人材不足、ノウハウの欠如……
それでもDXは内製すべき

コロナ禍以前の2018年、経済産業省は「DXレポート」で、「事業会社は環境変化を把握し、迅速に製品・サービスを展開するために自社で内製化したアジャイルな組織を構築する」必要性をすでに指摘している。

しかし日本企業のDXは、人材不足やノウハウの欠如を理由に、多くが外部に“丸投げ”されているのが現実だ。

「DXでデータ活用を推進し、新たな顧客提供価値を生み出せなければ、企業がアフターコロナの世界で生き残ることは極めて難しくなります。しかし、DXを外部に委託したら、自社の事業のコアを明け渡すことになり、セルフコントロール力を失うのです」

そう警鐘を鳴らすのは、DXの内製化支援サービスを展開するゆめみ取締役の工藤元気氏。同氏はDXのアウトソーシングが、次第に時代に適さなくなっていると指摘する。

「デジタルサービスを立ち上げるに当たり、ウォーターフォール型のシステム開発では、一般的に ローンチまでおよそ1年かかります。しかしVUCA(不確実性)の時代となった今では、その間に急激な変化、進化があり、そのシステムが役に立たなくなる恐れがあるのです」

だからこそ社内でアジャイルに軌道修正・意思決定が可能な組織を持つことが必要だと、工藤氏は力説する。

DX実現の鍵は「内製化」。人材不足やノウハウ欠如でも自走できる支援サービスとは工藤元気(くどう・げんき)◎2011年入社。新規事業の立ち上げに数多く関わり、ウェブアプリ、スマホアプリ開発案件のPJ推進・ディレクターを経験後、19年マーケティング・セールス担当として取締役就任。デジタルサービスの立ち上げ〜運営を手広く支援。

社内人材へスキルを譲り渡し
アジャイルな体制を構築する

では、ゆめみはどのようなDX内製化支援サービスを提供しているのか。同社プロジェクトマネジャーの海保研氏によると、ゆめみのサービスデザインは、企業によって変わるという。

「まずワークショップで、社内関係者全員の価値観と方向性・目標をそろえ、新たな価値を提供するためのビジネスを構築します。IT部門だけでなく、ビジネス部門の人材も参加し、部署の垣根を越えて同じテーブルで対話し、目線を合わせていくのです」

DX実現の鍵は「内製化」。人材不足やノウハウ欠如でも自走できる支援サービスとは海保 研(かいほ・けん)◎大学のゼミでコンピューターサイエンスを学び、10年ほど受託開発やJavaインストラクターに従事。2017年入社。大規模アプリ開発など自らPMを担当しながら、PMテックリードとして全社横断のPM支援担当として活躍している。

必要な変革策がまとまれば、ゆめみ所属のコーチがアジャイル開発によるプロダクト開発体制を構築する。そこで行われるのは「スキルの譲渡」、スキルトランスファーだ。ゆめみがDXを代行するのではなく、自走するためのスキルを社内人材に伝授するのだ。

「ゆめみと一緒に、実際にプロダクト企画開発を実践して早めに成功体験を得てもらい、プロダクトを形にしていきます」(海保氏)

社内人材が自らプロダクトのロードマップを描き、早期にプロトタイプを提示することによって、経営層にも判断しやすく、社内稟議も通りやすくなると、海保氏はそのメリットを語る。

「また、早い段階でエンドユーザーに実際に使ってもらい、フィードバックを得て、そのデータから学習・改善すれば、より上質なプロダクトにブラッシュアップできます」

ペルソナのストーリーを丁寧に分析し
ビジネスとデジタルの融合を成功に導いた

ゆめみが提供するDX内製化支援サービスの具体的事例として海保氏は、大手小売・流通業界のデジタルサービスのリニューアル案件をあげた。

「例えばスマホアプリがブームになった時、企業はこぞってアプリを公開しました。リアルな店舗やスタッフが顧客接点となるような業種でも同様に、その需要は高まり続けています」

こうしたブームに乗った経緯で各企業で開発されたサービスは、Webサイトを表示するだけのアプリや、ライバル企業の後追いで機能を追加したものなどで、真の意味でユーザーに「刺さる」スマホアプリではなかった。結果DL数も伸び悩み、メンテナンスや追加開発もあまりされないままのケースが増えていた。

「最近では、スマホアプリは顧客接点の一つとして認知されるようになっており、各企業が接客チャネルとして力を入れていく方針を打ち出しています」

OMO・オムニチャネルとも呼ばれた、こうした接客チャネルの拡張を求めるDXの機運もあり、スマホアプリのリニューアルの要望が各企業に寄せられている時期があった。

「しかし、リニューアルとは言っても、どのような顧客に対し、何を価値として提供し、どのようにスマホアプリを使うかを考えられていないケースもありました」

そこで、ゆめみでは顧客のIT部門だけではなく店舗担当者なども交えたワークショップを実施した。そこでは、ユーザーのペルソナを作成し、そのペルソナがどのようなストーリーでスマホアプリを使い、サービスを受け取るかを細かく作成した。ゆめみスタッフ自らが企業のサービスを利用したり、店舗で接客の観察を行い、顧客理解を深めた。

その結果、リニューアル後に大幅にDL数が増加し、継続的に改善していきながら、デジタルサービスをビジネスに融合させたDXに成功した企業もあったと言う。

アウトソーシングの時代を終わらせる
ゆめみのDXに懸ける強い決意

スキルトランスファーを目的としたゆめみのDX内製化支援サービスの目標は、「アウトソーシングの時代を終わらせる」こと。しかし、あらゆる企業が自走可能になったら、ゆめみのようなDX内製化支援サービスは不要となるのでは? そこに矛盾を感じないのか。その疑問に対して、工藤氏は将来への思いを含めこう語った。

「グローバルから見て圧倒的にDXで後れをとっている日本企業の現状からすると、しばらく私たちが役割を終えることはないでしょう。もし日本の全企業がDXを完了する日が来たとしても、私たちはそれまでに得たナレッジを活かし、さらに高度な社会課題に取り組みます。むしろそんな時代が早く来てほしいですね」

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●問い合わせ先
株式会社ゆめみ
〒154-0024 東京都世田谷区三軒茶屋2-11-23 サンタワーズB棟8階
TEL:03-5432-5801
URL:https://www.yumemi.co.jp