野田塾
出典: 野田塾の公式サイト

学校の進度に合わせた予習で、中学校の内申点をアップ

 授業では学校の予習に重点を置く。野田塾は愛知県下に約60校舎を展開するが、それぞれの校舎に通う生徒の、中学校の教科書に合わせた指導を行う。内申点を上げるためには、学校に合わせた対策が欠かせないからだ。そのため、塾独自のカリキュラムや教材で進むのではなく、学校の授業の2週間ほど先を予習する。

 授業の流れは、まずその日に学ぶ内容を講師が説明する。一方的に講師が話すのではなく、生徒を指名して「どう考えるか」を発言させる。それにより生徒は集中力を高めていく。その後に例題を解き、さらにタブレットを使用して本日の内容の定着や、応用的な問題に挑戦する。

「AI教材も使っているので、生徒によって問題を変えることができます。その生徒の学力に合った問題を出題しています」(野田塾 広報 柴田よし美さん)

 こうして生徒が自力で解けるところまで仕上げていく。問題が解けるまでに到達していない生徒がいたら、授業後に個別に対応したり、家庭学習の課題を提示したりする。

 授業中は私語厳禁。生徒が発言をするためには講師の許可がいる。黒板を使用するが、講師は背中を見せず、体を開いて板書をする。そのため、常に生徒たちを見守ることができ、生徒は落ち着いて授業を受けることができる。

atama+などの学習システムを積極的に導入

授業の様子_野田塾
授業の様子 提供:野田塾

 野田塾は2014年と、早い時期からタブレット学習を導入している。

 AI学習システム「atama+」は、主に授業中に使用する。その日の授業の目標に合わせた問題が出され、不正解だと繰り返しその部分を学習することになる。生徒のつまずきをAIが分析し、「今、何を、どれぐらい理解できているか」「どこにつまずきがあり、何をすべきか」などを表示する。

「nPad LIBRARY」には授業で使うプリントや動画教材などが配信されていて、いつでもそれらを見ることができる。講習テキストの中の問題に「解説動画」のマークがついている場合、「nPad LIBRARY」からその解説動画にアクセスできる。予習動画もあり、生徒は授業前に視聴する。10分ほどの短い尺の動画で、予習の負担感が大きくならないようにしている。

 そして「Monoxer」は、暗記学習を効率的に行うためのツールだ。AIが生徒に最適な複数のパターンで出題をするため、効率よく覚えることができる。また、「Monoxer」ではスケジュール管理も行う。定期テストの前になると、塾から「Monoxer」経由で課題やスケジュールが送られてくる。これに沿って定期テストのための学習を行うことで、家庭学習の内容が充実し、効果的なテスト勉強が可能になる。

 講師の授業力と紙教材・ICT教材の組み合わせで、効率的で効果の高い指導を実現させている。

オリジナルテキストで愛知県公立入試を対策

 紙のテキストは市販教材を適宜調整して利用し、講習ではオリジナルのテキストを使用する。愛知県の公立入試はマークシート形式に変更されたため、直前期にはマークシート対策をしていく。そうした愛知県の高校入試対策に特化した講習では、野田塾制作のオリジナルテキストが有効になってくる。また、先に書いたようにタブレット学習を本格的に導入しているため、デジタル教材も使用している。

定期テスト対策はもちろん、提出物のチェックも行う

 愛知県の高校入試は内申点を重視することで知られる。中学3年の1年間の内申点のみが入試で点数化される。部活動や生徒会などの活動が評価されるのも愛知県の高校入試の特徴だ。また、公立高校の一般入試ではすべての学校で同じ問題が出題される。そのため上位校になると、高得点を取ることが必要になってくる。

 推薦入試では公立・私立ともに内申点が合否に大きく影響する。高校受験を突破するには内申点を上げることが必須となるため、野田塾ではきめ細かく内申点を上げる対策を行っている。

 定期テストの3週間前には、生徒のタブレットにスケジュールと課題が送られてくる。そして、定期テストの前は通常の予習授業をやめ、定期テスト対策授業を実施する。

 通常の授業時間以外に、週末の定期テスト対策の「日曜特訓」や、生徒の質問に講師が対応する「質問教室」の時間などが設けられるが、それらは無料で受講できる。自習室にもチューターが常駐し、いつでも質問ができる。

 また、中学校のワーク(宿題)などの提出物も、生徒は講師に確認してもらってから学校に提出をする。こうした内申点対策は、中学ごとに傾向が違ってくることもあるだろう。そのため、校舎の近くの公立中学の情報を校長や講師が把握し、予想問題を作成するなどして、高校受験に向けて内申点を上げるための的確な指導をしていく。

小学生向けの高校受験対策クラスも

 小学4年生から高校受験に向けたクラスが始まる。授業は公立小学校のカリキュラムを予習する内容だ。それと同時に、算数では「比と割合」といった重要な分野をきちんと身につけることや、「つるかめ算」のような問題を取り上げ、思考力の養成にも力を入れている。英語では教科書の内容に沿いながら、4技能を鍛えていく。

 公立小学校の教科書を超えるレベルの内容も学び、生徒たちは「月例テスト」に向かって学習を進めていく。答案はスキャンされ、当日の夜には生徒が成績をパソコンやスマートフォンから確認できる。塾生専用サイト「月例ナビ」を使うと、解説動画を見られたり、類題をダウンロードして解き直したりすることもできる。なお、中学部は授業でもタブレットを使用するが、小学部は紙の教材を使った学習が中心となる。

学校の後でも集中できるプロ講師の熱血授業

 パワフルでエネルギッシュな授業をする講師が多い。公立中学校の生徒は部活動の後で塾に来ると、疲れていてなかなか授業に身が入らないこともあるだろう。そういった生徒が授業にちゃんと集中できるよう、興味を引くような工夫をして授業を進める。そのため、授業の技術が高い講師が多いのが野田塾の特徴だ。授業をするのは全員が専任講師であり、指導歴が10年を超えるベテランも多い。

 新人講師は入社前から指導教官による研修を受ける。対面の研修以外にも授業動画のライブラリーがあり、先輩の授業映像を見て指導の仕方を学んでいく。生徒に対して「一度に一つの指示しかしない」といった細かい指導方法も体系化しており、どの校舎のどの教室でも同じクオリティの授業ができるように研修を行っている。

 新人講師は指導教官の前で模擬授業を行い、合格すると講師として教壇に立つことができる。講師としてスタートを切ってからも研鑽は続くが、その一つが教育現場に立つ講師の指導技術向上を目指す「全国模擬授業大会」への挑戦である。社内で模擬授業を競い合い、選ばれた講師が大会に出場できるが、野田塾はコンスタントに優勝者を輩出している。また、生徒たちにアンケートを行っており、そこでも講師は評価をされる。

非認知能力を伸ばし、積極性や対人スキルの向上を図る

 学習指導要領では「思考力」「表現力」「判断力」が重視され、それらの力は数値で測れないことから非認知能力と呼ばれる。

 野田塾では、2022年から「非認知スキル養成講座」を開講している。中学2年生と中学3年生の生徒は隔週に1回、50分の授業を受けている。ある回では生徒にことわざを作らせた。まず「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざを解説し、思いがけないところに影響が出てくるという例えを生徒たちに作らせ、それを発表させる。

 こうした学習によって積極性やコミュニケーション能力を引き上げ、中学校での授業態度を改善することで内申点の向上につなげたり、昨今の高校受験で重要視されている思考力や表現力を磨いたりしている。

野田塾に向いている生徒と向いていない生徒

教室の様子
教室の様子 提供:野田塾

 中学校の定期テスト対策や高校入試対策に向けて万全のカリキュラムを組み、手厚く指導していく塾だ。苦戦している生徒がいれば講師が声を掛け、相談に乗ったり、アドバイスをしたりする。そういった面倒見のよさが合う生徒にとっては、ベストマッチな塾といえる。反対に、学習をすべて家庭で管理したいというケースもあるだろう。そういう場合は、面倒見のいい塾とは相性がよくない可能性も考えられる。

野田塾(中学部)の基本データ

校舎数

67校舎

(うち集団個別指導専門館MIRAI 3校、

個別指導専門館 5校、幼児教室 3校)

生徒数 約9 ,000名
授業料

【小学部本科】小4:4,950円、小5:8,250円、小6:9,350円
【中学部本科】中1:23,100円、中2:25,300円、中3:25,850円
※すべて税込み、2024年度の金額です。


その他、入会金・施設設備費・教材費

・テスト費用・テキスト代・入室カード代が必要です。
また、中学部本科ではタブレット使用に関わる費用が必要です。

自習室の有無 あり(校舎が開いている時間)
質問対応

授業前後で対応します。

また、チューターによる質問教室を開催します。

授業の生徒数 学年・クラスによって異なります。
専任講師の比率 ほぼすべての授業を専任講師が担当しています。
生徒の男女比 ほぼ1:1