2020.5.12
コロナ長期化で雇用喪失100万人、「安定化基金」創設が急務に
新型コロナ問題の長期化で、来年半ばまでには100万人の雇用喪失が見込まれる。数十兆円規模の「雇用安定化基金」を創設、企業の資金繰りや雇用維持支援、休業所得補償、働き方の変化などの構造改革を支援することだ。
法政大学経営大学院(イノベーション・マネジメント研究科)教授 兼 日本総合研究所客員研究員
やまだ ひさし/1987年京都大学経済学部卒業、2003年法政大学大学院修士課程(経済学)修了。15年京都大学博士(経済学)。住友銀行(現三井住友銀行)、日本経済研究センター出向などを経て93年より日本総合研究所調査部出向。同経済研究センター所長、マクロ経済研究センター所長、ビジネス戦略研究センター所長などを経て11年より調査部長/チーフエコノミスト。17年理事、19年副理事長に就任し退任後、23年4月から現職。専門はマクロ経済分析、経済政策、労働経済。著書に「北欧モデル 何が政策イノベーションを生み出すのか(共著)、「市場主義3.0」、「デフレ反転の成長戦略『値下げ・賃下げの罠』からどう脱却するか」、「賃金デフレ」など。
2020.5.12
新型コロナ問題の長期化で、来年半ばまでには100万人の雇用喪失が見込まれる。数十兆円規模の「雇用安定化基金」を創設、企業の資金繰りや雇用維持支援、休業所得補償、働き方の変化などの構造改革を支援することだ。
2020.3.17
日本では集団的労使関係は大手の正社員に限られ、企業内労働組合のため「一企業での雇用維持」にこだわる特異な労使関係だ。賃金を下げても不採算事業を残そうとするので、低収益・低成長・低賃金の悪循環に陥っている。
2019.12.29
ほどなく「オリンピック・イヤー」が始まる。数十年後に振り返ったとき、2020年はどのような年として認識されるのか。そして、取り組むべき課題は何か。内外の経済で不透明感が続くなか、日本経済にかかる雲を吹き飛ばすための成長戦略の柱を考える…
2016.2.29
今年の春闘は、アベノミクスの成否ひいては日本の行く末を大きく左右する正念場だ。企業に賃上げ余力はある。一方で先行き不透明感が強いなか容易ではないのも確かだ。賃金抑制による縮小均衡を脱し、好循環を実現する方策は何か。
2015.11.19
日本経済の現状で懸念されるのは、所得面と支出面のギャップだ。このまま企業の慎重姿勢が変わらなければ、景気後退局面入りもあり得る。問題の背景には、政府の成長戦略に明確なビジョンとストーリーが欠けていることがある。
2014.8.18
成長戦略の本丸は雇用分野の改革だ。その点「日本再興戦略」は、概ね妥当な基本的な課題認識を示したが、改革の本命ともいえる「正社員改革」については踏み込み不足。賃金抑制を狙う「賃金限定正社員」が増加する懸念がある。
2014.1.7
2014年を予想する上で、ポイントは何か。消費税増税の実施、緊張高まる東アジア外交……。経営者、識者の方々に、14年を読み解くための5つののポイントを挙げてもらった。第2回は日本総研調査部チーフエコノミスト・山田 久氏。
2013.6.12
現段階でのアベノミクスは「未完の政策体系」である。成長戦略を効果的なものとするためには、従来型の供給力強化策が成長戦略の「前工程」であり、「後工程」として需要力強化策=家計所得増加策に取り組む必要があることを述べる。
2013.4.3
安倍政権の経済政策である「アベノミクス」は上々の滑り出しを見せた。だが、まだそれは「期待」を転換させつつある段階に過ぎず、政策体系としては未完成だ。本シリーズでは「建設的批判」の観点からアベノミクスの検証・提言を行っていく。
2012.10.31
最終回となる今回は、社会システムにおける社会保障システムのあり方を論じたうえで、わが国で「市場主義3.0」モデルを実現するための、政治プロセスの改革について提言する。
2012.10.17
前回、わが国でなぜ「市場主義3.0」の構築が必要かの理由を解説した。では、わが国における「市場主義3.0」の具体的な姿とどのようなものか。経済システム面と社会システム面に分けて論じていこう。
2012.10.3
わが国では「市場主義」は必ずしも人気のある考え方ではなく、その実現性についても疑問を持つ向きも多い。そこで、今回は、わが国でなぜ「市場主義3.0」が必要なのかについて改めて論じたい。
2012.9.5
市場主義「3.0」は「1.0」と「2.0」の双方の限界を同時に乗り越えようというモデルである。一方、少なからぬ新興国が採用しているのが「国家資本主義」モデルだ。中国、韓国を例にとって「国家資本主義」とは何かを分析し、わが国はどの道を進むべ…
2012.8.22
「市場主義1.0」および「市場主義2.0」は、経済システムにおける“市場原理の重視”に共通点を持つ一方、社会システムでは“市場原理重視vs政府介入重視”で、対照的である。実は90年代以降、現実には互いが接近する動きがみられている。その方向…
2012.8.1
EU統合後の欧州諸国が目指してきた経済社会システムが「市場主義2.0」。その原型となった北欧諸国のモデルは、実は我々の常識と違い競争促進的だ。一方、低生産性部門から吐き出されてくる人々を、新たな職にシフトさせることを強力に支援する点…
2012.7.18
「市場主義1.0」は市場原理尊重の考え方を世界の「常識」とする一方、格差拡大という限界に突き当たった。いま我々に必要なのは、「市場主義1.0」としての小泉改革の正当な再評価であり、新しいグローバル化時代に適合した社会システムを再構築する…
2012.7.4
本シリーズではいま我が国を覆う閉塞感を突破すべく、わが国が立脚すべき「国のかたち」を考えていきたい。第1回となる今回は、戦後世界における国家ビジョンの類型と、主題である「市場主義3.0」の意味するところを提示しておこう。
2011.9.16
野田新内閣は、「内」には原発事故を併発した東日本大震災、「外」には欧米のソブリン危機に直面している。この二つのがより重要なのは、日本が抱える構造問題を改めて浮き彫りにし、新内閣に対し、長年先送りされ続けてきた改革の断行を促している…
2011.6.10
東日本大震災による失職者は45万~65万人と試算される。多面的なルートで失職が発生しているため、対策もまたその要因に対応したものでなくてはならず、また、短期と中長期の対策に分けて考えなくてはならない。
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