あえて分類すれば、政府に入っている主要な政治家・そのグループ、与謝野経済財政相、相当部分の民主党議員、それから昨夏の参議院選挙で10%の消費税率の引き上げを主張した自民党議員の相当部分が、本音ではこのような考え方を持っているといえる。公明党も、前者よりこちらに近いであろう。

2大政党の分かれ目

 この問題は、経済政策というより、わが国のあるべき「国の形」として、大いに議論すべき問題で、国民がどちらを選択するのかということである。選挙を通じて双方の見解がやり取りされ、国民が自ら選択して、多数決をとった方が責任政党としてその主張を実行する。これが本来の民主主義で、国民が選択する「分かれ目」となるアジェンダである。

 しかし、現実は、このような主義・主張が、政局の前で「ためにする議論」に置き換わっている。本来の主義・主張を離れて、些細なところや入口のところでいがみ合いを続けているのである。国民は、ただただ白けきっている。

 自民党は、そもそも消費税率引き上げで参議院選挙を戦い、震災直後に谷垣総理が復興は税負担の引き上げで、といったにもかかわらず、菅総理のもとでの増税論には反対する、といった政局に政策が押しのけられるといった状況が続いている。

 民主党内部も、政府の与謝野チームが、「社会保障・税一体改革のためには数%の消費税率の引き上げが必要」という結論を出しても、それを党のコンセンサスに持っていくことは、極めて難しい状況にある。

 ここぞとばかりに、総理の足を引っ張ろうという勢力が待ち構えている。低い国民支持率と地方選挙の敗北という状況が、いつ倒閣運動が起きてもおかしくない状況を作り出している。彼らはまた、自民党の一部勢力を結びつき、内閣不信任決議を担ぎ出すかもしれない。

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マニフェストで選んだ国民はだまされた思い

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