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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【ウェス・モンゴメリー「インクレディブル・ジャズ・ギター」】
ジャズ界に“ギター革命”を起こした2人の主人公

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第95回】 2014年10月2日
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 人の世の不思議は、人との出会いです。

 ビートルズが軽やかに歌う“ハロー・グッドバイ”には、そんな人生の真理を見る思いがします。だって、人生の99%は、出会いと別れで出来ているのですから。

 そして、如何に優れた才能であっても、その才能を見出し、世に送り出す良きパートナーとの出会いがなければ埋もれてしまいます。何故ならば、世に衝撃を与えるような偉大な才能は、世間の常識や既存の尺度では測れないものですから。

 と、いうわけで、今週の音盤はウェス・モンゴメリー「インクレディブル・ジャズ・ギター」です(写真)。

ギター革命は如何に勃発したか

 この音盤は、ジャズ史に残る真に偉大な業績のひとつです。ジャズの世界では、はっきり言ってギターはマイナーな存在でした。が、この一枚の音盤こそがギターの潜在力を顕在化させ、表現の地平線を大きく拡大したのです。

 それ故、この音盤の主人公は当然のことながら、信じ難い(incredible) 超絶技巧を持つギター奏者ウェス・モンゴメリーです。しかし、ジャズ専門のレコード会社リヴァーサイドのプロデューサーだったオリン・キープニュースというもう一人の主人公と出会わなければ、この音盤は誕生していません。

 しかし、その出会いは、今にしてみれば必然、いや運命だったと言い得ます。何故ならば、僕たちはその出会いが生んだ傑作の数々を全て聴くことが出来るから。そこに至る偶然の重なりの数々は、人生の神秘すら感じさせる大変興味深いものです。

 実は、ウェスとオリンは同年齢、しかも誕生日は4日違いです。ウェス・モンゴメリーは1923年3月6日、米国中西部のインディアナ州インディアナポリスに生まれました。オリン・キープニュースは、その4日前の3月2日、ニューヨーク市ブロンクスに生まれています。この二人が運命的に出会うまでには36年と6ヵ月余を要することになります。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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