ファストフードで朝のコーヒーが0円、ケータイの基本料金が一定期間無料、ネット通販が送料無料…。など、近頃は無料を売りにしたサービスが多いが、証券会社のサービスも、調べてみたら“無料”がこんなにあった!
今回は、ネット証券に口座開設するだけで無料になるサービスを集めてみた。取引手数料をはじめとして、本来は有料の投資情報、日経新聞(日経テレコン21)が無料で読める、高機能な取引ツールなど…。今よりかなりおトクにネット証券が活用できるかもしれない。
なお、ネット証券各社では日頃からさまざまな「無料キャンペーン」も行われているが、ここではキャンペーンでなく、通常のサービスで無料のものを紹介する。
手数料編~現物も信用取引もタダ!?
「手数料無料ってそんなにおトクなの?」と思う人もいるかもしれない。しかし、実際に取引をしてみると、株価がちょっと動いてすぐに利食ったとしても、手数料がなければ値幅がそのまま利益になる。1回の手数料はわずかでも、売買を繰り返していけばバカにならないコストの差を生む。
特に信用取引の場合、今年から1日の中で同じ資金を使って何度でも取引できる“回転売買“が可能になった。手数料がかからないなら、売買するほどその恩恵が実感できるだろう(信用取引の場合は、別に金利がかかる)。
ただし、株式手数料無料には以下のような条件がある。
◆口座開設後、○カ月間は無料のネット証券をチェック
口座開設後、だれでも一定の期間は手数料を無料にしているネット証券がある。丸三証券は、新規開設後、2カ月間手数料が無料(現物・信用取引とも)。松井証券は、信用口座開設後の6カ月間、1日の約定代金30万円以下(現物・信用合計)なら手数料が無料になる。
ライブスター証券は、現物・信用・先物取引すべてを対象として、口座開設後40営業日まで手数料を無料としてきた。このサービスは2011年7月からのキャンペーンで、長期的に継続中だったが、ついに2013年3月末で終了することに…。いまが最後のチャンスだ。
◆少額取引の手数料無料、実は侮れない
松井証券では、1日の約定代金合計額が10万円以下なら、手数料が現物・信用取引ともに無料だ。
このサービス、投資初心者向けと思うなかれ。たとえば、「好業績で株価が低迷している銘柄を毎日少しずつ買う」とか、「ETFを定期的に買う」という風に、積立感覚で継続して株式を買う場合、手数料無料が効いてくる。いつでも無料なので、少額投資をうまく活用すればかなりのコスト削減が狙えるのだ。
◆手数料無料のETFで世界に投資!
ETFは、日経平均をはじめとして、さまざまな指数に値動きが連動する「上場投資信託」のことだ。投資信託とはいえ、取引所で株式と同様に取引できるお手軽さが魅力。また、価格が指数に連動するため「値動きのわかりやすさ」「1銘柄でも分散効果が期待できる」などの点もメリットとして考えられる。
| ■カブドットコム証券の「フリーETF」一覧 | ||
| コード | 銘柄名 | 連動する指数 |
| 1344 | MAXIS トピックス・コア30上場投信 | TOPIX Core 30 |
| 1346 | MAXIS 日経225上場投信 | 日経平均株価(日経225) |
| 1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 東証株価指数(TOPIX) |
| 1349 | ABF汎アジア債券インデックス・ファンド | アジアの8つの国と地域の市場のベンチマーク指数(iBoxx ABF 汎アジア指数) |
| 1550 | MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場投信 | 日本を除く先進国に投資をする代表的なベンチマーク「 MSCI Kokusai Index」 |
| 1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 | 「S&P500 VIX短期先物指数」 |
| 1553 | MAXIS S&P東海上場投信 | 東海地方に本社がある企業で構成される株価指数「S&P 日本地域別指数-東海-」 |
| 1557 | SPDR S&P500 ETF | 米国の証券取引所に上場された代表的な500銘柄から構成される「S&P500指数」 |
| 1561 | 国際のETF VIX中期先物指数 | 「S&P500 VIX中期先物指数」 |
| 1567 | MAXIS トピックスリスクコントロール(5%) | TOPIXリスクコントロール指数(ボラティリティ5%) |
| 1574 | MAXIS トピックスリスクコントロール(10%) | TOPIXリスクコントロール指数(ボラティリティ10%) |
カブドットコム証券では、「フリーETF」のサービス名称で、上の表に掲載した11銘柄に関しては、現物・信用取引ともに手数料が無料。日経平均やTOPIXだけでなく、米国の「S&P500指数」やアジア全般への投資も国内取引所から手数料無料で実現可能だ。
信用取引手数料が無料になる証券会社
信用取引では手数料が無料となるネット証券が意外に多い。だが、そのほとんどが大口顧客向けか、高額の約定時という条件付きだ。
そのなかで、小口の顧客でも無料になるサービスを打ち出しているのがSMBC日興証券だ。ネット取引(ダイレクトコース)の信用手数料は、なんと条件なしで完全無料だ。
また松井証券の「一日信用取引」は、デイトレードに限り手数料無料。加えて約定300万円超なら金利も0%になる。
【関連記事】
⇒「デイトレならコスト0円」ってホント!?驚きの信用取引料金を打ち出すネット証券が登場!
信用手数料無料を利用して、現物株を低コストで取引できる
SMBC日興証券の「ダイレクトコース」では、信用取引手数料が無料なことに加えてだが、決済方法である「現引き」「現渡し」も無料となっている。現引きとは信用取引で買い建てした株を現物株で受け取ること。現渡しは、信用取引で売り建てした株を保有している現物株で返済することだ。
信用取引で買い建てして、すぐに現引きすれば、手数料無料で現物株が手に入る。また、現物株を売る前に信用取引で売り建て、すぐに現渡しすれば、売り建て時の現金が受け取れる。どちらの場合も実質、手数料無料で現物取引ができることになる。
この間、現物株が値上がりしていれば、まるまる利益になる。信用取引なので金利はかかるのだが、SMBC日興証券の買方金利は2.67%なので、100万円の取引の場合、金利は1日換算で約73円。売り建て時はさらに安く、金利(貸株料)1.15%で1日換算約31円だ。
一方、100万円約定時の現物手数料は、他の証券会社では400円前後~数千円。少々手間はかかる方法だが、少しでも取引コストを減らしたい人にはおすすめだ。ただし、建て玉金額が高額になるほど、金利も高くなる点は注意したい。
また、現物株を買うための預かり金と、信用取引で新規建てするための保証金は別々に必要になるため、資金にある程度余裕がなければこの方法は使えない。
なお、その他の手数料無料の条件、信用取引のコストについては、下の記事で詳細な料金比較表などを掲載しているので参考にしてほしい。
便利な投資情報や取引ツール
◆日経新聞やQUICKの情報がタダで読める
【図1】楽天証券の「日経テレコン21」は取引ツール「マーケットスピード」内で読める。
続いて、無料で読める投資情報や、情報ツールについて紹介する。
大和証券、丸三証券、楽天証券では、証券口座を開設するだけで「日経テレコン21」が無料で利用できる(ただし、楽天証券は取引ツール「マーケットスピード」の無料条件を満たす必要がある)。日経テレコン21は、日本経済新聞をはじめ、日経産業新聞、日経MJなどの大量の記事を読むことができる。
速報ニュースのチェックはもちろん、当日の新聞紙面や過去の記事検索まで可能。記事によってはPDFファイルで表示できるので、スクラップ保存も簡単だ。
【関連記事】
⇒「日経新聞」「会社四季報」を無料で読める証券会社を解説! 利用料0円ながら、紙媒体では読めない独自記事や先行情報を掲載し、記事の検索機能も充実
また、松井証券では「QUICKリサーチネット」が無料で利用できる。個別銘柄のレポートやマーケット情報などが閲覧できるサービスで、通常は3カ月1500円程度の利用料がかかる。それが口座を開くだけでタダで使えるのはうれしい。今年1月にサービスがリニューアルされており、業績のグラフ表示など以前よりも見やすくなった。
◆高機能取引ツールの無料条件が緩和された
最近では、高機能なトレードツールを無料で提供する証券会社も増えてきたが、大手ネット証券で使える有料ツールも、無料使用の条件がかなり緩和されている。
代表的な取引ツールであるSBI証券の「HYPER SBI」や楽天証券の「マーケットスピード」には、無料で使える条件がいくつかある。たとえば、信用取引か先物・オプションの取引口座を開設しているだけでも無料になる。実際は、かなり多くの人が無料で利用できていると思われる。
◆システムトレードのバックテストが無料
システムトレードとは、過去の値動きや一定のパターンなどを検証し、過去に有効だったルールを利用して行う取引のこと。過去の検証を行うことを「バックテスト」または「シミュレーション」と呼ぶ。
【図2】「マネックストレーダー」は、「プログラムトレード」や「テクニカル検索」など他社にない機能を備えたトレードツールだ。拡大画像表示
ネット証券でもいくつかバックテストができるツールが提供されているが、有料の場合が多い。そのなかで、無料で利用できる点で注目なのがマネックス証券の「マネックストレーダー」だ【図2】。
マネックストレーダーは日本株専用のトレードツールで、バックテストができる「プログラムトレード」機能を備えている。利用できるチャート「のろうそく足」は5万本、長期チャートは約30年分、分足チャートは数カ月分も表示できる。他の証券会社のトレードツールの場合、表示できる期間は分足チャートで3日~5日程度が一般的だから、非常に期間が長い。
「移動平均線のゴールデンクロス」などテクニカル指標を使った76の戦略が用意されており、各指標について変数(移動平均線の日数など)を変更して最適な変数を探し出すバックテストが可能なので、無数の可能性を試すことができる。
マネックストレーダーは無料で利用できるが、Excel連係機能を備えた「マネックストレーダープロα」は月額1000円となっている。
(構成・文/久保田正伸)



