海外旅行ができない分、国内旅行ブームに
台湾の人たちは海外旅行が大好きだ。それが。今は海外へ行くことが難しい状況なので、少々ストレスが溜まっているようだ。
新型コロナの影響で一時期は台湾内も自粛ムードだったが、現在は「台湾内は安全」ということで、これまで抑制されていた旅行意欲を抑えきれず、台湾ではちょっとした国内旅行ブームとなっている。
平日でも高速道路のサービスエリアは観光バスでいっぱい【撮影/上田尾一憲】台湾の観光業界は近年、政治的な問題もあって中国からの観光客がなくなり、さらに新型コロナの影響で、かなり大変な状況まで落ち込んだ。そんな中、早期から新型コロナの封じ込めに成功し、さらに政府による旅行補助などもあり、海外旅行へ行けない台湾人たちがこの期に国内旅行を楽しむようになったのだ。
これまで台湾の国内旅行といえば中国からの団体客が多く、どちらかというと低単価で多くの客をこなすため、単調で質の悪い内容の旅行プランが多かった。そのため、結局価格競争が進み、質が低下していくという悪循環に陥っていた。
それが、この国内旅行ブームに伴い、各観光地や旅行会社は、どうすればより多くの観光客を得られるかを考え、色々なプランを提供してきている。しかも、海外旅行へ行きたい人たちが質の悪い国内旅行プランで満足するわけもなく、旅行会社はそれらの客層に向けて様々なプランを作ったり、各観光地も改めて自分たちの良いところを探してアピールするようになってきた。
それらの影響もあってか、多くの人が快適で質の高い国内旅行プランを選ぶ傾向があり、5ツ星や4ツ星の高級ホテルから予約が埋まるようになってきた。
星野グループが、新型コロナ発症前の2019年6月30日にオープンさせた台中谷關の高級リゾートホテルは各部屋に源泉かけ流しの温泉がついており、値段も相当高価なのだが、今年(2021年)の9月まで満室で、予約がとれないくらいの人気だ。
その他、きれいでおしゃれなキャンプ場のテントに泊まり、食事は参加者同士でワイワイと野外でのバーベキューを楽しみながら、新しい出会いを求められる行動型プランも人気という。
今こそ、「日本に行きたい」台湾人へのプロモーションを
台湾は新型コロナウイルスの感染を見事に封じ込め、新型コロナ対策の成功例として世界から注目されている。そして、この時期に台湾人自身が台湾の魅力を再認識し、コロナ収束後は「観光国」を目指し、「観光対策の成功例」として世界的に注目されるよう頑張っている。
一方、今、台湾人の間には「日本に行きたくてしょうがない病」が流行りつつあるように思う。私の周りでもコロナが収束したらまず日本に行って、美味しいものを食べて買い物したいという人は多い。とにかく日本に行きたくてウズウズしている人がたくさんいるのだ。
日本の地方観光地はこの時期だからこそ、訪日インバウンドのプロモーションを行なって、台湾のみなさんに色々と知ってもらう必要があると思う。
例えばオンライン旅行を開催して、地元の観光地や特産品を紹介し、コロナ後に実際に遊びに来てくれたお客様がサービスを受けられるクーポン券や割引券を発行したり、最後まで参加してくれたお客様には参加賞としてちょっとしたお土産(紹介パンフレットと一緒に)を送ってあげるなどすれば、多くの人に参加してもらえるだろう。
うまくいけば特産品をオンラインで購入してくれるかもしれないし、何より効果的な宣伝になり、次はそこに行きたいという気持ちをより一層強くしてもらえるかも?
1日でも早くコロナが収束し、また海外旅行が普通に楽しめる世界に戻ること、そして台湾も日本も中国も平和であるよう強く願います。
(文・写真/上田尾一憲)
1976年、広島県出身。湖南省の中南大学大学院在籍中に邱永漢氏と出会い、卒業を待たず、2005年から氏が亡くなる2012年5月16日まで秘書として中国ビジネスと中国株を直接学ぶ。その後、安徽省合肥にて安徽坤地農業科技有限公司総経理、不動産デベロッパー国耀集団投資発展副総監、深セン東方銀河投資発展有限公司総経理を経て、2014年より拠点を台北に移す。現在台北にて永漢文教機構の教育ビジネスや飲食店などの管理を行ないながら、更なるチャンスを求めてアジア各地を飛び回っている。




