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安倍政権を支える右翼組織「日本会議」の行動原理(下)

「日本会議の研究」著者・菅野完氏インタビュー

ダイヤモンド・オンライン編集部
2016年5月20日
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>>(上)より続く

──ミソジニー(女性蔑視)ですか。とはいえ、彼らは堂々とそれを標榜しているわけではないですよね。

すがの・たもつ
著述家。1974年、奈良県生まれ。一般企業のサラリーマンとして勤務するかたわら執筆活動を開始。退職後の2015年より主に政治経済分野での執筆を本格化させる。

 でも、従軍慰安婦も歴史認識も、みんなミソジニーが根底にあると考えれば、全部納得いくんです。従軍慰安婦問題で、彼らはよく「もう済んだ話をほじくり返すな」と言いますが、あれは日常の居酒屋用語に直すと、「素人娘ならまだしも玄人女がなぜゴタゴタ言ってるんだ」というのと同じなんですよ。

 ところが、組織としては日本会議は実に男女平等なんです。組織形態を見ると性役割分業が極めて少ない。例えば、夫婦別姓反対の大集会などで前面に立つのは、櫻井よしことか、市田ひろみとか、大体女性ですよ。表看板だけでなく、運動の裏方も女性が目立つ。そういう人たちが「夫婦別姓は夫婦関係を壊す」とか言っているわけです。

 一方、左翼側の組織で目立つポジションにいるのは、男。運動の足腰も男。なんとも歪な感じがするんですね。また、「女のくせに黙ってろ」「若い奴は引っ込んでろ」といった言い方は、むしろ左翼の団体の方から聞くことが多いです。

──そういえば、左側の女性は「われわれ女性として」「女性の立場から」などの表現をよく使いますが、右側の人からはあまり聞かないですね。

 日本会議の主張する政策は、ジェンダーバイアスが掛かりまくりだし、性役割分業を前提とする社会を実現しようとしているのは間違いない。でもその運動を推進している団体は極めてジェンダーロールが少ない。左は「ジェンダーロールをなくそう」と言いながら、運動体はバリバリのジェンダーロールでやっている。その矛盾に本人たちは気づいてないんですね。

左翼の人たちは革命幻想を夢見過ぎ

──バランスをとっていくには、左翼がもっと頑張らないといけませんね。

 本当にそう思います。少なくとも、社会人として当然の実務能力や折り目正しさを持ち合わせていない人が多すぎる。たとえば、自己主張なのか何なのか知らないけど、公の場所に頭にバンダナを巻いて来たり、寝癖つけたままデモに参加したりね。サラリーマンならわかるでしょうが、どんなに仕事ができても、そうした折り目正しさがなければ評価されないじゃないですか。それがいいか悪いかは別として、日本の社会はそう動いているんだから。社会を変えるには、まずは乗っからないといけない。

 そういうところを見ると、左翼の人はどこかでやっぱり、革命幻想というか、ある日突然世の中が変わることを夢見過ぎていたんじゃないかと思います。

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