コンピュータに仕事を奪われる!?
AI脅威説は正しいのか?

夏目 もう店長いらないじゃん…。やっぱりAIはコンピュータだから正確だし速いし、人間は仕事を簡単に奪われちゃいますよね。

岡田 そんなことはありません。発注業務がなくなれば、その分、売場に「このおとうふはこんなお料理に」とPOPをつくったり、常連さんと話したり、といった、もっと人間的な仕事に時間を割くことができます。また、シフトも合理的になります。「この時間帯はなぜか来客数が増える」とわかればパートさんを増やし、店長さんの負担を減らすことができます。もちろんお客さんが少ないときはパートさんを減らして利益率を高められます。

夏目 なるほど…。だけど、賢くなりすぎたAIが反乱を起こして「本当にいらないのは、店長、おまえだったのだ!」とか言いだしたりしませんか?

岡田 しません。いや、人事評価をAIに任せればそういうこともあるかもしれませんが…。AIはコンピューターなので、「これをやっておいて」と指示されたことしかやらないんです。

 むしろAIは店長さんの心強い味方になるでしょう。例えば店舗内にカメラを設置します。AIはディープラーニングの結果、画像に写ったお客様の年齢や性別を判断します。また、画像に写っている人物の位置や経路を解析し、データ化します。すると、何歳くらいの方がどの棚を見ているとわかり、よりお客様の導線に合った棚づくりができます。

 また、期待して10個仕入れたシニア向け商品が3つしか売れなかったとします。でも、そもそもシニアの来客数が少ないなら、商品が悪いわけではなく、そのお店のコアターゲットは、シニアではないと考えられますよね。また、買ったお客さんが意外と若いとわかれば、それに応じた施策をとることも可能です。

 また「この商品は朝に、この商品は夕方に売れる」とわかれば、朝と夕方で棚の商品を変える、といった細やかな対応ができるかもしれません。AIが持つ経験とカンのほうが、人間より正確な結論を出せる場合もあるんです。かつては、こうした経験とカンを新入りの店長さんや、異動してきたばかりの店長さんに引き継ぐことはなかなか大変でしたが、AIを導入すれば、誰だって活用できます。これらはもちろん、お客様のためにもなることです。魅力的な商品と出会える確率が高くなりますからね。

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AIが店舗のスタッフのやる気を引き出す!?

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