成功しているリーダーに「良い人」が多い理由

突き抜けて活躍している人は何が違うのか?
多くの人が気づいていない、もう一つのスキル

 25万8000円+消費税。これは弊社が主催する女性限定塾「トップセールスレディ育成塾」の受講料です。決して安くはない金額ですが、受講生の半数以上が自腹を切って受けに来ます。このように、私はこれまで数多くの「自ら学ぼうとする意思のある人」と出会ってきました。自己投資を惜しまず、自ら学ぼうとする姿勢には素直に好感を抱きます。ところが、そうした勉強熱心な方と数多く触れ合ううちに、皆さん何か大事なことに気づいていないのではないかと思い始めました。

 というのも、資格を取ったり、パソコンや英語の勉強をしたり、即効性のある営業テクニックを求めたり、今目の前にある仕事のためのスキルだけを習得しようとする人が少なくないのです。テクニカルなスキルはもちろん仕事において価値あるものですが、それが全てではありません。

 実は、ビジネスにおいてとても重要な意味を持つにもかかわらず、ビジネススキルとしてあまり認識されていないものがあります。それが、『ヒューマンスキル』です。

 ヒューマンスキルとは、人と人とのつながりで活きる能力、人間性や人格、人徳といったものです。ビジネスには「良い人」かどうかは関係ない、と思われがちですが、ビジネスが人と人とのつながりで成り立つ以上、このヒューマンスキルはどんなシーンにおいても欠かせない重要なスキルなのです。

 まず、下の図を見てください。これは、ハーバード大学のロバート・カッツ教授が提唱した「カッツモデル」という図式で、マネジメントに求められる能力を階層別に表したものです。

◆図1 カッツモデル

成功しているリーダーに「良い人」が多い理由ロバートカッツ教授(ハーバード大学)が提唱した【カッツモデル】

 縦軸が階層、横軸は求められる能力を記しています。

 例えば、まだ役職が低いころは、テクニカルスキルの占める割合が多いですが、役職が高くなるにつれて、実務能力よりも、物事の本質を見極める能力が問われるようになります。

 さて、みなさん気づきましたか?実はこの図、「ヒューマンスキル」の占める割合はどの階層でも変わらないのです。