一方で、前頭前野はトレーニングによって機能を高めることもできます。短時間の集中を繰り返すことや、指先を使う作業、軽い運動なども有効です。

集中力を鍛えるトレーニングになる
「好きなこと」への熱中体験

 そもそも集中力はどのように育つのでしょうか。

 菊池さんは、「好きなことに没頭する経験」が重要だと話します。スポーツでも、読書でも、レゴでも構いません。子どもが時間を忘れて夢中になれる体験こそが、集中力の“上限”を引き上げます。

 集中力も筋肉と同じです。限界まで使う経験をしなければ、パワーアップはしません。「大好き」や「どうしてもやりたい」という熱中体験こそが、集中力の限界値を上げていきます。

 いきなり勉強でその状態に入るのは難しくても、子どもならなおさら、好きなことには自然と没頭できます。その経験が、やがて勉強の場面にもつながっていくのです。

子どもの集中力に影響を与えていた
「親の意外な姿」とは?

 家庭環境の中で、意外に見落とされがちながら、実は大きな影響を与えているのが勉強中の「親の行動」なのだとか。親としては、少し耳の痛い話です。

 「子どもに集中を求めながら、隣で親がスマートフォンを触っている。この状態では、子どもが集中できるはずがありません」

 子どもは言葉以上に、親の行動から影響を受けています。親が読書や仕事に集中している姿は、それだけで強いメッセージになっているようです。

 「一緒に机に向かう時間をつくるだけでも、効果があります。親が集中している後ろ姿を見せることが、子どもの学習モードを引き出します」

  「やりなさい」と言い続けるよりも、「集中している姿を見せる」。そのほうが自然に、子どもも同じ方向に引っ張られていきます。

勉強の記憶をスマホが消去する!
“集中の天敵”をどうコントロールするか

 集中力を語るうえで、避けて通れないのがスマートフォンの存在です。