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マレーシア大富豪の教え
【第8回】 2017年5月20日
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小西史彦

“幸運な人”と“不運な人”を分けるのは「これ」だ
マレーシア大富豪の教え

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「チャンス」が来たら真っ先に飛び乗る

 なぜ、「勝てる場所」なのか?
 当時のシンガポールの靴のマーケットが、極端に二極化していたからです。現地製の低価格の靴が日本円で2000~3000円ほどである一方、スイス製の高級輸入靴はだいたい1万5000円ほど。輸入靴と現地製の靴の間に大きな落差があったのです。

 では、日本製の靴はどうか? シンガポールに輸入すれば、およそ4000~5000円ほどの販売価格に設定できるとはじき出しました。つまり、現地のマーケットにぽっかりと空いた「ブランクスペース」に見事にはまるということです。

 しかも、現地製の靴は、価格は安いけれども、履き心地が悪いうえにデザイン性にも乏しい。はるかにファッショナブルで人間工学に基づいて設計された日本製の靴は、品質において圧倒的に優れていたのです。

 だから、私は、専務に連絡をとって、「おもしろいと思います。勝算があります」と伝えました。すると、専務がこう言ったのです。「小西君も、出資しなさい」。合弁会社をつくって、現地のオペレーションを私に任せたいとおっしゃるのです。

 これは千載一遇のチャンス。しかし、一瞬躊躇しました。なぜなら、出資するとなると半端な額ではありません。独立以来、本業が黒字ギリギリのなか、コツコツと貯めてきた資金をはたく必要がある。もしも、失敗したら……。そんな不安がよぎったのです。
 しかし、「いま」を逃したら、チャンスは消えてなくなってしまう。相手は、日本の最大手靴店チェーンです。私でなくてもパートナーはいくらでも見つけられるでしょう。だから、私は即座に出資を決断。ハイリスクを取りに行ったのです。

 すぐにシンガポール政府と交渉して、「100%外資の企業」として設立認可を取り付けました。そして、靴店が51%、私が49%という出資比率で合弁会社を設立。私が会長に就任し、靴店が社長として派遣する若い男性を監督する立場になりました。

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小西史彦

小西史彦(こにし・ふみひこ)
1944年生まれ。1966年東京薬科大学卒業。日米会話学院で英会話を学ぶ。1968年、明治百年を記念する国家事業である「青年の船」に乗りアジア各国を回り、マレーシアへの移住を決意。1年間のマラヤ大学交換留学を経て、華僑が経営するシンガポールの商社に就職。1973年、マレーシアのペナン島で、たったひとりで商社を起業(現テクスケム・リソーセズ)。その後、さまざまな事業を成功に導き、1993年にはマレーシア証券取引所に上場。製造業や商社、飲食業など約50社を傘下に置く国民的企業グループに育て上げ、アジア有数の大富豪となる。2007年、マレーシアの経済発展に貢献したとして同国国王から、民間人では最高位の貴族の称号「タンスリ」を授与。現在は、テクスケム・リソーセズ会長。既存事業の経営はほぼすべて社長に任せ、自身は新規事業の立ち上げに采配を振るっている。

 


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