• 決算と将来性は良好
10月30日に発表された第3四半期(7-9月期)決算は好感され、株価は翌日4%上昇した。第2四半期の決算発表後は19%の急落に見舞われたが、今回は売上高こそ市場予想に若干届かなかったものの、利益が予想を大きく上回った。それ以上に大きかったのは安定化だ。1日当たりの平均アクティブユーザー数は米国とカナダで前四半期比横ばい、欧州での減少幅も1%未満にとどまり、全世界では1.6%伸びた。これは朗報といえるだろう。なぜならフェイスブックの成長は新規ユーザーの獲得でなく、既存メディアからインターネットへという緩やかながら世界的な広告マネーのシフトが、今後も続くかどうかの一点に懸かっているからだ。
第3四半期にフェイスブックは、ユーザー数の微増を前年同期比34%の増収(為替調整後)に変えた。伸びは鈍化しているものの、それは想定内であり、市場を安心させたのは二階微分値、つまり変化率の変化率(グラフの傾きの変化)だった。前年同期比の増収率は第2四半期から第3四半期にかけて3%ポイント低下したが、低下幅は第1四半期から第2四半期にかけての5%ポイントに比べて小さくなった。長期的には、増収率は今後2年で20%台前半、その後は10%台まで落ちるというのが一般的な見方だ。それでも、400億ドルの現金や短期投資を保有し、自社株買いを進めている同社の1株当たり利益(EPS)は十分に増加するはずだ。
ただし、それは来年度の話ではない。フェイスブックは営業費用をいったん40%~50%増やし、2020年に費用の伸びを増収率程度に戻す計画で、ウォール街は来年度のEPS増加は最低限にとどまると予想している。支出の向かう先は批判者の望むセキュリティー対策や書き込み監視の強化、さらには映像系のベンチャーや就活・出会いなどのコミュニティーサイトの買収だが、リスクを伴う広告シフトも戦略に入っており、注意が必要だ。



