テレビやゲーム、お菓子も視界から撤去、
トイレや水分補給も重要だった!

 では、家庭でできる環境設計とは何でしょうか。

 ポイントはシンプル。「集中を妨げる要素を取り除くこと」です。たとえば、視界に入るテレビやゲーム機。机の上に置かれたお菓子。スマートフォンの通知。こうしたものはすべて、集中力を削ぐ要因になります。

 「子どもは、目に入るものに注意を奪われます。だからこそ、不要な刺激は物理的に遮断することが重要です」

 テレビにカバーをかける、ゲーム機を見えない場所に片付ける、お菓子はすぐに手に取れない場所に置く。こうした小さな工夫の積み重ねが、集中のしやすさを大きく左右します。

 環境は、思っている以上に、子どもの集中力に直結するようです。

 また、勉強をはじめる前にトイレや水分補給を済ませておくといった、身体面での準備も意外と重要です。

 さらに、リビング学習が合う子もいれば、一人部屋で静かに取り組むほうが集中できる子もいます。

 「まずは圧倒的に集中できる子が多い自宅のリビングで試してみる。それがわが子に合わなければ、個室や塾の自習室といった別の環境に変えてみる。大切なのは、“その子に合う環境”を見つけることです」

「集中」を支える前頭前野
小学生はまだ「発達途中」だから

 集中力を語るうえで欠かせないのが、脳の働きです。

 特に重要なのが、前頭前野と呼ばれる部位です。前頭前野は、集中力や計画、意思決定、感情のコントロールなどを担う「脳の司令塔」ともいわれています。

 ただし、小学生の前頭前野はまだ発達の途中にあります。そのため、大人と同じような集中力を求めること自体に無理があります。

 集中できないのは能力の問題ではなく、まだ発達段階にあるからです。そのため、大人と同じ集中力を前提にした声かけは、かえって負担になることもあります。