ツイッターの日本法人が、その活動を本格化させようとしている。

 4月にはツイッター日本法人の代表として近藤正晃ジェームス(@jameskondo)氏が就任した。ツイッター社の創業以来、初の海外法人の設立であり、初の外国法人代表である。

 この背景としては日本市場でのユーザーの伸びがある。総ユーザー数としては、米国、英国、ブラジル、インドネシアなどと共に日本は世界のトップ5に入るが、ユーザーの“質”、つまり1人当たり、秒当たりのツイートでいうとその中でも日本は群を抜いている。

 たとえば1秒当たりツイート数の世界記録は、つい最近までは「なでしこジャパン世界一」が世界一で、その次が今年の正月の「あけましておめでとう」だった(先日、「ビヨンセの妊娠」が1位になった)。

 日本特有の携帯電話を使ったコミュニケーション文化や、日本語の限られた文字数での表現力、情報量が豊富なことは、かねて指摘されている。そうした環境下での先進的なユーザー層を、本国も無視できなくなっているのだ。「まずは、日本でのサービス環境の基礎を固めたい。ツイッターの日本語はまだ練られてないし、使い勝手やベーシックな部分を直して英語のユーザーと同じようなユーザー環境を提供したい」と近藤代表は意気込む。

 とりわけ世界で日本のツイッター市場が注目されるようになったのは、東日本大震災での活躍だった。ツイッターは震災時もつながっていて、安否確認やリアルタイムの情報提供に一役買ったのは記憶に新しい。震災後も、刻々と移り変わる状況を、政府機関、電力会社、鉄道、各企業などがツイッターを使って伝えるという手法が定着した。

「国、県、市町村、電力需給に関する公的情報などを伝えるアカウントは現在220以上あり、公益な情報を出すプラットフォームとしてツイッターを使っている。こんな国は世界でもない」と近藤代表は言う。「ユーザー層の広がりもさることながら、使われ方も日本は世界の最先端。有名人やブランドのツイートを追っていくのでなく、地域情報やライフライン情報、行政機関からの情報を積極的に取っている。日本のツイッター市場は、数だけでなく情報の質も深みが出ている」(近藤代表)。