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出口治明の提言:日本の優先順位
【第10回】 2011年6月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

政治を正すには選挙制度を、
「衆院は小選挙区のみ、参院は比例代表区のみ」に
改革せよ

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 前々回のコラムで、わが国の政治の歪みの根源は1票の格差に求められるのではないかという仮説を提示した。そして、最高裁が1票の格差について「違憲状態」という最終的な判断を下した以上、少なくとも次回の総選挙までには選挙制度の改革が不可避であると思われることを指摘した。

 では、改革を行うとして、わが国の現状に照らせば、どのような選挙制度が望ましいのだろうか。

世界に類を見ない強大な第2院

 1票の格差を是正すること自体は、実は技術的には決して難しいことではない。住民基本台帳をベースに、都道府県や市町村の行政区分に必ずしもこだわることなく、ある程度弾力的に運用しさえすれば、1票の格差を0.999票くらいに縮めることは十分可能であろう。また、これも前々回のコラムで指摘したように、若い世代の投票コストを引き下げ、世代間の投票コストの平準化(実質的な平等化)を図るために、エストニアではすでに実施しているように、インターネット投票を導入することも技術的には十分対処可能であると考えられる。

 ところで、1票の格差を是正し、インターネット投票を導入すれば、それでわが国の政治状況は一足飛びに改善するのだろうか。もちろんこの2つを実現することだけでも、これまでに比べれば、政治に劇的な変化がもたらされることは疑いを入れない。しかし、わが国の政治がともすれば漂流しがちな背景には、世界でもあまり類を見ない強大な第2院、つまり参議院の存在が挙げられる。

 わが国の将来を見据えれば、この問題にメスを入れることも、1票の格差是正、投票コストの平準化と並ぶ極めて重要な政策課題である。この問題について具体的に考察してみよう。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の会長兼CEOであり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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