ファイナンシャル・プランナー(FP)の花輪陽子です。
シンガポールには、有名な大富豪がたくさん住んでいます。例えば、世界的にその名を知られる投資家のジム・ロジャーズ氏や、世界の長者番付で上位にランクインしている「フェイスブック」共同創業者のドゥアルド・サベリン氏。また、スペインのサッカーチーム・バレンシアのオーナーとして有名な、シンガポールの投資家ピーター・リム氏など。
米国の経済誌「フォーブス」の長者番付に名を連ねる大富豪の多くは、不動産関係者、投資家、石油取引業者、銀行業の関係者などとなっています。ちなみに、シンガポールにおける長者番付の現トップは、不動産デベロッパー「ファー・イースト・オーガニゼーション」を率いるロバート・ウン氏とフィリップ・ウン氏の兄弟で、約1兆円の資産を保有しているとされています。
シンガポールに住む著名な日本人としては、エイベックスグループ代表取締役社長の松浦勝人氏と妻の畑田亜希氏、村上ファンド事件で有名になった村上世彰氏、医師と結婚してシンガポールに移住をした、フリーアナウンサーの中野美奈子氏などが挙げられます。投資好きのタレントとして有名な松居一代氏も、シンガポールに住んだことがあるようです。
街やコミュニティーが小さいので、一般人でもパーティーやオーチャードのカフェなどで著名人を見かける機会が多々あります。「あの人、日本で騒がれているけど、シンガポールにいるのね……」といった具合に、日本ではあまり遭遇しないような人にも、身近なところで出会う機会があって、よく驚かされます。
シンガポールは「相続税」「贈与税」がない!
所得税・法人税も低水準で節税目的の移住者が多数
それにしても、なぜ世界中からこれだけの富裕層が集まっているのでしょうか。事情はさまざまでしょうが、やはり「節税」を目的としている人が多い印象です。
シンガポールは相続税や贈与税がかからず、キャピタルゲインも非課税、所得税の最高税率は20%、法人税は17%と、とても税率が低い国です。さらに、シンガポールの居住者になっても、年金など国外で発生した所得には、税金がかかりません。そのため、外国人がビジネスを起こして働いたり、資産運用したりするには、とても有利な国なのです。
また、シンガポールには、起業家向けの「Entre Pass(アントレパス)」という制度があります。「Entre Pass」を活用すると、日本円で約400万円の資本金で会社を立ち上げるなど、各種要件を満たした上で事業を行う場合に、雇用の承認と居住のビザを取得することができます(カフェやフードコートなど、一部対象外の事業もあります)。詳しくは政府のサイトでご確認ください。
http://www.mom.gov.sg/passes-and-permits/entrepass/eligibility
投資用永住権の「Global Investment Program(GIP)」に関しては、かなりハードルが高く、約2億円で新規事業を立ち上げるか、既存事業の拡大に投資をする、もしくは約2億円を「GIPファンド(シンガポールにベースを置く企業に投資をするファンド)」に投資する必要があります。
また、GIPの要件を満たすには、売上要件などかなり厳しい条件があります。しかし、成功した経営者など富裕層は永住権を獲得できるわけです。
https://www.contactsingapore.sg/Media/ContactSingapore/
「非居住者」と認定されれば、日本に納税義務はない!
ただし、この認定を巡って過去には事件も発生
ところで、シンガポールでいくら税率が低くなったとしても、日本で税金をとられるのではないか? と思う人も多いでしょう。しかし、日本国籍を持っている場合も、「非居住者」になると税金が変わってきます。非居住者とは、「日本に住んでいない」と認定されている人のことです。
非居住者になると、日本で発生する所得に対しては日本の税金がかかりますが、外国で発生した所得については、原則日本では課税されません。そのため、シンガポールで働いて得た収入に関しては、シンガポールで納めることになります。
また、相続税・贈与税に関しても、財産を渡す人ともらう人の両者が国外に5年以上居住し、財産が国外財産の場合は、日本で原則課税されないことになります。シンガポールのような相続税・贈与税が非課税の国に居住している場合は、日本でもシンガポールでも課税されないというケースも出てきます。
ただし、裁判になった武富士創業者の長男のケース(香港に居住地を移したうえで、海外資産の贈与が行われた)では、「非居住者の判定」が争点になりました。非居住者と判定されるには、海外に一定期間以上在住し、海外に生活の拠点を置いていることが証明できなければなりません。
資産を守るために国籍を変え、新天地を選ぶ人も多数!
フットワークの軽さ、情報収集力が富裕層の力
しかし、日本のような非居住者への優遇がない国もあります。たとえば米国はそうです。米国の国籍や永住権を保有している人は、原則として国外に居住していても本国に税金を支払わなければなりません。
そのため、なかにはフェイスブックのドゥアルド・サベリン氏のように、米国籍を放棄する人もいます。シンガポールに住んでみて、お金のために国籍を放棄する人や、居住権を得て海外に渡る人が世の中に多くいることを実感し、大変驚かされました。
高齢のシンガポール人でも、子どもを頼りにオーストラリアなどの海外に渡っていく人が少なからずいます。日本人ならば、高齢になってからこれまでの交友関係を捨てて、海外に永住する人は少ないのではないでしょうか。シンガポール人の場合、英語ができることが大きいのでしょうが、フットワークの軽い人が多い印象です。
お金持ちは一国にこだわらず、どこの国で働き、どこの国で資産運用をして、どこの国で子どもに教育を受けさせ、どこの国に居住するのが有利かを考えて、自分の拠点を決めています。その拠点は、目的によって複数に分かれていることもしばしばあるのです。
永住権取得を手助けするコンサルタントもおり、シンガポールを含む税制のメリットが大きい国で、永住権を取る外国人もたくさんいます。世界の富裕層は、どこの国で何をするのが有利かという情報を熟知しており、それを忠実に実践しているところがすごいと感じます。
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◆アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カード |
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0.3~1.5% (※1) |
3万9600円 | AMEX | - | |
【アメリカン・エキスプレス・ゴールド・プリファード・カードのおすすめポイント】 日本で最初に発行されたゴールドカード「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の後継カードだけに、ステータス&付帯サービスは最高レベルで、カードが金属製という特別感もあって、一般的なゴールドカードとはケタ違い。たとえば、年間200万円(税込)以上を利用してカードを継続保有すると、国内40カ所以上の高級ホテルに無料宿泊できる「フリー・ステイ・ギフト」は、もはや一般的なプラチナカードすら凌駕するレベルの特典だ。さらに、高級レストランを2人以上で利用すると1人分が無料になる「ゴールドダイニング by 招待日和」や、世界1400カ所以上の空港ラウンジを年2回まで無料で利用できる「プライオリティ・パス」、最高補償額1億円の「海外旅行傷害保険」が付帯するなど、もはや「ゴールドカード」の枠組みを大きく飛び越えている。また、家族カードは2人目まで年会費無料でお得(3人目以降は年1万9800円・税込)。 ※貯まるポイントをマイルに交換した場合。1マイル=1.5円換算。 |
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