2018.5.30
物価上昇率1%前後なら追加緩和せず「我慢」すべき理由
消費者物価上昇率が1%前後で安定してきた。これは今の経済のもとで多くのエコノミストが予想するインフレ率と同じだ。日銀は追加緩和で動くのではなく、むしろ「2%目標」の修正を考える時期だ。
第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト
くまの・ひでお/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト。 山口県出身。1990年横浜国立大学経済学部卒。90年日本銀行入行。2000年より第一生命経済研究所に勤務。主な著書に『バブルは別の顔をしてやってくる』(日本経済新聞出版社)など。
2018.5.30
消費者物価上昇率が1%前後で安定してきた。これは今の経済のもとで多くのエコノミストが予想するインフレ率と同じだ。日銀は追加緩和で動くのではなく、むしろ「2%目標」の修正を考える時期だ。
2018.4.4
秋の中間選挙を意識してトランプ大統領が中国などの貿易赤字国への高関税措置を打ち出したが、「リスク」はそれだけではない。日本も「まさか」のシナリオが起こることへの準備をしておく必要がある。
2018.2.7
5日の米国株式市場が「過去最大の下げ幅」になるなど、日本や欧州でも連鎖安になり、低金利を背景に上昇を続けてきた株式市場は一転、世界同時株安に見舞われた。08年の「リーマンショック」の再来になるのか。鍵を握るのはFRBの舵取りだが、新…
2017.12.13
好況の実感が乏しい長い景気拡大と企業の高収益が続くのは、企業が、売り上げ増が期待できない中で、賃金や経費などの固定費を抑えて収益基盤を強くする不況期と変わらぬ経営になっているからだ。
2017.10.18
政府の「人づくり革命」は選挙や予算獲得を意識して打ち出された感が否めない。重要なのは、人を大事にする日本的経営を引き継ぎ、これまでの人材育成手法を時代の変化に合わせたものに変えていく企業の「人づくり改革」だ。
2017.8.23
人口減少のもとで成長を続けるには生産性を高めることが必要だが、その二つの方法のうち大事なのは、新しいことに挑戦して稼ぎを増やすことだ。そのためには成功確率の高い仮説作りや収益機会を探すコストを少なくして、「不確実性」を管理すること…
2017.6.28
日本銀行の量的緩和策の縮小が始まれば、長期金利急騰などの混乱を懸念する声もあるが、企業の設備投資資金などの需要は落ちていてお金は余っている。金利が上がりにくい経済構造に変わっているが、心配なのは低金利のもとで政府が財政再建をさぼる…
2017.5.1
企業の成長で大きなポイントになってきた人材や技術力、組織文化などの「無形資産」が財務諸表には載ってこない、という「盲点」が日本経済の成長のネックになりかねない。「バランスシート」が“過小評価”されて、十分な融資を受けられずに成長の…
2017.3.22
黒田東彦総裁の任期切れまで約1年となっている。次期日銀総裁が選ばれる時期が任期の2018年4月よりも手前だとすれば、次期総裁の決定まで1年間を切ってしまったと考えたほうがいい。どんな人物が好ましいのか。
2017.2.22
しばしば人口減のなかでの「生産性上昇」が論議されるが、具体的な経済政策の内容まで突っ込んで言及されるケースが少ない。実際にはどうしたらよいだろう。
2017.1.25
トランプ大統領が1月20日に正式に就任。就任初日にいくつかの基本政策が発表された。今後の優先政策となるものだから整理して、それによって導かれる結果を考えてみたい。
2016.12.14
イベントリスクを挙げると、きりがないというのが2017年を臨む現在の状況である。ならば、現在から見通すことのできる経済の変化について、2017年のチャンスになりそうだと思える点を中心に考えてみたい。
2016.11.16
米国次期大統領にトランプ氏が決まり、日本経済の未来に暗雲がたちこめている。目下の焦点は、TPPの行方である。米国が抜けるのであれば、多くの国々における貿易連携の相乗効果が失われる懸念がある。
2016.10.19
日銀の黒田総裁の任期はあと残り1年半を残して、総括的な検証を行った。そこでイールドカーブ・コントロールを打ち出した本当の狙いは、国の利払費を先々まで最小限に抑えることではないかと考えられる。
2016.9.21
2014年春以来、消費の低迷がずっと続いている。この間、勤労者世帯の給与所得はプラスの伸びになっている。どうして家計所得が増えているのに、消費が増えないのだろうか。
2016.8.24
経済発展と人口減少社会を両立させる方法はある。省力化を強力に進めながら、生産性を高めるという道である。変化に柔軟な社会をつくることが、解決への道である。
2016.7.29
道で大金が入った封筒を拾ったとしよう。あなたはそのお金をどうするか。実際は、ただで得られるお金など、世の中に存在するはずがない。それを拾ったら、どこかで必ずツケが回ってくる。今議論されているヘリコプターマネーが、まさにそれだ。
2016.6.29
6月23日の英国の国民投票は、大混乱の引き金になった。多くの人にとって、リーマンショックを彷彿とさせる出来事に見えるだろう。しかし、その連想は正しくなさそうだ。実体よりも見えない不安に駆られる市場心理の背景を読み解こう。
2016.6.1
安倍首相は消費増税延期を表明する構えだ。もしもそうなれば、様々な政策プランが組み直されることは必至だ。とりわけ、日銀が導入したマイナス金利政策は、その意義を考え直す必要に迫られるだろう。増税延期によって逆作用が始まるからだ。
2016.4.28
日本の経済成長率を加速させるためには設備投資の増加が必要という言い分は、マクロ的な観点に立ったときの成長条件ではあるが、個々の企業にとっての合理性とは必ずしも一致しない。今の日本にとって、設備投資を上向かせることは本当に可能なのか…
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