対策
• 総合型選抜（AO）・推薦入試対策

などの授業を受けることができます。

集団授業の料金（月額）

個別指導の料金（月額）

湘南ゼミナールの季節講習の料金一覧

　2024年、湘南ゼミナールの春期講習を体験する生徒は、授業料無料（教材費・テスト費は実費負担）で受講することができます。詳細は、各校舎に問い合わせてください。

他の学習塾との料金比較

　ここまで、湘南ゼミナールの料金を紹介しました。では、湘南ゼミナールの料金は高いのでしょうか、それとも安いのでしょうか。神奈川県を中心に教室を展開する、他の3つの塾と比較してみます。

臨海セミナーとの比較

　臨海セミナーは、横浜翠嵐高校に100名以上の合格者を出すなど、神奈川県の入試に強いと評判の学習塾です。神奈川県を中心に、南関東と大阪府に教室を展開していて、小1〜高3までの集団指導と個別指導を行っています。さまざまなコースが用意されているので、通塾の目的に応じたコースを選びやすくなっています。

　湘南ゼミナールと臨海セミナーの料金を比較すると、次のようになります。

　臨海セミナーには多様なコースがあるため、湘南ゼミナールと似たようなコースで授業料を比較しました。2つの塾の授業料を比較してみると、中学受験向けのコースでは、臨海セミナーの料金のほうが高くなっていて、中学生・高校生の料金は同程度であることがわかります。

　ただ、湘南ゼミナールの料金は3週と4週で異なりますし、どちらの塾も別途で教材費やテスト費などがかかる点には注意が必要です。また、臨海セミナーのほうがコースが細かく分かれているため、的を絞った対策がしやすくなっているのが特徴です。料金のみならず、目的に合ったコースがあるかどうかも判断材料としましょう。

国大Qゼミとの比較

　国大Qゼミは横浜市を中心に、神奈川県内に10の教室を構える学習塾です。教室はいずれも駅から5分以内の場所にあり、アクセスは良好です。

　国大Qゼミは、小1〜高卒生が対象の集団・個別塾で、中学受験から大学受験まで対応しています。国大Qゼミは「手とり足とりお世話塾」をキャッチフレーズに、自ら学ぶことのできる生徒の育成を目標に指導を行っています。国大Qゼミでは、オリジナルカリキュラムの他に、理英会やアルゴクラブのノウハウを活かした低学年の能力開発、代ゼミの講師力を活用した代ゼミサテライン、最新AIにより個別最適化された学習ができるatama+など、複数のコースが用意されています。

　国大Qゼミでは、授業料の他に入会金（22,000円）、諸経費、学習管理費（詳細は要問い合わせ）がかかります。授業料は、次の通りです。

※参照: 国大QゼミHP 理英会アドバンスコース・中学受験コース・公立中学進学コース～まなび道場・トップ校特進コース・高校受験コース・​個別学習　2024年3月時点

　湘南ゼミナールと国大Qゼミの授業料を比較すると、次のようになります。

　湘南ゼミナールと国大Qゼミの授業料（小5・中2の例）を比較すると、国大Qゼミの中学受験コース以外は、同程度の料金になっていることがわかります。ただ、授業の中身は異なっているので注意が必要です。例えば小学生コースの場合、湘南ゼミナールでは国語・算数の授業が行われますが、国大Qゼミの国語・算数は自学自習が基本になっています。

　また、中学生のコースでも、湘南ゼミナールでは志望校別のクラスで特色検査や学校選択問題の対策が行われていますが、国大Qゼミは神奈川県公立高校入試に特化した学習が秋から始まります。このように、同じような料金のコースでも内容が大きく異なっていますので、志望校や生徒の性格に合わせて塾を選ぶことが重要です。

STEPとの比較

　学習塾STEPは、神奈川県内に中学部145校、高校部15校を展開する学習塾です。「神奈川県に特化した学習塾」として1975年の創設以来、神奈川県の入試を研究し、地域事情・学校事情に合わせた指導を行っています。

　STEPの講師は95％以上が正社員で、個別指導のK-STEPでも、STEP卒業生の大学生や大学院生が指導を担当しているのが特徴です。全教師の授業が公開されており、入会後も授業参観日が設けられているので、授業の様子を見て塾選びができるのもメリットです。また、学習環境の整備にも取り組んでおり、ほとんどのスクールに個別ブースを備えた自習室・自習スペースが設置されています。

　STEPでは、授業料の他に次の費用がかかります。

※表は税込料金。2024年3月時点　以下同。

　STEPでは、月によって授業料が異なる（3週の月は4週の月の4分の3の授業料）のが特徴です。各コースの費用は次の通りです。なお、8月は夏期講習があるため通常の授業料はかかりません。

＜Hi-STEP＞

　Hi-STEPは、小5〜中3が対象のコースで、国立高校や私立難関校に進学希望の生徒向けのハイレベルコースです。小学生の理系クラスは算数がメインで、月に1回理科の実験も行います。また、文系クラスは国語がメインで、社会科や幅広い教養の学習も行います。

　中学生になると難関校受験を目標としたカリキュラムに変わり、志望校合格に向けた実力をつけていきます。STEPでは、学校の定期テスト対策のための授業は行っていない点に注意しましょう。

※参照: Hi-STEP横浜スクール

＜高校受験STEP＞

　高校受験STEPは、小5〜中3対象の少人数学力別コースです。「学校の授業をよく理解したい」「部活動と勉強を両立したい」といった生徒向けのコースになっています。学校の授業よりも少し進んだカリキュラムで、テスト前は中学校別の対策授業を行います。中3の後半になると受験対策のカリキュラムになり、志望校合格に向けて学力を高めていきます。

※参照: 高校受験STEP 戸塚スクール

＜大学受験STEP＞

　大学受験STEPは、大学受験の現役合格を目指すコースです。レベル別・志望校別のクラス編成、部活動と両立できるように配慮された時間割、スマホで見ることができる「e-STEP（映像授業）」など、高校生にとってさまざまなメリットがあります。

　1講座100分〜120分が基本（60分講座は0.5講座扱い）で、受講数に応じて割安になります。また、1講座につき3,300円 / 年3回（高3の3学期は1,100円）の学期諸費用がかかります。

　別途で、AI学習教材「atama+」を使った演習講座も用意されています。

※参照: 大学受験STEP
※9講座以降は、1講座につき＋1,000円の授業料がかかる。

＜atama+演習講座（希望制）＞

※参照: 大学受験STEP
※科目は英語・数学・古典（古文、漢文）・物理・化学・生物・日本史・世界史・地理・情報。atama+演習講座の学期諸費用は不要。

＜K-STEP＞

　K-STEPは、高校生の個別指導です。1講座80分で月4回の指導が受けられます。基本は講師1名に生徒1名（1対1）の指導ですが、同一科目を友達同士2名で申し込む場合、1対2の「フレンズコース」を受講することもできます。K-STEPの受講科目は「応相談」となっていますので、希望の科目が受講できるかは校舎に確認してください。

※参照: K-STEP
※フレンズコース（教師1：生徒2）の授業料は、各スクールに問い合わせてください。

　湘南ゼミナールとSTEPの授業料を比較すると、次のようになります。

　湘南ゼミナールとSTEPの授業料を比較すると、全体的に湘南ゼミナールのほうが安くなっていることがわかります。STEPの難関校を目指すHi-STEPでは、小学生のコースで理科の実験や教養の授業が受けられるので、「楽しく学ぶ」ことを重視したい生徒に向いていると言えるでしょう。中学生になると、難関校を目指した授業に変わりますが、定期テスト対策をしていない点には注意が必要です。

　一方の湘南ゼミナールでは、小学生コースで学習習慣を身につけるための「小学生パワーアップ特訓」という時間があります。また、学校別の定期テスト対策も行っています。塾で学習習慣のアドバイスを受けたり、定期テスト対策をしたい生徒は、湘南ゼミナールを検討するとよいでしょう。

　なお、いずれの塾でも、中学生のコースで特色検査対策の授業が受けられるのは共通です。通塾の目的や志望校、入試の形態などに合わせて、しっかりと入試対策ができる塾を選ぶようにしましょう。

湘南ゼミナールの評判や口コミ

湘南ゼミナールの通塾費用は妥当でしたか？

湘南ゼミナールはお子様の成績向上に役立ったと思いますか？

湘南ゼミナールのおすすめポイント

　湘南ゼミナールは、神奈川県を中心に教室を展開する他の塾と比べて、同程度または全体的に安い授業料であることがわかりました。では、授業料が安い他に、どのようなメリットがある塾なのでしょうか。

テキストを使用しないQE授業

　湘南ゼミナールの最大の特徴はQE授業です。QE授業とは、「Quick Exercise」という原則テキストを使わずに行う、一問一答形式の授業です。QE授業は、双方向のコミュニケーションを取りながら行うため、集中力や思考力が育成されます。

　原則テキストは使用しませんが、授業ではタブレットを使用することがあります。生徒のタブレットは教師機と連動しており、教師は常時生徒の解答を確認しながら授業を進めることができます。

　講師は生徒の反応を確認し、臨機応変に内容をアレンジして授業を行う必要があり、講師力の高さが求められます。そのため、研修や定期的な教務テスト、専門チームによる入試問題の細かい分析など、講師力・授業力の向上に努めているようです。

　また、授業は「湘ゼミ合格逆算カリキュラム」という、志望校合格に向けたオリジナルのカリキュラムに基づいて行われているのも特徴です。テキストはなくても、講師力やオリジナルのカリキュラムに基づいた指導で、生徒を合格に導きます。

学校別の定期テスト対策で内申点を上げる

　湘南ゼミナールは、地域に根差した学習塾という特徴を活かして、校舎周辺にある中学校の定期テストの問題をしっかりと分析。また、基礎的な問題だけではなく、応用問題・発展問題にも取り組むため、高得点を目指すことができます。

　学校別の定期テスト対策は、無料で受講できるのもうれしいポイント。ただし、定期テスト対策を受けられるのは集団指導のみである点に注意してください。

神奈川県の公立高校受験対策に強み

　湘南ゼミナールは神奈川県の公立高校入試に強い学習塾です。冒頭で紹介した通り、2024年度の入試では横浜翠嵐高校（59名）、川和高校（67名）、横浜サイエンスフロンティア高校（38名）など、トップ校・上位校に多くの合格者を輩出しています。

　これだけ多くの合格者を出せるのは、湘南ゼミナールがトップ校・上位校への合格を目指す生徒のための塾だから。例えば、横浜翠嵐高校に特化したハイレベルな指導を受けられる「横浜翠嵐Vコース」、難関国私立合格を目指して2倍のスピードでカリキュラムを進める「難関高受験コース」など、トップ校合格に必要な指導を受けることができます。また、「合格逆算カリキュラム」に基づいて行われる授業や、学校別の定期テスト対策が魅力の「総合進学コース」などが用意されています。

　神奈川県以外でも、2024年度は埼玉県立御三家（大宮・浦和・浦和一女）で45名、千葉県立御三家（千葉・県立船橋・東葛飾）で59名の合格者を出すなど、首都圏公立トップ校に1,000名以上の合格者を出しています。大手塾ほど規模は大きくありませんが、高い合格実績が魅力のひとつとなっています。

湘南ゼミナールの無料体験授業・キャンペーン

　湘南ゼミナールでは、常時無料の体験授業を受け付けています。また、時期に応じて各種キャンペーンを実施しています。2024年3月時点では、次のようなキャンペーンが開催されています。

※参照: 湘南ゼミナールHP

湘南ゼミナールの料金情報まとめ

　湘南ゼミナールは、高い合格実績とテキストを使用しないQE授業、無料の学校別定期テスト対策などが魅力の学習塾です。神奈川県を中心に教室がある他塾と比較した場合、授業料は同程度か少し安い料金になっているようです。これらの条件から、近くに校舎がある場合は、ぜひ検討したい塾のひとつと言えるでしょう。

　年間でかかる費用の詳細やコースごとのカリキュラム等については、体験授業の際に聞くことができるので、まずは体験授業を受講してみるのもひとつの方法です。