今週に入って日経平均株価は上昇しています。8月23日の日経平均株価は3日ぶりに大幅反発し、前週末比480.99円高の2万7494.24円で取引を終えました。8月19日に前日比304.74円安、翌20日に同267.74円安と2日間で572.66円も下落していたため、リバウンド狙いの買いが幅広い銘柄に入った結果です。また、8月22日に市場が注目していた横浜市長選挙というイベントを通過し、イベントリスクが低下したことも買い材料になったようです。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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一方、8月23日のNYダウは続伸し、前週末比215.63ドル高の3万5335.71ドルでした。また、ナスダック総合株価指数は3日続伸し、同227.989ポイント高の1万4942.652ポイントと過去最高値を更新しました。
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ナスダック総合株価指数チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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8月23日は、米国の食品医薬品局(FDA)が、米国のファイザー(PFE)とドイツのビオンテック(BNTX)が共同開発したワクチンを正式承認したことが買い材料となりました。米国で新型コロナウイルス向けワクチンが正式承認されたのは初めてのことです。株式市場では、正式承認により未接種者の不安が軽減され、企業や学校などでワクチン接種が進むとの期待が高まりました。
この米国株上昇の流れを受け、8月24日の日経平均株価も上昇し、前日比237.86円高の2万7732.10円で取引を終えました。
株式市場では、8月27日にパウエルFRB議長が
テーパリングについて発言するかどうかに注目!
8月18日に公表された7月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で年内のテーパリング(量的緩和の縮小)開始が示唆されたにもかかわらず、足元の米国株は非常に強い動きを続けています。
8月27日にはジャクソンホール会議がオンライン開催され、パウエルFRB議長が講演する予定です。ここで議長が、テーパリングの開始に向けて決定時期や具体的な手法に関する発言を行うか否かに注目が集まっています。このため、米国株は議長の発言が終わるまで、やや神経質に動くと見ています。
ちなみに原稿執筆時点(8月24日)では、テーパリング開始の発表について、市場では9~12月で見方が割れているようです。例えば、ゴールドマンサックスは「テーパリング開始について11月に正式発表する前に、9月のFOMCで予告する」と予想しています。
厚生労働省と東京都の要請に対して医療機関が応じた場合、
株式市場にとっても非常にポジティブに作用!
一方、日本では、厚生労働省と東京都が8月23日、改正感染症法に基づいて都内の全医療機関に対し、新型コロナウイルス患者の受け入れや医療従事者の派遣を連名で要請しました。医療の逼迫緩和に向けて、行政がようやく動いたわけです。
今回の厚生労働省と東京都の要請に対する回答期限は8月31日です。この要請に対して多くの医療機関が応じるようなら、株式市場にとっても非常にポジティブに作用することでしょう。逆に、この要請に応じる医療機関が少ないようなら、東京都内の自宅療養者数は減らず、現状の重苦しい雰囲気が継続する見通しです。
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このような状況下、菅義偉首相は8月23日、北海道と愛知県、岐阜県、三重県の各県から緊急事態宣言の適用要請が出ていることに対し、その対応を関係閣僚と話し合ったと伝えられています。仮に、緊急事態宣言の対象地域を拡大する場合、8月25日にも専門家に諮る方向で調整に入るそうです。おそらく、対象地域は拡大されるのでしょう。当然、これは経済正常化を阻む対応のため、株式市場にはネガティブに作用することになります。
「自民党総裁選挙」と「衆議院選挙」が
今後の日本株に最も影響を与えるイベントに
なお、今後の日本株に最も影響を与えるのは「国内政治動向」だと見ています。
市場が注目していた横浜市長選挙は8月22日に投開票され、立憲民主党が推薦する山中竹春氏が当選し、菅義偉首相の推す元国家公安委員長の小此木八郎氏が大敗しました。この秋に衆議院選挙を控え、自民党内では「菅首相が顔では戦えない」とのムードが一段と強まったと思われます。
このため、次の政治的な注目イベントは「自民党総裁選挙」ということになります。総裁選は9月17日告示、29日投開票の日程で調整が進められているようです。
そして、最後の政治的な注目イベントは「衆議院選挙」です。菅義偉首相は、自民党総裁選挙に勝利して求心力を回復したうえで、間を置かず10月に衆院解散に踏み切る案を検討していると思われます。
このような国内政治のスケジュールを考えると、衆議院選挙の結果が判明するまでは、日本株の調整が続くことを覚悟しておく必要があるでしょう。
日経平均株価が中長期的に強気に転じるには、
75日・200日移動平均線を安定的に上回ることが必要
8月23日の日経平均株価は前週末比480.99円(1.78%)高の2万7494.24円と、3日ぶりに大きく反発しました。テクニカル的には、5日移動平均線(23日現在2万7359.80円)を上回りました。このまま5日移動平均線を上回って推移する限り、8月20日につけた年初来安値2万6954.81円を起点にしたリバウンドが続くと考えています。
日経平均株価チャート/日足・3カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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しかし、上方には75日移動平均線(同2万8363.49円)、200日移動平均線(同2万8131.85円)が控えており、依然として「チャートが悪化した状況」が継続しています。
中長期的に強気に転じるためには、75日移動平均線および200日移動平均線を安定的に上回ってくることが必要です。逆に、75日移動平均線と200日移動平均線を下回って推移している間は、慎重なスタンスで運用を継続するべきです。
一応、現時点においては、8月20日の2万6954.81円が「目先の底」になったというのがメインシナリオです。しかし、75日移動平均線と200日移動平均線を下回って推移している間は、なんらかの悪材料が発生した場合、投資家心理が著しく悪化して下値不安が強まり、2万6954.81円を割り込むことも十分あり得るとも見ています。一方、当面の「戻りメド(上昇の目安)」は75日移動平均線となります。
日経平均株価が不安定な値動きを続ける間は、
「低PER・低PBR・高配当利回り」の銘柄に絞り込もう!
現在のように不安定な相場局面では、「株価が下落してバリュエーション面で割安感が出たら、国内外の機関投資家からの買いが見込める銘柄」だけを投資対象にしましょう。具体的には、流動性が高い大型株のうち、今期の業績が増収増益見込みで、「低PER・低PBR・高配当利回り」の三拍子の揃った、株価の下値硬直性が見込める銘柄です。つまり、全体相場が大きく下げたときのドローダウン(値下がり)が小さい銘柄に投資対象を絞り込みましょう。
逆に、「高PER・高PBR・低配当利回り」の3拍子の揃った、株価の下値硬直性が見込めない銘柄はアンタッチャブルです。この手の銘柄は、相場全体が上昇トレンドを鮮明にしている状況のときだけ狙いましょう。
具体的には、少なくとも日経平均株価の5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線の3本が上から順番に並ぶ「パーフェクトオーダー」になるまでは、この手の銘柄には近づくべきではありません。なぜなら、全体相場が調整中は「守り重視の運用」、全体相場が上昇トレンド発生中なら「攻め重視の運用」を心掛けるべきだからです。攻めと守りを臨機応変に切り替えて、この難解な相場を上手に乗り切ってください。
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