ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

私が大統領だったら――
空気を読まず徹底議論の
姿勢がリーダーを育てる

加藤嘉一
【第5回】 2012年10月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

格言にぴったりの日本語訳

キャンパスの至る所で見る事ができる「Ask What You Can Do」 Photo by Yoshikazu Kato

 毎日、キャンパスに入るたびに目に飛び込んでくるハーバード大学ケネディースクールのモットー「Ask What You Can Do」(あなた自身に何ができるのかを問おうではないか)。1961年1月20日、ケネディ大統領の大統領就任演説における一節であり、歴史に刻まれた、心に響く格言だ(本連載第1回参照)。

 今まさに、「Ask What You Can Do」は世界中の誰もが意識すべき言葉だと私は思う。なぜなら、気候変動や核問題、経済政策やエネルギー政策などのグローバルイシューに挑む真のリーダーを、国際社会は生み出せていないからだ。各国の各人が、グローバルイシューの解決を他人任せにするのではなく、自ら何ができるかを問う時代に突入していると感じている。

 この勇気を与えてくれる言葉を、もっと多くの日本人、特に若い世代に知ってほしいと思い、適切な日本語訳はないかと考え込んだ。前述したような直訳ではなく、日本人の心に沁みこんでいくような、スマートな言い回しはないかと。

 数日間考えた後、とんでもない事実に気づいてしまった。答えは、いつもそばにある。あれこれ試すことも大切だが、結局は、足元を見ろということだろう。ピッタリの文言が身近に存在していた。「だったら、お前がやれ!」である。

ケネディースクール暗黙のルール

 マイケル・サンデル教授について書いた第4回コラムで、「ハーバードに来てから日々感じているが、ここでの講義はとにかく参加型だ。学生たちはどんどん挙手をして、講師に問題意識をぶつけていく。空気なんて読まない。納得いくまで語り合う。講師は教える側というよりも、単なるインストラクターでしかない。主役はあくまでも学生たちだ」と言及した。

 ケネディースクールには先進国、途上国を問わず、世界各国から学生が学びに来ている。皆、公共政策に関心を抱き、教室やキャンパス内で、とにかく意見を主張しまくる。他人の主張にも耳を傾ける。そこには、「徹底的に議論すること」が唯一の使命であるかのような空気が漂っている。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
「われ日本海の橋とならん」(ダイヤモンド社)

人の波がぶつかりあい、時代のエネルギーが炸裂する。アジアでいちばん激しく、生命力があふれた国、中国。その中国で「もっとも有名な日本人」となった著者が、内側から見た人にしかわからないリアルタイムの中国を語ります。そこから見えてくるのは、中国、日本、世界の現在。日本は、そして日本人は、これからいったいどこへ向かえばいいのか。私たちの課題もみえてきます。

話題の記事

加藤嘉一 

1984年生まれ。静岡県函南町出身。山梨学院大学附属高等学校卒業後、2003年、北京大学へ留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。北京大学研究員、復旦大学新聞学院講座学者、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)を経て、2012年8月に渡米。ハーバード大学フェロー(2012~2014年)、ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院客員研究員(2014〜2015年)を務めたのち、現在は北京を拠点に研究・発信を続ける。米『ニューヨーク・タイムズ』中国語版コラムニスト。日本語での単著に、『中国民主化研究』『われ日本海の橋とならん』(以上、ダイヤモンド社)、『たった独りの外交録』(晶文社)、『脱・中国論』(日経BP社)などがある。

 


加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る

「だったら、お前がやれ!」

 この言葉が意味すること、それは「対案の無い無責任な批判はするな」ということだ。「自分はどう考えるのか」、そして「自分は具体的にどのような行動をとるのか――」。何かに意見するとき、加藤氏は必ず自らに問いかける。加藤氏の行動規範としているものだ。
日本社会に蔓延る無責任な論評を、加藤氏の視点で切り込み、加藤氏なりの対案や考え方を示してきた本連載のシリーズ第2弾。2012年8月に加藤氏が拠点を中国北京から、米ハーバード大学ケネディースクールへ移し、新たなチャレンジをスタートさせる。2012年4月から8月までの第1弾とはひと味違う、加藤氏の言葉をお届けする。

「加藤嘉一の「だったら、お前がやれ!Ⅱ」思考停止のニッポンをぶった切る」

⇒バックナンバー一覧