日能研東海
出典: 日能研東海の公式サイト

対話式の授業で、考える力を養う

 講師から生徒へ一方的に講義をする形式ではなく、対話式の授業を行う。小学3年生・4年生までの授業では、その日に学習する内容について、生徒たちに自由に発言させることが中心になる。算数も公式を暗記させるのではなく、なぜその公式になるのかを「どうしてそうなのかな?」と生徒に問い、考えさせたり、答えさせたりする。

 予習は必要としないが、その内容をすでに知っている生徒もいるだろう。そういう場合、知っている生徒が他の生徒に説明し、それに対して講師や他の生徒が質問することもある。説明する生徒は自分の考えを整理して話す作業をし、それを皆で共有する。ノートに書き留めることは講師がまとめる。

 5年生以降は例題を解いて、講師が解説する形式も増え、受験対策に力を入れていく。授業で学んだことは、補助プリントや家庭学習(宿題)用教材「栄冠への道」を使って帰宅後に復習するが、教室に居残って勉強する生徒もいる。

学習にのめり込める2種類のテキスト

 授業用のテキスト「本科教室」と、家庭学習(宿題)用テキスト「栄冠への道」。「本科教室」には冒頭に「学びのひろば」と「学びのとびら」がある。これらにはその日に学習する内容のきっかけとして、視点を与える話が載っている。

 例えば、割り算を学ぶ場合にはピザの絵が描かれ、「ピザを分けよう」という言葉が書かれ、割り算がどういうものかをイメージさせる。それからチョコレートを8個使って、8÷2の式を作るストーリーを考えさせる。余白が多く取ってあり、そこに生徒が自分で考えたことや、クラスメートと講師が話した面白い話を書き込んでいく。

「栄冠への道」は授業で学んだ内容に沿った復習ができるようになっており、理解が深められ、学習内容が身につくようなヒントや応用問題も掲載されている。生徒が興味を持って、楽しく学習ができる工夫が施されているテキストだ。

 4年生から記述問題が増えるが、自分の考えを整理し、具体的に書いていく作業を通して思考力を高めるためである。テストでも記述問題が多いのが日能研の特徴だ。

授業を担当するのはプロの専任講師

日能研東海の授業の様子
日能研東海の授業の様子 提供:日能研東海

 日能研の講師は気さくで穏やかなことで知られる。生徒とフラットな関係を築きながら、生徒のモチベーションを上げていく。理不尽に厳しいことがないためか、他の大手塾に比べて女子の割合も多い。

 新人は入社後、1年程度の研修を受けてから教壇に立つ。研修では先輩講師の授業を見学したり、模擬授業を行ったりする。低学年を受け持つのは女性の講師が多い。科目ごとのミーティングもあり、講師同士で授業や教務のスキルを高め合っていく。

 授業を担当するのは全員が専任講師で、大学生アルバイト講師は授業を行わない。大学生アルバイトは「ピアサポーター」という名称のスタッフとして、教室運営をサポートする。テストの監督や教室の机や椅子の消毒、生徒の誘導、家庭学習(宿題)のチェックなどを行う。日能研東海の卒業生の割合が増えており、生徒たちと年齢が近い「ピアサポーター」がサポートしていく。

全国最大級の模試結果・データを蓄積

 5年生までは2週間に1度の「学習力育成テスト」があり、学んだ内容を振り返る。月に1度は「日能研全国公開模試」がある。最大手の日能研に通塾する大きなメリットの一つとして、最大規模の模試を常に受けることで、自分がどの位置にいるかを把握できることがある。

 テストの答案はその場でスキャンするため、生徒は答案を持ち帰ることができる。DI(デジタルイメージ)採点システムでは記述問題を切り抜いて、1人の採点者がまとめて見るので採点基準にブレがなく、スピーディーに処理できる。テストの採点結果がすぐに出るのと同時に、設問ごとの正答率や志望校の合格率も表示される。

 また、それらのテスト結果はすべて、会員制Web情報サービス「MY NICHINOKEN」に保管されている。結果、「どこの分野は安定して点数が取れて、どこの分野は苦手か」といった情報をいつでも分析ができる。また、記述問題の優秀な解答例も「MY NICHINOKEN」に公開され、生徒の間で共有される。

「データの日能研」といわれるが、情報の提供や共有のシステムも完成されている。
 
 クラス分けは2カ月に1度。日能研東海では1学年2クラスの教室が多いが、規模が大きい教室だと4クラス編成もある。4クラスだとクラスが変わる頻度は少し増え、より近い学力の生徒同士で授業が受けられるが、クラスが頻繁に変わるのは落ち着かないという生徒もいるだろう。通塾の利便性や、クラス編成の適性で教室を選ぶのも一案だ。

プロ講師が生徒・保護者を丁寧にサポート

 日能研はホスピタリティが高い塾として知られる。日能研東海では講師の手が空いていれば、質問に丁寧に答える。担当講師が不在の場合でも、他の科目の講師が生徒と一緒に解説を読んだり、問題を見たりして質問対応をすることもある。ただし、6年生の難問対応に関しては、その科目の講師が必ず対応する。

 面談も保護者が希望すればいつでも対応する。学習の仕方や志望校選びだけでなく、時には保護者のメンタルケアも行う。

 保護者会などのイベントで、保護者は月に一度は教室に来るようなスケジュールになっているが、その保護者会は動画でも配信している。このように講師と生徒、保護者がいつでもコミュニケーションを取れるように、日能研東海の教室にはカウンターの仕切りがない。

 受験本番の時期には、各教室で受験生たちのフォローに全力投入する。

「名古屋の受験は週末に行われ、1カ月ほど続きます。受験パターンが多くないので受験校を変えることが難しいため、生徒や保護者とよく話し合い、志望校への合格をサポートしていきます

 第2志望で残念な結果になると、その後に控えた第1志望の受験へのプレッシャーは大きくなるだろう。そういった時に受験のプロである日能研の講師たちは、伴走しながらフォローしていく。

関東や関西の中学受験にも精通

 東海地区在住の生徒でも、関東や関西の中学を受験したいという希望を持つケースは少なくない。そういったニーズに対しては、関東・関西の日能研スタッフが日能研東海に来て説明会を行っている。

 また、「日能研全国公開模試」を受験することで関東や関西でどの位置にいるのかも把握できるし、他県の難関校受験者は、直前期に志望校対策の教材で学習もできる。東海地区にいながら全国の中学の情報が得られ、受験対策もできる。

全国の最難関校を目指す選抜コース「Zクラス」も設置

 日能研東海では3年生の予科教室から始まり、4年生からは本科教室となる。東海地区の場合、5年生から通塾を始める生徒も多い。関東や関西ほど早くから通塾しなくても、受験に間に合うことが多いのも名古屋の中学受験の特徴だ。

 一方で、日能研東海にも最難関校を目指す選抜コース「Zクラス」が設置されている。4年生から始まるコースで、灘、甲陽学院、東大寺、洛南、西大和、神戸女学院、四天王寺(医志)、東海、海陽(特別給費)、滝(特待)、南山女子部、開成、麻布、慶應中等部、渋谷教育学園幕張、桜蔭、女子学院などの関東・関西・東海の最難関校を目指す。

 このZクラス以外の生徒向けの選抜特別講座が「G講座」である。やはり全国の難関校を目指す生徒のための講座だ。こちらは各教室の「本科教室」に通いながら、並行して受講する。「G講座」は名駅校、千種校、本山校、御器所校、一宮校で開講されている。

日能研東海の教室

 名駅校、金山校、千種校、本山校、東山校、一社校、藤が丘校、浄心校、御器所校、新瑞校、植田校、豊田校、刈谷校、岡崎校、勝川校、江南校、一宮校、岐阜校。

 本山校、千種校、御器所校、名駅校は比較的規模が大きい教室となる。

日能研東海に合う生徒・合わない生徒

   日能研東海は、生徒が中学受験を通して自立した学習ができるように成長してほしいと願う方針だ。その考えに共感する家庭にとっては満足度が高いが、反対に目の前の結果だけにこだわる家庭とは意向が合わないこともあるだろう。

日能研東海(中学受験)の基本データ

校舎数

18教室

生徒数 3000名
授業料

小3(2科) 11,440円(税込)/月
小4(4科) 22,880円(税込)/月
小5(4科) 34,650円(税込)/月
小6(4科) 39,600円(税込)/月
※日能研東海のみの授業料です。


授業料以外には入会金・教材費・テスト費・運営費が必要です。
また、期間講習会費などは別途になります。

自習室の有無 空き教室があれば利用可能です。
教室にお問い合わせください。
質問対応 授業前後、授業のない日でも対応可。
授業の生徒数 20~30名程度
専任講師の比率 100%
生徒の男女比 5:5