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10月11日、英国の投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズが、「家庭教師のトライ」などを運営するトライグループを1000億円程度で買収することが判明したと報じられました。トライグループは、全国で家庭教師の派遣や個別指導塾を展開する企業で、「アルプスの少女ハイジ」のキャラクターを使ったCMで知っている方も多いかと思います。
今回の報道によると、トライグループは買収後、コロナ禍で需要が拡大したオンライン教育やタブレットを使った人工知能(AI)による習熟度診断などのサービスを強化し、企業価値を高めて3~4年後の上場を目指すようです。
教育ビジネス業界の再編気運の高まりと
「EdTech(エドテック)」サービスの普及に期待
CVCキャピタル・パートナーズとトライグループは、10月中にも買収契約を結ぶと報じられています。これにより、教育ビジネス業界の再編への思惑が高まるとともに、テクノロジーを用いて教育を支援するEdTech(エドテック)サービスの普及が加速すると見込まれ、今後「教育システム」に関連した企業への注目度が高まると考えられます。
そこで今回は「教育システム」関連の銘柄に着目しました。
「教育システム」関連の銘柄は、これまでに何度も物色されてきました。2020年4月にも、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い小中学校が休校となるなか、政府が児童生徒にノートパソコンやタブレットといった端末を1人1台配布するなど、教育ICT環境の構築を実現する「GIGAスクール構想」を前倒しで実施することを決定したことで、「教育システム」や「オンライン教育」に関連した物色の動きが広がりました。
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その際、関連銘柄の一角として人気化したすららネット(3998)は、2020年4月の約1200円から10月には9350円(分割調整後)へと大幅に上昇しました。ただ、その後「GIGAスクール構想」の実現に向けた環境整備が年度末で一巡したことで“材料出尽くし”となり、それまでの大幅な上昇に対する反動から下落。すららネットは、現在2200円前後まで株価を下げています。
今回選定した銘柄の多くも「GIGAスクール構想」を手掛りとした物色で高騰したあと、大きく調整しました。それらの銘柄は、その際の下落幅が大きかったことから、再度、昨年の高値水準まで戻すのは厳しいと思いますので、まずは「3分の1戻し」や「半値戻し」を目標値としたリバウンド狙いが基本戦略となります。
ただし、今回は業界再編を伴ってのデジタル化推進の動きを見込んでいるため、短期的な材料としてだけではなく中長期的な上昇トレンドとなることも期待できるでしょう。
なお、銘柄選定では、直接的に「教育システム」を手掛けている企業をピックアップ。ベネッセホールディングス(9783)や学研ホールディングス(9470)、ナガセ(9733)といった大手企業は避け、より個人投資家による物色が期待できる中小型株に絞り込みました。
【すららネット(3998)】
約12万人の児童生徒が利用する「すららドリル」を提供
すららネット(3998)は、デジタル学習教材「すらら」などの企画開発・販売を行っています。すららネットが手掛ける「すららドリル」は、NEC(6701)が提供する教育クラウドを通じて、2021年8月から6自治体368校で約12万人の児童生徒の有料利用が始まっています。株価は、2020年10月の高値9350円をピークに下落トレンドが継続していますが、高値から1年が経過して需給調整はおおむね一巡していると思われるので、ここからのリバウンドに期待したいところです。
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【日本システム技術(4323)】
高等教育機関の運営をトータルで支援
日本システム技術(4323)は独立系ソフトウェア会社で、大学など高等教育機関の運営を支援する総合パッケージシステム「GAKUENシリーズ」を提供しています。7月21日には、大日本印刷(7912)のデータベースと連携させることで、大学のDXを推進する新サービスも発表しました。株価は9月28日につけた高値2087円をピークに足元で調整を見せていますが、長期的には切り上がる75日移動平均線を下値支持線とした上昇トレンドを形成しており、押し目買いの好機と言えるでしょう。
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【クシム(2345)】
eラーニングシステム「SLAP(スラップ)」を手掛ける
クシム(2345)は、eラーニングシステム「SLAP(スラップ)」を提供。一般的なパワーポイントやエクセルで作成したコンテンツを活用して受講できるだけでなく、テストの採点や受講者の管理・運営なども可能な教育プラットフォームとなっています。また、「AI」「ブロックチェーン」「IoT」「新規事業開発」などについて体系的な知識やスキルが習得できる「eコンテンツ」も取り揃えています。株価は、長期的な下落トレンドが続いていますが、8月半ばから340円付近での底堅さが意識されており、押し目買いのタイミングを見極めたいところです。
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【オプティム(3694)】
教育ICTをより簡単に実現する「Optimal Biz」を提供
オプティム(3694)は、教育ICTをより簡単に実現する教育機関向けソリューション「Optimal Biz(オプティム ビズ)」を提供しています。「Optimal Biz」は、1人1台の環境であっても一括で教育コンテンツを配信でき、さらに、授業時間に合わせてタブレットで利用可能なアプリを指定するなど、利用シーンに合わせた設定の自動切り替えが可能です。株価は2021年2月以降、長期的な下落トレンドが継続していますが、1900円付近が押し目買いのタイミングとして意識されています。25日・75日移動平均線を超えてくるようだと、さらなる上昇が期待できます。
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【チエル(3933)】
学校教育市場に特化しが学習支援システムを開発
チエル(3933)は学校教育市場に特化し、パソコンやタブレット端末を活用した学習支援システムを提供しています。中学校向けや高校・大学向けの授業改善に役立つ学習システムから、教材、運用管理システム・セキュリティシステムまでサポートしています。チエルは過去にも非常に人気化したことのある銘柄で、2020年3月の650円付近から6月半ばには2720円(分割調整済)まで急伸しました。足元では下落トレンドが継続していますが、1200円近くでの底堅さが見られるので、押し目買いを狙いたいところです。
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以上、今回は「教育システム」関連の銘柄を発掘しました。
教育のデジタル化は、「GIGAスクール構想」の実現からもわかるように、政府にとっても今後力を入れていく分野になることは間違いないでしょう。そのため「教育システム」関連については、長期的な目線でチェックしておくことをおすすめします。
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