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 10年後か20年後、「2017年」という年を振り返った時に、「それは、マスメディアのネットに対する完全なる敗北が決定した年」として記録されているかもしれない。そう言うと、「マスメディアはずっとネットに負けてきたのでは」とか、「マスメディアはすでにネットに負けていた」と思う人もいるかもしれない。

 たしかに、90年代にインターネットの商用利用が開始されてから、この20年。マスメディアとネットの戦いは、常にマスメディアの敗北の歴史だった。だから、「いまさら、メディアがネットに負けたと言われてもなあ」と感じるかもしれない。しかし、そうではない。

 今年の「メディアの敗北」の意味は、“決定的”という意味だ。第二次世界大戦になぞらえて言えば、ミッドウェーなど南方戦線で次々と日本軍を打ち破り沖縄にも上陸した米軍が、ついに東京を空襲し焼け野原にしたみたいな話。あるいは連合国側がノルマンジーに上陸した、あるいは有志連合とISISの戦いでモスルが陥落したような話なのだ。

 そのことを象徴することが、先日の「衆院選」であり、「ゆうこす」の登場だ。ダイヤモンド・オンライン(DOL)の読者には「ゆうこす」のことはあまり馴染みがないかと思うが、カリスマ的な影響力を持つ女性インフルエンサーのこと。詳しくは後述する。

テレビ・新聞が黙殺した
「不都合な真実」

 まず衆院選だが、今回の選挙では、産経新聞を除くテレビ、新聞のマスメディアによる反安倍キャンペーンは常軌を逸するものだった。いわゆるモリ・カケ問題報道以来、(産経以外の)マスメディアは総力を挙げて安倍総理叩きを繰り返してきた。本稿では政治的な話をするつもりはないが、客観的に見てもその偏向ぶりは凄まじいと思う。

 たとえば、7月の閉会中審査をめぐる報道。前川前文部次官と、前愛媛県知事の加戸氏が証言台に立ったが、テレビ報道では加戸氏の証言は事実上黙殺。ちなみにDOLでは、内閣府国家戦略特区諮問会議の民間議員を務める八田達夫氏(公益財団法人アジア成長研究所所長)による重要な証言記事(下記)を掲載しているが、こちらもテレビ、新聞の多くが実質的に黙殺している。

 ◎参考記事: 「加計学園の優遇はなかった」内部から見た獣医学部新設の一部始終

 欧米のニュースメディアでは、自分たちの主張と違う意見や、都合の悪い事実も併記して議論するというスタンスはまだ残っている。たとえば、禁煙を啓発する記事の中でさえ、アメリカの国立癌研究所が公表している「副流煙と肺がんの関連性は認められない」という論文の存在についても言及し、そのうえで禁煙について論じる。

 しかし、日本のメディアが禁煙論議する場合、このような論文が権威ある公的機関から発表されているという事実を黙殺することが多い。こうした、自分たちに都合の悪い情報を黙殺・封印する報道は、国民の知る権利を侵害する、ある意味でメディアとしては“自殺行為”であるにもかかわらず、日本のテレビ・新聞はまるで「知らせない自由」という権利があるかのように振る舞っているようにも見える。