株の割安度が簡単にわかると評判なのが、ダイヤモンド・ザイが3ヵ月に1度の割合で掲載している「理論株価」。現在発売中のダイヤモンド・ザイ5月号では、3月決算企業の第3四半期決算に基づく2017年3月期予想の修正と、本決算を発表した12月決算企業の2017年12月期予想を反映した最新版を掲載している。また、個別の理論株価とともに日経平均株価の理論株価も掲載しているので、市場全体の方向感を判断できるので便利だ。

今回は、ダイヤモンド・ザイの「理論株価」特集の中から、日経平均株価に採用されていて、実際の株価と理論株価の乖離が激しい「割高な株」と「割安な株」を紹介していこう。

日経平均株価の理論株価は3ヵ月前より上昇も、
実際の株価の上昇は止まらず割高度が拡大!

 株は割安な時に買って値上がりしたら売るのが基本。ただ、その割安の判断が難しい。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などで判断することもできるが、過去のデータやライバル企業と比較する必要があり、なかなか面倒で難しい。そこで役に立つのがダイヤモンド・ザイの「理論株価」だ。現在の株価が理論株価より安ければ割安、現在の株価が理論株価より高ければ割高と言うように、実に簡単に割安株を発見することができる。

 ダイヤモンド・ザイ5月号では個別銘柄だけでなく、日経平均株価の理論株価も算出。今回の日経平均株価の理論株価は1万8187円で、前回(ダイヤモンド・ザイ2017年2月号)の1万7770円より2.3%と、若干上昇した。ただ、実際の日経平均株価は、好調な米国株と円安傾向に牽引される形で前回の1万8274円から1万9469円と、6.5%も上昇した。この結果、日経平均株価はその理論株価よりも7%割高となり、前回より割高度は拡大した。

 日経平均株価指数は225銘柄で構成されているが、どの銘柄でも指数に与える影響が同じというわけではなく、株価が高い銘柄の影響を大きく受けやすい。特に、株価が3万7200円台(2017年3月3日現在、以下同)の「ファーストリテイリング(9983)」、2万2000円台の「ファナック(6954)」の株価動向は、日経平均株価を大きく左右する。前回同様、この2銘柄はいずれも割高。「ファーストリテイリング」の割高度は前回(180%)より若干減ったが、それでもまだ163%と高い。「ファナック」は前回(123%)より割高度が拡大、146%となった。

 日経平均全体で見れば、理論株価より実際の株価が割安なのは140銘柄、割高なのは81銘柄。赤字予想の「東芝(6502)」「三菱自動車工業(7211)」「日本郵船(9101)」と、横浜銀行と東日本銀行が経営統合した「コンコルディア・フィナンシャルグループ(7186)」は前年度実績がないために理論株価が不算出だった。

 銘柄の数では割安株の方が圧倒しているが、割安株の平均割安度が26%なのに対して、割高株の平均割高度は57%と、率では割高度のほうがはるかに上回っている。また、前回割高だった銘柄は83銘柄あったが、その平均割高度は42%で、割高度が15ポイントも上昇している。一方、前回の割安銘柄は132銘柄で、平均割安度は29%で、こちらは逆に3ポイントほど割安度が低下している。

 先述の「ファーストリテイリング」「ファナック」以外でも、「川崎汽船(9107)」や「千代田化工建設(6366)」 「キッコーマン(2801)」など、割高度が100%以上、つまり理論株価より実際の株価が倍以上も高い銘柄が8銘柄もある。こうした銘柄については、日経平均株価が上昇するにつれてさらに割高度が増す可能性があるので要注意だ。

◆日経平均採用銘柄で割高度が100%以上の8銘柄
  会社名 株価(3/3) 理論株価 割高度 最新の株価
1位  川崎汽船(9107) 308円 25円 1143%
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2位  千代田化工建設(6366) 731円 225円 224%
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3位 ファーストリテイリング(9983) 3万7270円 1万4185円  163%
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4位  ファナック(6954) 2万2440円 9117円  146%
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5位  キッコーマン(2801) 3435円 1504円  128%
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6位  明治ホールディングス(2269) 9040円 4276円  111%
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7位  アドバンテスト(6857) 2000円 946円  111%
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8位  エーザイ(4523) 6388円 3060円 109%
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※株価は3/3時点。

日経平均株価の採用銘柄で理論株価より大幅に割安なのは?
1位は1月末に業績予想を発表した「東京電力HD」!

 日経平均採用銘柄の中で理論株価が株価に対して50%以上と大幅に割安だったのは前々回(ダイヤモンド・ザイ2016年11月号)は19銘柄だったが、前回(ダイヤモンド・ザイ2017年2月号)は10銘柄とほぼ半減していたが、今回は12銘柄と若干ながら増加した。

 最も割安だったのは「東京電力ホールディングス(9501)」。前回は業績予想がなかったために理論株価が不算出だったが、1月31日に「通期の費用・収益等が見通せる情勢となった」(同社リリースより)ことから、2017年3月期の通期業績予想を発表。この数値を用いたところ、晴れて日経平均採用銘柄の中での割安度トップになった。

 以下、理論株価は前回と同じだが株価がやや下落して割安度が増した「スカパーJSATホールディングス(9412)」、2017年3月期予想が若干ながら上振れた「三井住友フィナンシャルグループ(8316)」「ヤフー(4689)」などと続く。「みずほフィナンシャルグループ(8411)」「三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)」など、12銘柄中6銘柄が銀行株というのは興味深い。それだけ依然、割安に放置されているわけで、長期的に見ればお買い得といえそうだ。

◆日経平均採用銘柄で50%以上割安な12銘柄
  会社名 株価(3/3) 理論株価 割安度 最新の株価
1位  東京電力HD(東1・9501) 433円 1783円 76%
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2位  スカパーJSATHD(東1・9412) 499円 1547円 68%
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3位 三井住友FG(東1・8316) 4453円 1万977円  59%
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4位  ヤフー(東1・4689) 530円 1284円  59%
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5位  みずほFG(東1・8411) 212.6円 506円  58%
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6位  三井造船(東1・7003) 187円 443円  58%
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7位  ふくおかFG(東1・8354) 522円 1188円  56%
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8位  三井住友トラストHD(東1・8309) 4134円 9245円 55%
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9位  双日(東1・2768) 293円 622円 53%
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10位  国際石油開発帝石(東1・1605) 1095円 2282円 52%
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11位  三菱UFJFG(東1・8306) 758.5円 1561円 51%
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12位  新生銀行(東1・8303) 208円 414円 50%
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※株価は3/3時点。

 最後になったが、理論株価の算出方法を紹介しよう。理論株価はその株の成長価値(予想1株益に将来の想定成長率を掛けて算出)と利益価値(予想1株益に将来利益の織り込み年数を掛けて算出)、そして資産価値(直近の1株純資産)を合計したもの。つまり、業績と財務のデータから算出している。

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