タキシードの需要が今、エグゼクティブの間で増えているという。そこで日本屈指の縫製工場として日本のスーツスタイルを支えてきた「ファイブワン」の森俊彦代表がタキシードについて対談した。

ファイブワンファクトリー
代表取締役
1964年創業。オーダースーツの縫製・販売、OEMを手掛ける。

ディー・ビー・エス 代表取締役
600人以上の会員から成る経営者団体「ダイヤモンド経営者倶楽部」の代表を務める。
年齢を重ねるごとに改まった席や式典に出席する機会が増えてくるもの。そんなシーンでのTPOへの配慮はビジネスパーソンなら必須だ。そこでタキシードのオーダーメードを展開するファイブワンの森俊彦代表取締役と、パーティーに出席する機会が多いというディー・ビー・エス徳力しげる代表取締役がタキシードについて対談した。
徳力 まず、基本的なタキシードとはどういうものなのか、教えていただけますか。
森 最もベーシックなものは黒いジャケットとパンツの組み合わせになります。ジャケットはピークドラペルと呼ばれる襟先が上に向かってとがっているもの、もしくはショールカラーと呼ばれる刻みの入っていない襟のもので、襟に拝絹というシルクの別布があしらわれているものもあります。
そこにウイングカラーシャツ、蝶タイ、カマーバンド、黒のストレートチップやエナメルシューズを合わせるのが基本です。
徳力 タキシードはどのようなシーンで着用するものなのでしょうか。
森 夜の準礼装とされています。この職に就いて10年になるのですが、それ以前に中国である式典に出席した際、ブラックタイというドレスコードがありました。ブラックタイとは、黒のタキシードに蝶タイといういわゆるフォーマル仕様でいらしてください、ということです。すぐに探しに行ったのですがなかなか見つからず、結局借りたんです。
その後、私も購入し、チャリティーパーティーやコンサート、オペラなどの催しに着ています。海外のそういったシーンではタキシードをお召しの男性がとても多いです。最近は国内で開催されるパーティーでもブラックタイの場合が多くなり、急な招待にも対応できるよう男性がそろえておくべきアイテムの一つとなっているな、と実感しています。
上質でサイズの合ったものをオーダーで手に入れたい
徳力 やはり1着は持っていたいものですね。私はスタンダードな黒のタキシードを持っており、蝶タイやカマーバンドを複数そろえて、オフィシャルな席から結婚式まで着るシーンによって使い分けています。その他に選ぶときの注意点などを教えていただけますか。