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逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の34 悩める若者に与える荘子の言葉
弱者が強者に転ずる生き方の試み

江上 剛 [作家]
【第34回】 2013年2月4日
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 中国では老荘思想という老子や荘子の道家思想が、孔孟思想という孔子や孟子の儒家思想の対極として存在し、日本にも大きな影響を与えてきた。

 孔子や孟子の思想が、秩序を重んじるとすれば、老子や荘子の思想は、自然のあるがままということになろうか。

 老子のことについては何度か触れたので、今回は荘子について書いてみる。

 彼は、老子よりも気宇壮大というか、話が大きい。老子のように身近な感じはしないけど、悩める若い人の指針になる言葉は見つかるだろう。

一貫している「因循主義」

 ちょっとその前に荘子について。

 「荘子の人生哲学は因循(いんじゅん)主義で一貫している。そして、それを基礎づけるものが万物斉同の哲学であった」(『荘子』 金谷治訳注 岩波文庫。以下、同じ)。金谷氏によると、因循というのは、因り循(したが)うことで、人間を超越する、万物の根本に従う生き方というようなことを意味するようだ。

 こういうと運命に従うという消極的なものと受け止められがちだが、そうではなく絶対的な逃れられない運命を自覚することで、「弱者がぎりぎりの底からたくましい強者へと転ずること」(金谷治)だ。老子で言えば、「人の生まるや柔弱」ということで、弱いものほど強いということになろうか。

 その因循主義は、万物斉同哲学によるものだ。それは人の対立や差別、たとえば美醜、善悪、生死などは真の姿ではなく、そもそもそんなものは存在していないという哲学だ。

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江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

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