「酸素濃縮装置」関連銘柄を紹介! 新型コロナの感染
再拡大に伴い、政府が自宅療養者を増やす方針を示し
たことで「自宅療養向けの医療機器」の需要が増加!

2021年8月13日公開(2021年8月13日更新)
村瀬 智一

 新型コロナウイルス感染症の変異株(デルタ株)の感染が拡大するなか、厚生労働省は8月2日、感染者が急増している地域では軽症者に加え、重症化リスクの低い中等症患者も基本的に自宅療養とする方針を示しました

 その後、「中等症の患者が入院できなくなり、重症化リスクが増える」など批判の声が上がったことから、8月5日になって田村憲久厚生労働相は「中等症は基本的に入院。軽症でも悪化の可能性が高いと医師が判断すれば入院だ」と説明。また、入院制限に関する事務連絡の文書も修正が加わりました。

 しかし、病床の逼迫が著しい状況を踏まえると、自宅療養を増やしていく基本方針は今後も維持されると見られます。データを見ても東京都内の自宅療養者の数は急増しており、8月1日時点で1万1018人だった自宅療養者数は、8月12日時点で2万726人にまで跳ね上がりました

自宅療養中の症状悪化に備える医療機器のうち、
酸素吸入の際に使われる「酸素濃縮装置」に注目!

 自宅療養者の増加により需要が増えると考えられるのが、自宅療養中の症状悪化に備えた医療機器です。一部報道でも、医療機器各社が自宅療養向けの機器を増産する動きが報じられています。例えば、ダイキン工業(6367)は、酸素濃縮装置の生産量を2021年度に前年度比で2.5倍にまで増やすとのことです。

 酸素濃縮装置とは酸素吸入の際に使われる医療機器で、空気中に含まれる酸素を濃縮して医療用酸素を作り出します。我々の周りにある空気は、窒素が78%、酸素が21%、二酸化炭素などその他の成分が1%で構成されています。酸素濃縮装置は、その中から窒素を除去することで、酸素濃度が90%以上にもなるガスを供給することができます。

 今回は、この「酸素濃縮装置」の関連銘柄に注目。酸素濃縮装置の製造や関連サービスを手掛ける企業をピックアップしました

 なお、「酸素濃縮装置」関連の代表的銘柄としては前出のダイキン工業が挙げられますが、報道されたことですでに株価が上昇していることに加え、1単元で約250万円と個人投資家には買いづらい面があるため、今回は除外しました。

【帝人(3401)】
酸素濃縮装置の運転状態をモニタリングするサービスを展開

 帝人(3401)のグループ企業で、医薬品事業と在宅医療事業をコア事業とする帝人ファーマが酸素濃縮装置を手掛けています。酸素濃縮装置の故障などのトラブルを予防・対応するため、運転状態を常時モニタリングする「HOT見守り番」も展開しています。株価は2月8日につけた高値2076円をピークに下落が続いていますが、1600円半ば辺りで下げ渋る動きを見せているので、押し目買いのスタンスで臨みましょう。

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帝人(3401)チャート/日足・6カ月帝人(3401)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【星医療酸器(7634)】
足元で株価が急騰したものの、PBRは1.05倍で割高感はなし

 星医療酸器(7634)は、医療ガス製造や介護福祉機器、医療用ガスメンテナンス、在宅医療事業などを展開。在宅医療事業では、酸素濃縮装置や小型で医療従事者以外でも操作できる人工呼吸器などを手掛けています。株価は、酸素濃縮装置の需要拡大への思惑から直近で急伸しています。短期的には過熱感が警戒される一方で、PBRが1.05倍と割高感はないので、押し目買いのチャンスを待ちましょう。

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星医療酸器(7634)チャート/日足・6カ月星医療酸器(7634)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【フクダ電子(6960)】
在宅医療の診療をサポートするシステム「f'Rens」を提供

 フクダ電子(6960)は、酸素濃縮装置や人工呼吸器などを手掛けています。また、クラウドを活用した在宅医療の診療をサポートするシステム「f'Rens」を提供。自宅での機器使用履歴を医療機関から遠隔で閲覧可能なため、使用状況に基づいたフォローアップが可能となります。株価は、上昇する25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成しているため、同線近くまで下がってきた押し目のタイミングを狙いたいところです。

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フクダ電子(6960)チャート/日足・6カ月フクダ電子(6960)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【日本特殊陶業(5334)】
長らく上値抵抗線だった75日移動平均線を突破!

 日本特殊陶業(5334)は、スパークプラグや自動車用センサー、半導体パッケージを主力事業とする一方、在宅酸素療法製品も手掛けています。日本特殊陶業の医療用酸素濃縮装置は、自動車用センサーの技術を応用した「煙検知センサー」を内蔵しており、タバコなどの煙を検知すると音声ガイダンスと液晶画面で注意喚起を行います。株価は5月に急落した後、1600円~1700円の間でもち合いを形成。直近で上値を抑えていた75日移動平均線を突破しており、上昇トレンドへの転換が期待できます。

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日本特殊陶業(5334)チャート/日足・6カ月日本特殊陶業(5334)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【エア・ウォーター(4088)】
8月に入って株価が上昇に転じ、25日・75日移動平均線を突破

 エア・ウォーター(4088)は、子会社のエア・ウォーターメディカルが酸素濃縮装置を製造。バッテリー内蔵で、停電や災害時も安心な設計になっています。5月に複数の自治体から医療用酸素濃縮器について問い合わせがあったことから、国内での需要拡大を想定し、従来の約40%増となる増産・出荷体制を敷いているとのことです。株価は、3月22日につけた高値2104円をピークに下落が続いていましたが、8月に入って上昇トレンドに転換。直近で25日・75日移動平均線の両線を突破したことから、3月の高値2104円が意識されます。

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エア・ウォーター(4088)チャート/日足・6カ月エア・ウォーター(4088)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【日本酸素ホールディングス(4091)】
在宅酸素療法に関するトータルなサポートを展開

 日本酸素ホールディングス(4091)は、傘下の大陽日酸が酸素濃縮装置や携帯用酸素ボンベ、呼吸同調器など、在宅酸素療法に使用されるさまざまな機器を製造。機器の定期点検や遠隔監視システム、医療用ガスの24時間体制の緊急配送など、トータルでのサポートを展開しています。株価は、上昇する25日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成しており、同線近くでの押し目買いを狙いたいところです。

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日本酸素ホールディングス(4091)チャート/日足・6カ月日本酸素ホールディングス(4091)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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【小池酸素工業(6137)】
酸素濃縮装置やパルスオキシメーターなどを手掛ける

 小池酸素工業(6137)は、グループ企業の小池メディカルが酸素濃縮装置やパルスオキシメーター、酸素ボンベ、酸素流量計などを手掛けています。株価は2300円を挟んだもち合いが続いていましたが、8月4日に一時2747円まで急伸する場面が見られました。その後は利食いに押されて一気に下落したので、仕切り直しのスタンスになるでしょう。

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小池酸素工業(6137)チャート/日足・6カ月小池酸素工業(6137)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)
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 以上、今回は「酸素濃縮装置」の関連銘柄を発掘しました。

 新型コロナウイルス感染症の変異株は世界中で感染拡大しているため、酸素濃縮器は国内だけにとどまらず、世界中で需要が高まる可能性も考えられます。そうした状況を踏まえ、「酸素濃縮装置」関連銘柄に関しては短期的な売買だけではなく、長期的な目線で注目しておきたいところです。
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