「事業」と「顧客」で各カンパニーをつなぐ

――社内カンパニー制への移行によってエリアの独立性が高まる一方、一体的なネットワークの維持が大事になりますね。 

各カンパニーを横串でつなぐ機能として「事業軸」と「アカウント(顧客)軸」の二つで考えていきます。

事業軸は、トラックや鉄道、航空、船舶、小口貨物の輸送などを国内や世界各地につなげるサービスであり、これら事業機能において本社と各カンパニーがこれまで以上に連携を密にしてサービス水準を維持・強化します。

アカウント(顧客)軸では、大手顧客の多くが日本全国で事業を展開しているため、各地で高水準のサービスを提供していくことが肝要です。そのため、アカウント事業所が中心となって各カンパニーや現場と調整しながら一体的な運営体制を確保していきます。

――資本効率や利益率を重視することで、倉庫などの設備投資に対する考え方は変わりますか。

社内カンパニー制への移行に伴い、マーケット規模が大きい東名阪に投資を集中し、EastやWestは手薄になるのではないかと誤解されますが、そうではありません。 

最近でも、北海道や熊本に半導体関連の大型倉庫を整備しました。あくまでも顧客や市場の動向、ほかのビジネスチャンスにつながるか否かなど、総合的に判断して、利益拡大や資本効率の向上につながる案件であればちゅうちょなく投資を実行します。

大胆な組織再編を実施。日本国内の事業の強靱化とさらなるグローバル成長の実現北海道恵庭市に開設した半導体関連産業に対応した倉庫

――日本事業の再構築・強靱化は、NXグループのグローバル成長戦略にとって、橋頭堡として非常に重要となりますね。

NXグループは会社創立100周年に当たる37年に海外売上高比率を50%以上に引き上げることを目標にしています。一方、NXグループの主要顧客である自動車や電機メーカーは、現在でも売り上げの大半を海外が占めており、常日頃からグローバル市場を意識してSCを構築しています。

繰り返しになりますが、SCのエンド・ツー・エンドに対するソリューション提案のほか、アカウントマネジメント体制を追求することで、必然的に日本での売り上げ拡大と連動して、海外売上高も増やす相乗効果が期待できます。国内の再構築・強靱化は、間違いなく、グローバル成長に貢献するでしょう。 

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