「関西8大学大研究」の様子
「関西8大学大研究」の様子

 フリーステップの「関西8大学大研究」は、約20年にわたり開催されているイベントだ。フリーステップに通う生徒が友人や保護者を同伴できることもあり、2026年の参加者は前年を上回る2,448人。7月12日に新大阪駅からほど近い新大阪丸ビルで開催され、アクセスのよさもあって多くの来場者でにぎわった。

 どの講演もほぼ満席だったが、その中でも多くの受験生や保護者が集まった人気講演では、どのようなことが語られたのだろうか。今回は、夏以降の具体的な学習戦略について紹介していこう。

「関関同立に合格するために」やっておきたいこと(文系)

 

「関関同立に合格するために」やっておきたいこと(文系)
「関関同立に合格するために」やっておきたいこと(文系)

“関関同立に合格するために”やっておきたいこと(文系)」の講演は、ほぼ満席の状態で行われた。

 まずは、フリーステップを運営する株式会社成学社 梅原愛氏が登壇し、関関同立合格に向けた夏休みの学習方針を紹介した。

 大切なのは学習の効率、つまり何を優先すべきかを判断することだという。模試の結果から弱点分野を分析し、優先順位をつけて勉強を進める必要がある。

 勉強をするうえで、「得意科目を伸ばそう」「苦手な分野を克服しよう」というのは当然の戦略だ。しかし、そこに集中しすぎてもうまくいかない。関西の私立大学最難関である関関同立を目指すなら、入試に直接つながる学習計画が必要だ。

 科目の優先順位は、まず「英語」、次に「国語」、そして「社会」の順だ。

 なぜなら、入試方式を問わず必須となる英語を、まず優先すべきだからだ。また、関関同立を第一志望とする場合でも、秋の学校推薦型選抜(公募)で産近甲龍(京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学)などを受験したいところ。学校推薦型選抜(公募)とは、年内に行われる学科試験重視の入試で、一般選抜との併願がしやすい入試方式だ。

 秋の段階で英語・国語が必要となるため、最初に英語、次に国語の対策を優先する。一般入試のみで必要となる社会の対策は3番目という順序が示された。

 9月からは志望大学の過去問対策を始めたい。そのため、8月末までに基礎学力を身につけておくことが重要だ。

英語は関西大学・同志社大学が長文中心、関西学院大学・立命館大学は文法や語彙も重要

関関同立の英語で押さえておきたい学習ポイント
関関同立の英語で押さえておきたい学習ポイント 提供:個別指導学院フリーステップ

 英語は、関西大学・同志社大学では長文・会話文が軸となり、関西学院大学・立命館大学では読解や文法・語彙が満遍なく出題される傾向がある。

 各大学に共通して、単語・文法・精読の強化が求められる。フリーステップの受講生は、学習アプリを用いて実施するオリジナルテスト「難関私大Lapテスト※」で自分の到達度を測ることができる。

※「難関私大Lapテスト」とは:関関同立の入試問題レベル・形式に合わせて作成されたフリーステップオリジナルの確認テスト

 大学入試の問題には、受験者の得点率に「差がつかない問題」と「差がつく問題」の違いがあるので、夏の間は「差がつかない問題」で確実に得点できるようにし、秋以降は「差がつく問題」にも取り組んでいきたい。

国語は学校推薦型選抜(公募)に合格できるレベルを目指す

 国語は、夏のうちに私立大学の学校推薦型選抜(公募)に合格できるレベルに仕上げていきたい。学校推薦型選抜(公募)は秋に行われるため、基礎的な問題が多いのが特徴だ。

 学校推薦型選抜(公募)の合格ラインは大学によって異なり、近畿大学・京都産業大学は80%、龍谷大学・甲南大学は85%が目安となる。

 国語で古文が出題されるかどうかも、受験校選びの重要なポイントになる。古文が得意なら出題される大学を選び、不得意なら出題されない大学を選ぶという戦略が提案された。

 学校推薦型選抜(公募)において、古文が出題されるのは近畿大学と龍谷大学だ。近畿大学では、敬語などの細かな文法知識が問われる。龍谷大学では説話集からの出題が多く、本文は比較的読みやすいものの、内容を正確に理解する力が求められる。

 一方で、京都産業大学と甲南大学の学校推薦型選抜(公募)では古文が出題されない。京都産業大学は比較的読みやすい文章が多い一方、甲南大学は傍線部の説明や本文の内容一致問題の難易度が高い。

 戦略の例として、兵庫県在住で古文が得意な受験生であれば、現代文のみの甲南大学よりも、多少自宅から遠くても古文が出題される近畿大学を受験したほうが、合格の可能性が上がる場合がある。

 秋以降は、志望大学別の対策を進めていく。現代文は大学ごとに特徴があり、関西大学では読解や解釈を踏まえた選択肢問題、関西学院大学では語彙力、同志社大学では記述問題、立命館大学では基礎的な読解力がポイントとなる。

 古文では、文法・長文読解に加えて「古文常識」の習得が重要だ。現代とは異なる、当時の人々にとっての常識を理解していなければ、文章の状況を正しく読み取れない。

社会は「全単元履修」が第一のミッション

 社会は、夏のうちに教科書を通読し、知らない用語をなくすことが目標となる。テーマ史や文化史を整理し、知識を「使う」学習に移っていくためにも、夏の土台作りが不可欠だ。

 9月からは苦手な時代やテーマを復習し、12月からは過去問演習を開始する。夏は教科書や用語集で学習すると同時に、フリーステップの受講生は映像授業「駿台Diverse」で歴史の流れを把握する。お盆以降は、「Lapテスト」で知識が身についているかを確認していく。

 数学で受験する生徒には、微積分・確率の強化が推奨された。

受験回数を戦略的に増やすと合格率はアップする

関関同立の受験回数と合格率 提供:個別指導学院フリーステップ
関関同立の受験回数と合格率 提供:個別指導学院フリーステップ

 得意科目を生かせる学部を検討することで、合格の可能性が上がる例も紹介された。

 立命館大学の入試では、同じ得点率でも、学部ごとの配点の違いによって合格ラインへの近さが変わるケースがある。

 例えば、英語が苦手で日本史が得意な生徒がいるとしよう。立命館大学の文学部国際コミュニケーション学域は、英語200点、国語100点、社会100点のため不利になりやすい。

 一方、同一試験日に実施される立命館大学政策科学部の場合、英語100点、国語100点、社会100点となり、日本史が得意な生徒にとって有利になる。

 受験回数についても言及があり、しっかりと併願パターンを組めば合格率が上がるという戦略が示された。

 関西の入試を知り尽くし、豊富なデータを持つフリーステップならではのノウハウがある。関西の入試の特徴をしっかりと捉えて受験戦略を立てることで、合格の可能性を高められるという。

英語が重視される学部・方式 提供:個別指導学院フリーステップ
英語が重視される学部・方式 提供:個別指導学院フリーステップ
国語が重視される学部・方式 提供:個別指導学院フリーステップ
国語が重視される学部・方式 提供:個別指導学院フリーステップ
日本史・世界史が重視される学部・方式 提供:個別指導学院フリーステップ
日本史・世界史が重視される学部・方式 提供:個別指導学院フリーステップ

「関関同立英語完全攻略」では併願対策が重要

関関同立入試 英語の特徴
関関同立入試 英語の特徴 提供:個別指導学院フリーステップ

 次に、大会場を満席にしたのが「関関同立英語完全攻略」の講演だ。関関同立の英語について、具体的な対策が解説された。

 私立大学入試で最も重要なのは英語だ。多くの学部では、英語の配点がほかの科目より高い。英語で得点できなければ、ほかの科目で逆転するのは難しくなる。

 また、出題傾向が似ている大学同士を併願すれば、入試対策を効率的に進められる。

 同志社大学と関西大学は長文・会話文が中心で、関西学院大学と立命館大学は文法問題も出題される傾向がある。

 それでは、具体的な大学別の傾向と対策を見ていこう。

関西大学は配点と読解速度がカギ

関西大学 英語の出題傾向と目標・解答実績 提供:個別指導学院
関西大学 英語の出題傾向と目標・解答実績 提供:個別指導学院フリーステップ

 

 まずは関西大学だ。全体的に英語の配点が高く、目標得点率は文系学部が78%、理系学部が82%とされた。ちなみに、2026年度の合格最低得点率の平均は、文系が62.5%、理系が64.1%だった。※得点調整後の数値

 英語では、3,000語程度の長文や会話文がまとまって出題される。龍谷大学が2,000語程度であることと比べると、かなりのボリュームだ。

 関西大学は独特な出題形式のため、過去問を使ってしっかりと「解く練習」をしておきたい。

 中でも特徴的なのが、英文を正しい順序に並べ替える問題だ。文章の内容は「抽象的なことから具体的なことへ」と展開することが多いため、日本語での論理的な思考力も必要になる。

 文頭に置かれる接続副詞もヒントとなる。講演では「on the other hand(一方では)」という接続副詞が紹介され、この表現が文頭にあれば、前の文章とは対照的な内容が書かれていると解説された。

関西学院大学は文法・語彙と時間配分がカギ

 関西学院大学では、文法・語彙問題が出題される。そのため、文法のテキストやドリルに取り組んでおくと役に立つだろう。

 目標得点率は文系・理系ともに80%。解答順序は文法・語法問題を先に解き、長文にじっくり取り組む時間を残すことが推奨された。

 文法問題や英作文、長文問題、会話文問題など多様な問題形式が出題されるため、時間配分に注意したい。学部個別日程では記述式の英作文も出題されるため、対策が必要だ。

 講演では、関関同立の各大学における出題傾向や、問題を解く時間の目安、大問別の目標得点率などが具体的に紹介され、参加者からは「非常に参考になった」という声も聞かれた。

 こうした解答テクニックを効率的に学べるのが、フリーステップが2026年12月13日、20日に開催する「関関同立英語答案作成練習会」だ。1日3回、過去問演習を行った後に解説を受けられる。

同志社大学は英文和訳・和文英訳の対策が必須

 関西の私立大学の中でも最難関とされる同志社大学。大問はわずか3問だが、一つひとつの文章が長く、ほかの大学と比べて難しい単語も出題される。

 英文和訳・和文英訳が出題されるため、マーク式問題の対策だけでは合格できない。目標得点率は文系が85%、理系が80%。総語数は約3,100語で、一つの長文につき約1,000語を集中して読む必要がある。

 英作文対策のポイントは二つある。

 一つ目は、スペルや用法に自信があり、使いこなせる単語を使うことだ。難しい単語を使っても、それだけで加点されるわけではない。

 二つ目は、仮定法・不定詞などの頻出構文を使いこなせるようにしておくことだ。

 同志社大学では、関西学院大学と比べて主語が分かりにくい英文が多く、英文和訳の際に書き出しで詰まるリスクがある。そのため、意訳の練習が重要になる。

立命館大学は語彙の難易度と特殊な内容一致問題が特徴

 立命館大学も入試難易度が高く、英語の配点が高い大学だ。理系学部でも数学で得点するのが難しいため、英語でしっかりと得点していきたい。

 文法・語彙・長文がバランスよく出題され、目標得点率は文系が80%、理系が75%。総語数は約3,000語となっている。

 立命館大学の最大の特徴は、語彙の難易度の高さだ。講師ですら「どの単語帳に載っているのか」と首をかしげるような単語が出題されることもあるという。

 ただし、難しい単語帳を次々に増やす必要はない。まずは、手持ちの単語帳1冊を完璧に覚えることが大切だ。そのうえで、消去法で問題を解くスキルや接頭辞・接尾辞から単語の意味を推測する力も身につけたい。

得意・不得意に合わせた併願パターンも提案

 フリーステップでは、夏休み中は基礎固めを重視している。過去問1年分の演習、単語帳1冊の完成、文法の苦手分野の復習を進めることが推奨された。

 フリーステップの個別指導と、映像授業「駿台Diverse」を組み合わせることで、より効率的に学習を進められる。

 さらに、模試やテストの結果を基に、併願先候補のリストも提示する。「文法が得意なので、文法問題が多い近畿大学を併願で受けてみては」といったように、具体的な根拠を示して提案する。

 フリーステップでは、2026年9月20日、21日に「大学受験対策勉強会」を開催する。1日目は集団指導形式、2日目は個別指導形式のマンツーマンで受験指導を行う。国公立大学、関関同立、産近甲龍などを対象に、文系・理系合わせて計9クラスが設けられる。

「同志社大学を受けるのに2冊目の単語帳は必要?」

 参加した高校3年生にインタビューしたところ、「関関同立を併願で考えていますが、各大学の英語の傾向と対策を把握できてよかった」と話した。

 別の高校3年生は、「差がつく単元と差がつかない単元の解説が助かりました。自分では把握できないことなので」と答えた。

 中には毎年このイベントに参加している保護者もおり、「刺激を受けて、子どものモチベーションが上がります」という。

 高校3年生だけでなく、高校1・2年生のうちからイベントに参加して情報を集め、早い段階から受験戦略を把握することもプラスになるだろう。

 今回のイベントでは、大学の教職員や現役学生に相談できる個別相談コーナーも大盛況だった。

 相談を担当した同志社大学の学生は、「英語の学習について質問がありました。『単語帳は2冊目に取り組むべきですか』と聞かれましたが、僕は1冊を完璧にすることが大切だと答えました」と話した。

 憧れの大学に通う現役学生に、具体的な学習方法を直接相談できる貴重な機会となったようだ。