人脈づくりや
組織活性化にも期待

「ビジネススクールのもう一つの魅力は、教員との距離が近く、同級生・同窓生として各界のビジネスパーソンとも人脈を築けることにあります」と、西田社長は明かす。同様の魅力を挙げる修了生も多い。意欲ある学生が集まるだけに、自主的な勉強会や懇親会などを開くことが多く、教員の参加も珍しくない。授業外の交流プログラムを設けるビジネススクールもあり、人的ネットワークづくりを積極的にサポートしている。

「修了の資格がすぐに出世やキャリアアップ転職に結び付かなくても、門戸が広がることは事実だと思います」。西田社長自身は、MBA修了後に社内でビジネスの最新理論について経営陣にプレゼンテーションを行う機会を持った。また、転職に際してもアドバンテージがあったと感じている。「ビジネススクールで学んだことは、その後の学びの入り口になります。最新の理論をどのように修得するか、仕事の中で理論をどう生かしていくかといった方法論が身に付くからです」。さらに、「働きながら学ぶ社員がいること自体、企業にある種の活力を生むのではないでしょうか。学んだ成果をすぐに自分の組織で披露して、知見を共有する例もあります」と、波及効果にも注目する。

教育訓練給付制度や
奨学金の利用も

 自分に合ったビジネススクールの選び方について、西田社長は「現在の職務に関係のない分野でも、関心があるなら検討してみては」と、アドバイスする。「進学したいビジネススクールの候補が出てくれば、授業を見学したり、教員や履修生、修了生に会ってみて、学修環境を確認することをお勧めします」。科目等履修からスタートして、研究科に入学するケースもある。

 経済的な負担も気になるところだが、多くのビジネススクールが厚生労働省の所管する教育訓練給付制度の指定を受けている。独自の奨学金制度を設けているビジネススクールもある。勤務先の企業で、助成制度が利用できるかもしれない。

「学びたいと考えたときが、進学の好機です」と、西田社長。人生に新たな扉を開くビジネススクールに足を踏み入れるなら、今だ。