台湾一人観光局 青木由香さん注目の“台湾なう”
歴史、グルメ、自然……
楽しみ尽きない台湾

あおき・ゆか 
神奈川県生まれ。2003年より台北在住。日本と台湾を行き来しながらテレビ・ラジオ出演、コーディネート、ライティング、講演などを通して台湾を日本に紹介。著書に『好好台湾』ほか。

 台北に暮らして8年、さまざまなメディアで台湾の魅力を発信している青木由香さんに大人が楽しめる台湾のお薦めスポットを聞いてみた。

「台北の青田街は日本統治時代に昭和町と呼ばれていたエリア。今も当時の木造家屋が点在しており、近年こうした建物を保護する動きが出ています。そのうちの一つ、「青田七六」(1)は元大学教授の住居を開放し、食事とお茶が楽しめる空間になっています。日本人が残した家を台湾の人が今も大切に守ってくれているのがうれしいですね。

 青田街と隣り合う永康街は、個性的な店が集まる街。路地の奥にある「e2000」(2)というお茶屋さんにぜひ寄ってみてください。緑の茂るファサードを進むと骨董家具が置かれた部屋にお茶が少しだけ並んでいます。ここのお茶は、老茶といわれるビンテージもの。お茶はワインと同様、生産年の気候や土地の状態、作り方で味わいが異なり、茶葉をいい状態で10年、20年と寝かすことでまた違った味わいが生まれます。時を経た年代もののお茶と同じ色の古い木のテーブルで、店主がていねいにお茶を紹介してくれます。

「青田七六」では、歴史を紹介する案内サービス(中国語・要予約)もある

 台北市郊外の蘆洲にある文化財「蘆洲李宅古蹟」(3)も訪れてみてほしい見どころの一つ。1857年に建てられた農村家族住宅で大家族が暮らしていたというだけあって60以上の部屋があります。台湾に漢民族が入ってきた頃の歴史に触れられる史跡ですが、ここで特別に台湾式の結婚式を挙げさせてもらったので、個人的にも思い出深い場所です。

 台北では多彩な料理が楽しめますが、私のお薦めは洗練された台湾家庭料理を出す「四知堂」(4)。台湾を代表する建築家である王大閎の自宅をリノベートした店舗で、アレンジした台湾料理を味わえます。おしゃれでおいしいだけではなく、旅好きの店主が海外で見つけたレアもののオリーブオイルやワインを料理に合わせていただけます。地鶏と野菜のサラダと米粉湯は、必ず注文してください。

「日月潭」は台湾最大の湖

 リピーターやご夫婦にお薦めなのが台湾中部に位置する日月潭。その美しさに蒋介石が避暑地として使っていたというのも納得の景勝地です。湖を周回するサイクリングロードを走ったり、台湾紅茶の名産地でもあるので茶畑を散策したり、思い思いに過ごせます。湖を取り込んだようなデザインで建てられた「涵碧樓」(ザ・ラルー)(5)というホテルにステイして日月潭を満喫してほしいですね。台湾にこんな素敵なリゾートホテルがあることを知っていただきたいです」(談)

(1)青田七六/台北市大安區青田街7巷6號
TEL:02-2391-6053(ガイド予約)
(2)e2000/台北市大安區永康街54號
TEL:0936-078-595
(3)蘆洲李宅古蹟/新北市蘆洲區中正路243巷19號
TEL:02-2283-8896
(4)四知堂/台北市濟南路三段18號1樓
TEL:02-8771-9191
(5)涵碧樓大飯店The Lalu/南投縣
魚池郷水社村中興路142號
TEL:049-285-5311