グノーブル
グノーブル お茶の水校

 Aさん:東京23区在住です。子どもが中規模校に通っています。昨年末まで外資系企業で働いていましたが、今は在宅で採点などの仕事をしつつ求職中です。

 Bさん:東急線沿線に住んでいて、子どもは自由が丘校に通っています。グノーブルはクラスをブロックで分けます。上位がAブロック、中位がBブロック、下位がCブロック。うちの子はBブロです。私は正社員でコールセンター勤務です。 

 Cさん:2023年終了組ママです。自由が丘校に通っていました。現在は四谷大塚偏差値50台半ばの進学校に通っています。私自身はIT企業で営業事務をしています。上に中高一貫校の高校生の息子がいます。

グノーブルはSAPIXより面倒見がよいと評判

 司会:グノーブルへの入塾のきっかけを教えてください。

 Cさん:上の息子がSAPIXだったんですよ。勉強は得意な子でしたが、それでもSAPIXは親がやることが多くて大変でした。グノーブルはSAPIXと同質のテキストやメソッドで、SAPIXより面倒見がいいと聞いたので入塾させました。

 Aさん:うちもそれに近いです。最初はSAPIXに通っていたんですが、大規模校舎の中でクラスが下がってしまって。先生との距離があるのもちょっと気になり、あまり規模が大きくないほうがいいかなと思ってグノーブルに転塾しました。そうしたら、理系は最上位クラスになりました。

 Cさん:そうでしょうね。うちの子もSAPIXの入塾テストを受けさせましたが、SAPIXだと下位のクラス、グノーブルだと真ん中ぐらいと言われました。少なくともうちの子の学年では、SAPIXのほうが学力が高い生徒が多かったと思います。

 Bさん:最近はちょっと変わってきていて、少なくとも自由が丘校は学力が高い生徒が増えているみたいですよ。理由はわかります。SAPIXほどメジャーではないところが、中学受験マニアの心をつかむんです。実はうちの夫がそのパターン(笑)。夫は中学受験の成功体験が人生のピークみたいな残念な人で、中学受験マニアなんですよ。だから、みんなが通っているSAPIXだと面白くないみたいで、グノーブルに入れました。私は近所の日能研でいいと思ったんですけど。

 Aさん:確かに保護者会で、そういうマニアックな雰囲気のパパさんをお見かけします。熱心にメモを取っていらっしゃって。

 Bさん:X(旧・ツイッター)でお子さんの成績を公開しているパパさんがいますよね。夫がああならないように、私はXを監視しています(笑)。

 Cさん:でも、子どもの勉強のフォローを全部夫さんがやってくれるならありがたいですよね。

少人数ならではのデメリットも

 CさんSAPIXに比べて、グノーブルは親のやることが多いように感じています。

 司会:どういうところに「親がやることが多い」と感じていますか。

 Aさん:SAPIXは「年間学習法」という冊子を配ります。これに毎週の勉強の仕方が全部解説されているから、それを読めばどうやって勉強をさせるのかがわかります。それに従って進めていけばいいんです。でも、グノーブルではそういった冊子が配られないから、親がどうするかを考えないといけません。

 Cさん:SAPIXは大手だけあって、配布物がいいんですよ。各学校の入試傾向をまとめた冊子や、この偏差値だとこの学校には何割受かるというデータブックをくれました。そういうことをまとめてくれると、受験校を選ぶのに助かります。

 Bさん:SAPIXの学習をフォローするための塾やサービスがたくさんあるんですよね。SAPIXのテキストやテストの解説動画を配信しているサービスもあります。グノーブルは生徒数がまだまだ少ないので、そういう学習フォローサービスがありません。そうなると、SS-1やTOMASといった個別指導塾に通わせることになって、費用が高くなります。

 Aさん:Bさんは個別指導を使っているんですか?

 Bさん:うちは夫が全部、教えていますよ。それでも成績はなかなか上がりませんね。

 Cさん6年生の時に困ったのは、グノーブルは生徒数が少ないので、うちの子が受験生全体の中でどこにいるかがわからない。だからSAPIXのオープン模試を受けて、全体の中での立ち位置を知る必要が出てくるんです。でも6年生って忙しいから、外部模試を受ける時間を捻出するのが大変なんですよ。グノーブルのテストを受けて、SAPIXオープンも受けるとなると、かなりスケジュール的に苦しくて。

 Aさん:四谷大塚の準拠塾では四谷大塚のテストを受けているから、全体の中での立ち位置がわかるじゃないですか。ああいう塾はそういったメリットがあるんだと知りました。

よりハードな環境で勉強をすることができる

 司会:みなさん苦戦しているようですが、続けていらっしゃるわけなので、メリットもあると思いますが。Aさんは転塾してよかったことはありますか。

 Aさん:先ほどお伝えしたように、グノーブルに転塾したらクラスが上がりました。クラス分けが理系と文系で別なので、得意な理系は最上位クラス、苦手な文系はもう少し下のクラスです。なので学力に合った授業が受けられます。あと、中規模校舎ということもあって、講師との距離が近いことですね。質問は一人一問までということもないですし、宿題もチェックしてくれるので、サボるとちゃんと注意されます。

 Cさん:受験校選びの面談も親身になってくれました。「東大を目指さないのなら、この学校じゃなくてもいいのでは」とアドバイスをしてくれました。子どもも講師の先生に懐いていて、慕っていました。私が「上のクラスにだけ手厚い」と愚痴をこぼしたら、「そんなことはない。ママの被害妄想だ!」と叱られましたし(笑)。

 Bさん社会の進度はSAPIXより早くて、本当にマッハなスピードで進みますよね。終戦記念日の近くに第二次世界大戦の内容を授業でやるなどの工夫があるそうで、それはいいかなと。

 Aさん国語は問題文が長いんですが、どれもいい文章が多くて。SAPIXなら6年生で扱う文章が、グノーブルでは4年生のテキストに載っていることもあるそうですよ。

 Bさん:国語には苦労しています。やっぱり本をたくさん読んできたような子じゃないと、ついていけないのかなって思いました。麻布のような、国語の記述問題のボリュームがある学校に強いのはよくわかりますが、うちの子はどう考えても麻布などの最難関校は受けないから、ちょっと記述対策の量が多すぎるかなと。

 Cさんあれだけ記述問題をやらせるってことは、男子御三家対策なんだと思いました。御三家の次に難しい海城ですら、入試の国語で記述はそんなにボリュームがないし、選択肢問題が難しいんですけどね。

 Bさん:2024年度は駒東に31名合格していました。駒東は算数が難しいから点差がつかないので、国語で合否が決まるそうです。そうなると、国語力を鍛えてきたグノーブルの生徒が強いんじゃないかって夫が分析していました。

 Cさん:少なくともうちの子の学年はSAPIXよりも学力層が低かったのに、あれだけ麻布の合格者数を出したのだから、それだけ勉強がハードだってことですよ。下の子はそこまで学力が高くなかったからうまくいきませんでしたが、勉強が得意な子なら伸びるんだと思います。Aさんのお子さんには合っているんじゃないですか。

 Aさん:とんでもないですよ。中規模校の最上位なので、自由が丘校とは全然違いますし。ただ、うちの子は楽しく通っているから、いいかなと思っています。子どもが笑顔なのがなによりなので。

グノーブルの座談会を終えて

「SAPIXをハードにしたのがグノーブル」と言われることがあるが、まさにその通りのお話を聞くことができた。共働き家庭が中学受験の主流になってきているが、中には「親が犠牲を払ってでも子どもを難関校に入れたい」という人たちもいるわけで、そういったニーズに合う塾だと感じられた。今後の合格実績の動向にも注目したい。